HASSELBRAD 503CX Distagon 50mm FUJI FILM PRESTO400
祇王寺の境内で竹林が冬の光で舞っていた。ゆっくり動き写欲を誘う。ついつい沢山撮ってしまう。でもこの6×6の魔法の光の箱は12枚しか撮れない。一枚一枚クランクをまわししっかり撮る。いい写心が撮れた感じがファインダーから伝わる。
当然モノクロは最終のプリントワークで完成するわけですけど、それでも撮影時シャッターを切ったときに100%の完成を望む。暗室作業はべつの100%あるいは100%を200%にするためのものと個人的には考える。
カラーポジフィルムでの撮影はほぼ撮影時で完璧を目指しています。写真展のときプリント作業で濃淡明るさのオーダーは出しますがそれはあくまで、プリントがオリジナルのポジと差があるときにポジに近づけてもらうか、それだ出来なければどの色か明るさを優先とするかの最終微調整です。料理人の方がお料理を作られて最終的にお皿に盛り付ける時に、はみ出したソースを拭いたり、お刺身のつまを整えたりする物です。
個人的にはこのポジでの撮り方でデジタルでも変わりません。基本的にカメラと撮影システムのポテンシャルを100%引き出す。つまり対象にあったレンズワーク、フレーミング、露出、そしてシャッターチャンス。これ以外のものはありません。あとで加工しよう色補正しょうとしたら現場での緊張感はなくなり駄作しか出来ません。よくオーストラリアのアウトバックの夕陽朝日の写真を見る方から「こんなに大変な思いをしなくてもフォトショップで加工すれば良いのに」とか
「ここに月を合成すればもっと面白いのに」といわれる時があります。でもそれで出来た写真は緊張感がないです。そしてその緊張感は見るお客様に必ず伝わります。
だから加工しなくても大丈夫な写心が撮れるように自分の心と体でフォトショップの役割をカバーします。今広告写真の現場もデジタル化が進んでいます。でもだんだんクライアントさんやディレクターさんが写真に対し興味が強くなりし銀塩フィルムを指定してくることも逆に増えてもきていますそして同時により分業化が進んでいます。写真家に対しよりシャッターチャンス、構図そしてなによりもその人の映像世界観を求めています。レタッチ等は専門のレタッチヤーにお願いするようになり、写真家に対してはよりファインダーの中の世界に集中することが求められています。だからこれからはよりオンリーワンの世界観が求められると思いますし、そうでないとドンドン若い世代、もっと安く撮りますよというカメラマンに変わっていくようになります。まさに昔のアイドルと同じようにカメラマン使い捨ての時代になってきます(現実にファッション系のカメラマンは旬が非常に短いので1日3件ぐらいの雑誌の仕事を入れて5~10年ぐらいの間に稼ぎまくると雑誌社の人から聞きました。そして世代交代して消えていくということです)
僕自身も消えていかないためにきょうより明日、あさってはもっと楽しくいい写心が撮れるように切磋琢磨して行こうと思っています。そしてこの竹林を撮影しているときについつい熱くなり戦闘モードになってしまい、2ロールも使ってしまいました。取り止めもない話になってしまいすいません。皆さんも楽しく一生懸命写心を撮りましょう
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