マイナス21℃の朝 FUJIFILM X Series Japan より転載

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
マイナス21℃の朝
北海道 川湯温泉
FUJIFILM GFX100S FUJINON GF32-64mmF4 R LM WR



北海道ブルーもしくは十勝ブルーという言葉をご存じだろうか?僕は北海道の人から何度かこの言葉を聞いたことがある。北海道の冬は長く雪が降る。ただエリアによっては東北や新潟などの日本海側よりも降雪量は少ない。どちらかと言えば降雪量よりも寒さが厳しい。
この朝も夜明け前からの撮影を終えて宿に戻る途中、川湯温泉街を車で抜けるとき、とても美しい霧氷の林に出会った。ちょうどこのエリアは温泉が地面から噴き出していて、その湯気が樹木にまとわりつき、マイナス21℃の気温で霧氷になった。そして空は見事に晴れ渡り雲1つ無かった。これぞ北海道ブルーな空だった。僕はGFX100SのフィルムシミュレーションをASTIAモード、Colorを+3に設定した。以前にもここの連載記事で書いたが、オーストラリアや南の島の空を表現するのにはVelviaが僕の主観では一番。だが北海道の冷たく成層圏まで続くようなブルーの空は、Velviaだと少しマゼンタが強く、温かみを帯びてしまう。そのためにASTIAに設定するが、デフォルトだと少し彩度がおとなしいので、輝くようなブルーを出すためにColorを+3にした。そしてASTIAは白の再現力、特に白の抜けが美しいのでVelviaではなくASTIAを選んだ。だがもし同じ場所で吹雪や霧であれば違ったフィルムシミュレーションを設定する。吹雪であればETERNAで彩度をさらに落として、一見モノクロと見間違うような、色設定で撮るだろう。そして霧であればモノクロでACROSの柔らかい階調を生かしACROS Yeで撮影し、かつSharpを-2~3ぐらいに設定して、柔らかい空気感を狙うだろう。
日々進化し続けるフィルムシミュレーション。使いこなすにはどうすればよいか?色に関しては、正解は1つではないが、自分が撮りたい世界観を常に心の中にイメージを持つこと。


今回のような冬の快晴だったらASTIA、霧になったらACROS。あるいはストリートフォトで、コントラストの強い斜光だったらClassic Chromeと、常にイメージを日ごろから持つこと。そうしないと良い光は突然来るので、その際にフィルムシミュレーションどれにしようかと迷うと、せっかくのシャッターチャンスを逃がしてしまう。そうならないためには日頃からの自分の色の世界観の構築が大切。そしてできればプリントをして世界観を確かめてほしい。2Lサイズぐらいでもよいのでプリントにすると色の世界観が良くわかる。プリントをする理由の最大の使命は、写真はプリントして初めて写真として完成すると僕は思っている。EVFやPCのモニターだけでは写真の質感がつかみづらい点もある。


風景だとVelvia一択という方もたまにいらっしゃる。ダメとは言わないが、写真展や写真集あるいはPhotobookにしたときに色のメリハリがなくなり見飽きてしまう。写真展などで強い色や光を訴えるためには、対比する柔らかい色あるいはモノトーンの色の作品を、作品を見せる流れの中に数点入れると良いと僕は思う。料理で言えば、フルコースの料理で、時々箸休め的な料理を入れないと、メインのお料理が引き立たないのと同じと考えてほしい。自分自身の写真展や写真集では強い光、強烈な色はVelviaで表現 時にはColor +1ぐらいに設定。柔らかい色や光はASTIAやETERNA、そしてスナップやイメージ訴求の広告系の仕事ではClassic ChromeやNostalgic Neg.を使うことも多い。ではスタンダードのProviaは必要ないのでは?という意見もあるだろう。僕はしっかりした記録の写真、あるいは広告やエディトリアルでも商品あるいは被写体の色や質感を客観的に伝えるときはProviaを選択することが多い。フィルム時代からProviaは色再現世界最高水準と言われていた(ちなみにProvia100Fのフィルムの全世界広告のポスターは僕が撮りました。少し自慢ですいません。)

X&GFXのフィルムシミュレーションの世界は奥が深い。そしてさらにWBやISO感度などの各種設定と組み合わせることで銀河系の星の数ほど多くの色表現の世界が生まれる。
では使いこなすためにはどうするか?1つの方法として富士フイルムのX&GFXのフィルムシミュレーションのサイト

https://www.fujifilm-x.com/ja-jp/products/film-simulation/を見て、自分が望む色の世界観を探してほしい。更にカメラの機能でQボタンを活用し、その場その場で細かい設定を試してほしい。色にこだわるX&GFXのフィルムシミュレーションを使いこなすことは、自分が表現したい世界の色の扉をあける大切な鍵になってくれる。
Photography by Masaaki Aihara


相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください


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by masabike | 2026-03-05 06:57 | 日本風景 | Comments(0)
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