残月湖水図  Tasmania FUJIFILM X Series Japanから転載



残月湖水図  Tasmania  FUJIFILM X Series Japanから転載_f0050534_19080722.jpg
【和の「写心」By Masaaki Aihara】

残月湖水図
オーストラリア タスマニア州
Lake Pader(レークペダー)
FUJIFILM GFX100S FUJINON GF23mmF4 R LM WR

オーストラリアは広大だ。日本の約24倍の国土。前回、このサイトで公開したクイーンズランド州ゴールドコーストとタスマニアはまるで異なる気候風土。日本でいえば稚内と石垣島ぐらい異なる環境。クイーンズランド州は亜熱帯から熱帯。タスマニア州は世界でも稀な冷温帯雨林地域。南極からの冷風強風で、ローリングフォーティーと呼ばれる南緯40度地域。雪も降るしペンギンもいる。そんな大地で僕は30年近く撮影している。当然カメラのフィルムシミュレーションの選択も異なる。オーストラリア本土の強烈な光の地域ではフィルムシミュレーションはVelviaが定番。WBも晴天が多い。だが雪や雨の多いタスマニア(タスマニアの高原や山岳地帯は年間250日が雨)ではフィルムシミュレーションはASTIAが基本。時にはETERNAやクラシッククロームなど彩度の低い設定にする。あるいは、曇天の柔らかい光を生かしてACROS+Yeも多用する。WBも曇りモードやマニュアルでの設定も多い。だからこそ多様な色のパレットであるフィルムシミュレーションを搭載するGFX/Xシリーズはオーストラリアの撮影には必需品。

今回の相原オーストラリア撮影の機材の布陣は以下の通り。
GFXシリーズ
GFX100S、GFX 50S、GF23mmF4 R LM WR、GF32-64mmF4 R LM WR、GF45-100mmF4 R LM OIS WR、GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
Xシリーズ
X-T4、X-H1、XF8mmF3.5 R WR、XF16mmF1.4 R WR、XF35mmF1.4 R、XF16-55mmF2.8 R LM WR、Carl Zeiss Touit 50M

撮影に必要な主要な焦点距離はGFXシリーズでカバー。超広角、マクロ、夜の星景撮影に必要な特化した被写体に対しての焦点距離はXFレンズ。それとオールマイティーになんでも撮れるようにXF16-55mmF2.8 R LM WRと鉄板レンズのXF35mmF1.4 R。マクロに関しては、トレッキングや足場の悪い森の中で使うことを考え携行性を優先として、GF120mmF4 R LM OIS WR MacroではなくZeissの50Mを選択した。
今回の撮影地レークペダーは巨大な人造湖。ここは南極からの風がダイレクトに吹き付ける、サウスウエスト国立公園地域に含まれ、とても天候の変化が激しい。ただその分、被写体としてとても魅力的かつフレーミングの選択が難しい。今回は3段の構えの陣をひいた。1の陣:X-T4+XF8mmF3.5 R WR。広大な風景でかつ天候が変わりやすいので、ダイナミックな雲の表情を狙いすべてのものがカバーできる超広角。
2陣:湖のセンターの島を中心とした構図を考え、GFX100S+GF23mmF4 R LM WR。3の陣:GFX 50S+GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR。

湖のどこかに雲の切れ間から光が射した場合、その変化のみを切り取り追いかけて狙う抑えのため、三脚は2本用意した。X-T4は手持ち撮影を前提とした。
撮影は狙い通り強烈な偏西風のおかげで雲の表情が1秒ごとに変わり光と色も雲の影響で秒ごとに変わる。そして何よりも雲の切れ目から沈む前の三日月が顔を出してくれた。願った通りのシチュエーション。ちなみに撮影に行くときは、僕は必ず月齢を計算して撮影予定を立てる。今回もこの広大な風景と残月が撮れることを願って予定を組んだ。そしてGF23mmF4 R LM WRの広角だと月はとても小さい存在になる。だが1億画素のラージフォーマットならではの表現力で、ほんの小さな月の存在がこの作品のアイキャッチとなり、絵に緊張感を持たせてくれた。どんなに小さい要素もしっかり主役にしてくれる。これがラージフォーマットならではの表現力。まさに神は細部に宿る。今回の作品はぜひとも、ご覧いただく皆様にお願いしたいのはPCモニターの大画面で見てほしい。スマホでは不可能。写真家の切なるお願い。僕はラージフォーマットを使用する理由は写真展での大型プリント、あるいは巨大なデジタルサイネージでの使用をいつも考えている。大きな風景は大きな表現で見てほしい。ちまちました表現は、自分の撮影哲学に合わない。そして大きな風景こそメインは広角で撮影してほしい。これは過去のランドスケープの名作がほとんど広角であり、写真史が証明している。

でも今回の布陣の他の機材ではどんな作品があるのか?それもしっかり次回お見せしたい。次回の相原連載「和の写心」をお楽しみにお待ちいただきたい。レンズ交換式カメラはシステムで組んでこそ、真価を発揮する。

撮影協力
Tourism Tasmania
QANTAS

相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください




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by masabike | 2026-06-17 19:09 | タスマニア | Comments(0)
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