FUJIFILM X Series facebookより転載 百花繚乱図

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
百花繚乱図
長野県 上田市付近
FUJIFILM X-T4 FUJINON XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
風景写真は早朝と夕方が勝負と言われる。日中のトップライトでは、印象的な作品が撮れないという教えをよく聞く。色の変化が大きく、また斜光により被写体の立体感が増す。光のドラマチック性が増すからだ。ある意味それは正しい。僕も多くの作品を、夜明け前後あるいは、遅い午後から日没前後で撮影している。だが本当にそれだけで良いのだろうか?風景写真を撮りに行くと、朝のドラマチックなシーンが終わると帰ってしまう方も多い。
今回の作品はその撮影時間の定石を外し、快晴のお昼時に撮影している。しかもほぼ順光でフラットな光。被写体が一番平面的に見える条件。トップライト+順光での風景の撮影は一番おすすめしない光の状態と風景写真系の撮影ガイドにはよく書いてある。だがあえてこの条件で撮影した理由は2つある。
1 標準光の時間帯なので被写体の色が一番ニュートラルに表現できる
2 写真展や写真集、あるいは組み写真の際の箸休め
まず1に関して、以前にもここで書いたが、晴天の午前11時から午後1時ぐらいは標準光と呼ばれる時間帯で、被写体の色が正しく表現できる(気象条件人もよるが)富士フイルムのフィルム製品時代から必ずこの時間での作品を撮るように言われていた。今回は初夏に咲き乱れる花々と新緑の色の対比を狙った。この場合、新緑を一番みずみずしく表現したかったので、晴天の標準光の時間を狙った。また花の間にちらほらうかがえる、新芽の緑も目立つように表現したかったので、標準光の時間にした。(スマホでご覧の方はぜひPCのモニターでその細部の描写を確かめてほしい)
2つ目の写真展や写真集、あるいは組み写真の箸休めのためというのは、ドラマチックな作品ばかりだと、鑑賞者が疲れてしまう。あるいは作品の強弱がないと、作品群の流れのメリハリが効かない。わかりやすく言うと、SNSやコンテストなどの単品写真は料理でいえばアラカルト単品メニュー。それに対して写真展などの30点、50点を超える作品群は、フルコース料理。全部の料理が強い味、あるいはボリューミーだと食べる方も疲れてしまう。そのため箸休めが入る。今回の作品もそれと同じ。朝夕のドラマチックな作品、逆光や星景写真を引き立てるために、このような箸休め的な、見ていて単純に「綺麗」という作品を配置しておくと、鑑賞者はホッとするのと、その前と後に来る作品にメリハリがついて存在感が増すことになる。
今回の作品はXシリーズのフィルムシミュレーション(以下FS)の力によるところが大きい。FS設定はASTIAにしている。えっ?鮮やかなグリーンはVelviaではないのと思う方も多いはず。実は最初Velviaで設定してみた。だが予想通り、赤い花の色が強くなりすぎて、新緑との対比ではなく、赤い花が主役になってしまった。そこでASTIAに設定。だがデフォルトだと昼下がりの新緑のまぶしさが表現できない。そこでQメニューを使いEVFを覗きながらColorを+にしていった。今回はColor+4。こうすることで新緑のまぶしさが表現し、かつ、赤い花がVelviaほど強くならない表現ができた。FSとQボタンのメニュー設定を使いこなすのが、現場の光を最大限に生かす極意だと僕は思う。
あともう1つ付け加えるならば、富士フイルムだからこそ表現できるグリーンの再現性。写真の色再現の中で、難しい色のトップがグリーン。多くのカメラメーカーがデジタルに移行したとき、グリーンの色再現で悩んだ。鮮やかにするとプラスチック的なグリーンになり、落ち着いた表現にしようとするとくすんだり、濁ってしまう。その中で富士フイルムはコーポレートカラーでもあるグリーンの再現にフィルム&デジタルを通じて心血を注ぎ、他社を大きく引き離す再現性を確立してきた。毎年3月に僕は日本国際観光映像祭の審査員をしている。審査員、参加者ともに世界の映像の最前線で活躍する映像のプロたちだ。その多くが口をそろえて言うのが「富士フイルムのグリーンとブルーの色再現性は圧倒的だよね」というコメントだ。日本の風景は森などの緑が多い。今は緑が美しい季節。ぜひX&GFXを使い美しい、そして時には箸休めとなる落ち着いた日本の風景を撮っていただきたい。きっと穏やかだけど心に残る緑が撮れるはずだ。

by masabike | 2026-05-22 09:33 | 日本風景 | Comments(0)
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