桜の写真はモノクロでは駄目ですか? FUJIFILM X Series facebookより転載


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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
桜の谷
長野県
FUJIFILM GFX100S FUJINON GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR ACROS+Ye


桜の写真はモノクロでは駄目ですか?この数年、思う疑問。江戸時代の絵師たちは桜を美しい水墨画で描いている。桜の花の柔らかいたたずまいを出すのには、モノクロの方がもしかしたらふさわしいかもと最近思う。


以前にもここで書いたが、フィルム時代PROVIA100F(以下PROVIA)が登場したとき、色再現世界最高峰といううたい文句であった。多くの写真家がPROVIAに飛びついた。特に桜の撮影の季節。フィルム時代から、やはり桜の色再現は難しかった。当時プロアマ問わず、多くの人が桜を撮る際にVelviaを使用していた。だが時として、Velviaは彩度が高いのと、マゼンタ色が強いので、桜の色が強烈になりすぎた。そこにPROVIAの登場で、多くの人が撮影でPROVIAに飛びついた。これは当時プロラボの方から聞いた話だ。2000年代前半はフィルムが絶好調の時代。プロラボは2時間で現像をUPしてくれた。桜の季節、午前中に桜の撮影を終えたアマチュアの方がPROVIAを現像しに来た。昼前に現像が出来たフィルムを受け取り、色の仕上がり具合を確認して、夕方の撮影に備えるためだった。だが受け取りに来たお客様からラボのスタッフが「PROVIAは全然桜の色が再現できていない。桜のピンクが全然再現できていない」とのクレームだった。アップで撮った桜はとても淡い色で、ほんのりとしたとても薄いピンク色だった。お客様は「桜の花びらはもっと強いピンクだった」との主張。そこで撮影場所がラボから近かったので、現像したフィルムを持って桜の撮影場所にお客様とラボのスタッフが向かった。そこで桜の花に現像したPROVIAを合わせてみたところ、時間により多少色温度は異なるが、ほぼ完ぺきに色が再現できていた。実は桜の花びらは、人が思うほどピンクではない。花びらの色は、とてもとても淡いピンク。ピンク色がのっているかどうか、解らないぐらい淡い色だ。桜の花びらが濃いピンク色というのは鑑賞者の心の中で作られた、記憶色であることが、PROVIAの色再現により証明された。これにより、お客様にもご納得していただいたそうだ。



  人間の記憶は時が経てば経つほど美化されていく。解りやすい例を例えると初恋の思い出だ。子どものころの思い出は大人になり、歳が経てば経つほど美化されていく。(時としてこれが困りものでもあるが(笑))これは写真もおなじ。撮ってしばらく時間が経つと、桜はもっとピンクだった。新緑はすごく鮮やかな緑だったと、実物よりも、記憶の中で色が強調される。だから自分でRAW現像をして色再現をすると、時として現実離れした色の桜や紅葉、あるいは新緑の写真が出来上がってしまう。
話はだいぶわき道にそれてしまったが、僕はその心の中で見える色を利用してモノクロで撮るのが良いかなと考えた。今回のモノクロの桜、ACROS+Yeで撮影した。ACROS自体、とても軟調な諧調再現だが、自分の持つ水墨画の軟調なイメージに合わせるために、RAW現像をして明瞭度をより柔らかくした。ちなみに撮影時、試しにACROS+Rも試してみた。結果はコントラストが強くなりすぎてしまい、やはりACROS+Yeがイメージにあうと判断した。



ACROS+Yeはモノクロの桜がふわふわほんのりとして、春の風に揺れる情景を、イメージ通りに再現してくれた。当然色がない。でも見る人がこんな色の桜だろうなと、鑑賞者それぞれの心の中の色で見てくれるはずだ。更にこの桜の花の柔らかいほんのりとした情感はGFX100Sの1億画素ならではの再現力に他ならない。モノクロは黒から白までの諧調表現。当然画素数が増えれば、諧調表現のドットが増えてより豊かでなめらかな表現が可能となる。僕はもしかしたらGFXの1億画素は美しいモノクロの作品を生み出すためにあるのではと最近考える。今回の作品、色を出さずに、モノクロで表現することで、見る人の心の中の記憶色に頼った。皆さんはいかがだろうか?GWまだ北日本では桜の開花に間に合う。相原に騙されたと思って、桜をモノクロで撮ってみてはいかがだろうか?


Photography by Masaaki Aihara



相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください




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by masabike | 2026-05-01 08:04 | 日本風景 | Comments(0)
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