花の力 FUJIFILM X Series Japan facebookより転載


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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
花の力
FUJIFILM GFX100S FUJINON GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
フィルムシミュレーション/Velvia
WB/晴れ ISO1250

奈良県 大宇陀 又兵衛桜


以前に何回か、桜を撮る場合のフィルムシミュレーションはASTIAもしくはPROVIAモードがおすすめと書いた。だが例外の場合もある。それが今回の作品。VelviaでColor(彩度)を+1に設定している。かなり派手目だ。「ASTIAかPROVIAがおすすめです」と言いながら、当の本人がVelviaモードでは詐欺ではないかと言われる方も多いはず。だがこの理由は桜の樹の状態にある。樹齢300年とも400年とも言われる古老の桜、又兵衛さん。古老と言えども、花を咲かせる前には蕾にものすごいエネルギーが満ち満ちている。そのため蕾をたくわえた姿は遠目には真っ赤に見える。だが花が咲いてしまうと、花びらには赤色は残らずに、ほんのり淡いピンクが色として残るだけ。


この日も夜明け前、花をこれから咲かせるぞと暗闇に霊気を放ち、樹と蕾にエネルギーを充満させていた。夜明け前のカオスな時間、その霊気を含んだ蕾の赤がかすかに闇に浮かび上がる。闇に浮かぶ、蕾の赤を表現したかった。だが定番のASTIAやPROVIAのフィルムシミュレーションだと闇から浮かび上がり霊気を放つ、蕾を蓄えた樹の存在感が強調できなかった。そのためこの場合、Velviaに設定して、かつColorを+1にした。つけ加えるならばISO感度も1250に設定。感度を高めにしたのは、シャッタースピードを速くするため。理由はカオスな時間は光の変化が早い。ISO100だと10秒、20秒かかってしまうこともある。その間に光は1秒ごとに変化するし、霧雨の状態も変化する。長秒露光だとレンズに水滴が付着する場合もある。そのために短いシャッタースピードで、シャッターを切るごとにレンズに水滴の付着を確認する。フィルム時代、カオスな時間の長秒露光が30秒、40秒で現像したら水滴が写っていた、あるいは露光中に光が変わり、撮影した意図と仕上がりが異なることになったことも多い。だからデジタルになり感度が簡単にUP出来て、思い通りの作品に仕上げられることはありがたい。でも、ISO感度を1250とかにUPしたら画質が低下するのでは?と心配する方も多いはず。それには心配ご無用。なぜならば1億画素のラージフォーマットは高感度化への影響がわずかしかない。ISO1000~2000ではプリントした場合、鑑賞距離では画質低下の影響が、ほとんどないと感じられる(あくまで個人の見解ですが笑)。

僕は風景をGFXシリーズで撮影する際に、ISO3200とか6400をしばしば使う。以前、オーストラリアのグレートバリアリーフの空撮ではISO1800に設定して撮影した(もちろんヘリコプターなので手持ち撮影)。撮った作品は富士フイルム系のプロラボで2m越えのプリントをした。その際驚いたのが、肉眼でもほとんどわからなかった、グレートバリアリーフの海の中を泳ぐエイがしっかり捉えられていた。しかもエイの、とがった尻尾がわかるほど正確に。だからこそ、安心してISO感度をUPして、その場の自分がイメージした絵にふさわしい、フィルムシミュレーションを選択して絵造りをしてほしい。ただ桜の開花にあわせて僕はフィルムシミュレーションを変えている。6~7割ぐらい咲いてきたらPROVIA、満開になって青空が綺麗であれば、ASTIAにしている。ただ雨や曇りだった場合はVelviaを選択する場合もある。その場合、桜の赤味がくどくならないようにColorを-1とかにする場合もある。


いちばん大切なことは屋外の風景写真は同じ光と天気は二度とないということを忘れないこと。基本のフィルムシミュレーションやWBがあっても、「あれ?今日は何か違うな?」と感じたら勇気をもって設定を変えてほしい。それは料理と同じ。同じラーメン屋さんに行っても、いつも定番の味があっても、その日の体調や、前の日のご飯や夜のご飯の都合で、「今日はいつも食べないけどベーシックな、あっさり醤油にしよう」とか「いつもと同じ味噌ラーメンだけど今日はこってり食べたいから、味濃いめ脂多め」となるはず。写真も同じ。ここは必ずこう撮らなければならない、自分のフィルムシミュレーション&WBの設定は鉄板ということを忘れてほしい。忘れる処から名作は誕生する。スタジオでの人工の光源だと定番は存在するかもしれない。だが大自然の光と写真の神様はそれほど単純に良い光と影と色を与えてはくれない。そのためにGFX/Xシリーズは数多くの色のパレット フィルムシミュレーションと細かい設定ができるQボタン、そして完璧ともいえる長年の富士フイルムの色歴史で創り上げたカラープロファイルがある。そして一番大切なことは、現場でしっかり被写体と向き合い、観察すること。その時GFXはあなたの心にシンクロしてくれるはずだ。


Photography by Masaaki Aihara



相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください


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by masabike | 2026-04-01 18:04 | 日本風景 | Comments(0)
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