フランクフルト そしていつかまたドイツへ

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NikonF2 Zeiss 50mm
フランクフルト、わずか1週間前に初めてドイツに降り立った場所。なのにもうここに来たのは100年ぐらい昔に感じる。この1週間、ドイツで鉄道の旅、歴史、文化、そして何よりも自分にとってのワールドカップ 2006フォトキナを体験して大きく何かが自分の中で変わったのと、自分の作品が充分世界で通用し評価されると言うのを実感した。僅か数日で世界中の人に出会ったような満足感と心地よい疲労感。でも心が今までのどの写真展よりも高揚したのは、見ていただいたお客様の感動のエネルギーをいただけたかもしれない。

ホテルから夜のフランクフルトの街路を散歩しながら一番初めの日にビールを飲みに行った広場に向かう。噴水がライトアップされ秋のヨーロッパの心地よい風が吹き抜けていく。レストランの外のベンチに座りビールを飲みながら他のテーブルのお客さんや道行く人を眺めている。気分はまたさらに高揚し続けている。道行く人を全員握手をするか抱きしめたくなる感じだった。でっかい声で「写真展無事大成功」と叫びたかった。でもさらに心は次の次の戦いを欲している。次の戦い日本でのパノラマ写真展、もう準備は万端。はやくもそれが終わった次のことを心は欲している。次はベルリンかあるいはまたタスマニアのウィルダネスギャラリーか、さらにワクワクする。

でもこの1週間で一番感じたことは同じ第2次大戦敗戦国でありながらかたくなに生活の伝統を守り続けているドイツと、あまりにも敗戦の廃墟と一緒になくさなくてよいものまで無くしてしまった日本との差を感じてしまった。ドイツも日本も物質的に負けただけなのに。精神的なものまでも、たとえば誇りとか品格とかまで日本は捨ててしまったのではないかと今回の旅で考えてしまった。(でも敗戦という極限状態を体験したことのない青二才の人間がこのようなことを言う失礼を切にお許しください。現実としてはその当事色々あったと思います)

話は写真のことになるけれどもこのところスキャナーを使いフィルムの整理をしているので続けてモノクロの写真をブログにUPしている。正直モノクロでスナップと言うのはそんなに反響が無いだろうと思ったのだけれどかなりの反響があり、オーストラリアの風景をUPしているときよりも多い。予想外の反響に嬉しい気持ち半分と不思議な気持ちが半分。僕らの世代にとってモノクロは古いイメージと写真の基礎という感じがあるけれど、今の10代20代の人たちにとっては新しいメディアみたいだ。時代はめぐると言うのはまさにこうゆうことなのかなと思ってしまう。今日打ち合わせの時間が少し空いたので久しぶりに何軒かの中古カメラ屋さんをのぞいた。昔は中古カメラ屋さんの常連と言えばオヤジだった(まるでお店のデコレーションのようにしかめっ面をしたオヤジたちがカメラを眺めていた)ところが数件見て驚いたのが10代20代の女の子がペンタックスSPやニコンF2やローライなんかを真剣に眺めている。そしてメモを取ったり友達と広角と標準どちらが普段のブログにUPする写真には向いているかと一生懸命、話している。今までになかった光景。僕の知り合いのOLさんもローライコードを買いとても楽しく撮影している。写るんですや写メールのおかげで今まで写真撮影と疎遠だった人たちがどんどん写真にはまり楽しみを見つけてくれている。とてもいいことで大事なことだと思う。たぶん今まで日本は写真文化ではなくカメラテクニカル文化?だったのではないだろうか。いま日本中の街中で女性が写真を一生懸命撮っているのが目に付く。きっと彼女たちの中から日本のマーガレットバークホワイト(古くてすいません)が出てくれると思う。そのためにもこの新しい芽(眼?)をつぶさないように日本のカメラ写真メーカの皆様には本当に次世代を応援してもらいたい。そうしない日本人カメラマンもユネスコの絶滅危惧種のレッドブックに載ってしまう。50年後もし生きていて上野の博物館で「絶滅種 日本人写真家」というのが展示を見てしまったらどうしよう・・・。

ドイツのモノクロシリーズはとりあえずいったん今回で最後です。旅の記録ブログは過去ログで2006年9月10月をご覧下さい。よろしくお願いいたします。

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by masabike | 2007-05-09 23:57 | ドイツモノクロ | Comments(12)
Commented by sushi at 2007-05-10 05:58
>敗戦の廃墟と一緒になくさなくてよいものまで無くしてしまった
私もドイツ生活をしていた時には、そのようなことを常に感じさせられていました。
侍の国と、騎士道の国・・・、日本も物質や金銭的なものだけではなく、精神的なものももっと誇りを持って、再度世界にアピールしなければならない時代にきているのかもしれませんね。
(新渡戸 稲造博士の武士道は、その頃よく読みました。)

>今まで日本は写真文化ではなくカメラテクニカル文化?
広告収入という実情はあるにせよ、欧米の写真誌が写真を前面に打ち出したものであるのに対して、日本の写真誌には物凄く詳細にメカニカルな記事が満載なのが現状ですよね。
Commented by hana2003h at 2007-05-10 07:26
ドイツは戦後、国土を分割されたが日本は米軍により分割は免れた。
だが、その取引の過程で植民地化政策の一環として教育を変えられ
反抗をしない精神を植えつけられたのである。

日本人の性質として過去を捨てたかった気持ちがあるのでは・・・・

海外にある大使館員の軟弱さはその教育の最たるものだよ。
Commented by somashiona at 2007-05-10 07:40
>「絶滅種 日本人写真家」というのが展示
それだけは勘弁してください。
オーストラリアに住んでいると日本の写真文化の高さを僕は感じます。
テクニカル的な感心度が高いのも事実ですけど、よい写真展の多さ、よい写真集が手に入る店の多さなど、タスマニアに住む僕はもちろん、オーストラリアの文化の中心メルボルンに住んでいる写真家でさえ日本のその写真環境を羨ましがっていました。
オーストラリアの写真好きな人にはマーガレットパークホワイトやマリーエレンマーク、エリオットアーウィットでさえ知らない人が多いのではないかという気がします。
昔、飯沢耕太郎が編集長をつとめた『デジャ=ヴュ』というとても質の高い写真雑誌がありましたがそういう雑誌が再び復活する写真文化に日本はなって欲しいです。映画館に行くような感覚で多くの人が写真展に足を運ぶようになればいいのになぁ。

相原さんのモノクロシリーズ楽しませてもらいました。
ありがとうございます。第二弾を楽しみに待っています。
Commented by masabike at 2007-05-10 08:51
somashionaさんへ
ご声援ありがとうございました。第2弾はタスマニアにしようかな?とりあえずホバートノアイスクリーム屋さんあたりからはじめたいと思います。
Commented by マサキ at 2007-05-10 15:44
久しぶりです、モノクロシリーズ良かったです!
今、兵庫県立美術館で関西写真家たちの軌跡100年と言う作品展がⅠ9日まで開催されています。 昔の関西カメラマンが残した写真を見ていると、 機材/写真材料が今程簡単に手に入らなかった時代に、これだけ 斬新ですばらしい写真を作れるのを見せつけられて感心させられました。 
お近くの方はぜひ御覧下さい。
最近暗室も作りMFニコン+ツアイスレンズにはまっている マサキより
Commented by skimama at 2007-05-10 20:31
本当に楽しく心待たれるモノクロシリーズでした。
何も分からないのに、モノクロ写真を撮りたくなってしまったのです。
それは今も続いています。とにかく楽しい・・・これに尽きるのですもの。
そのキッカケを下さったこと、今心から感謝しております。
有難う御座いました。

Commented by AoimikanM at 2007-05-10 21:13
masabikeさま
終わってしまうのが勿体ないですね。でもいつかまたモノクロームの世界に連れて行って下さいませ。
私は写真を語れるほどの女性では在りませんが、相原さんが日本の写真に関心を持ちはじめた女性達を良くご存知なのは嬉しい限りです。
モノクロはいつか挑戦したい分野です。
ドイツは終了してしまいましたが、また何処かの国の何処かの何気ない風景、楽しみにしております。

*ねね
Commented by masabike at 2007-05-11 08:04
マサキさんへ
過去の写真まさに温故知新ですね。ニコンプラスツアイスは黄金の組み合わせかもしれないですね!
Commented by masabike at 2007-05-11 08:06
sushiさんへ
タスマニアの森で五輪書を読みまして考えされられることが多々ありました。
Commented by masabike at 2007-05-11 08:07
hana2003hさんへ
御意ですね。分割されていたら北海道は今でも外国でしょうね
Commented by masabike at 2007-05-11 08:08
skimamaさんへ
写真はやはりモノクロが面白いですし、原点です。是非モノクロ写真で楽しんでください
Commented by masabike at 2007-05-11 08:09
ねねさんへ
ドイツは終わりましたが、モノクロ世界まだまだ続きます。お楽しみに
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