マジックアワー FUJIFILM x Series Japan facebookより


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富士フイルム SNSより
【和の「写心」By Masaaki Aihara】
マジックアワー 2011年撮影
青森県 弘南鉄道
FUJIFILM X100
今から15年前の年末、小さな宝石みたいなカメラが産声を上げた。見た目はとても小さいカメラだが、当時のいかなるデジタルカメラよりも色再現に優れていた。そのカメラの名前はX100。色がすばらしいだけではなく、持つ喜び、使う喜びにあふれていた。当時のデジタルカメラはどうしてもフィルムカメラに比べて、所有欲がくすぐられない。家電製品みたいで、次の新製品がでたらすぐ買い替え。何よりも撮影が終わった後、今日も1日ありがとうと声をかけながら、磨いていく愛着がわかなかった。
だが、X100は撮影が終わった後、ご苦労様と声をかけながら磨きたくなるカメラだった。


何よりも、最も大切なことは、X100の画像データを見たときに本気でデジタル写真に取り組んでみようかと考えた。その最も大きな理由が、心の中で見えた色が再現できる。フィルムと同等の色再現ができたことだった。フィルム時代に培われた、自分の世界観を変える必要がない。これは写真家にとって大きなアドバンテージだ。

X100の登場からさかのぼること3年前、オーストラリア・タスマニア州である画像処理ソフトウェアメーカー主催の、プロモーションも兼ねた画像処理ソフトの開発事業に招かれていた。世界中から名だたる写真家17名が参加した。ナショナルジオグラフィックの伝説と呼ばれる男、ニューヨーク・ヴォーグでハリウッドスターやセレブを撮影している女性写真家、ヨーロッパの現代アートの作家などなど。各自お気に入りの愛機とともに参加。カメラは各自自由に選択できた。僕はFUJIFILM Fine Pix S5Proを2台持って行った。

撮影テーマは毎日、撮影前夜のミッションブリーフィングでクライアントからいろいろなジャンルのカテゴリーが、各種条件をてんこ盛りでアサイメントされる。そして翌日の夜までに各自3~5点をクライアントに提示すること。締切厳守。提出後すぐに全世界に作品はネット配信され、全世界から良いコメントとブーイングが寄せられる(笑)
ただそこでもっとも大切で大変なことが、クライアントの画像処理ソフトウェアを使用すること。2008年当時のデジタルカメラは、思い通りの色がなかなか出ない。まだ多くの写真家が、フィルム時代の色と世界観の落差に悩んでいた。だから画像処理ソフトウェアを使用せざるを得なかった。撮って出しなんて夢の世界だった。だから僕以外の写真家は朝から撮影(なんと夜明け前から撮るのが全員の定番)して午後3~4時ぐらいにはワークルームのあるホテルに戻り、画像処理をしなければならなかった。僕はと言えば、ひとりだけ、夜明け前から夕景、夜まで撮影して、夜8時~9時にホテルに戻り、クライアントの画像処理ソフトを使用し、作品をセレクトするのみ。ソフトウェアはセレクトだけに使用して画像修正の作業はほとんどなかった。その理由はS5Proが今のフィルムシミュレーションの元祖に当たる色再現を搭載していたので、僕は画像修正をする必要がなかった。撮って出しができるS5Proのおかげだった。おかげでライバルの写真家たちが、時間不足で撮影できない、夕方から夜の撮影が余裕でできた、そのおかげでライバルよりも大きなアドバンテージを得ることが出来た。その結果、ソフトウェアのプロモーションに多くの作品を使っていただくことができた。


そんな撮って出しのハイポテンシャルをさらに熟成進化させたのがX100。今回の作品、薄暮の無人駅に停車した電車の窓明かりが新雪に映り込む。背景は薄暮のマジックアワーの光。これが見事に再現できた。しかも小さなカメラで。当時はこのマジックアワーが撮って出しで再現できるカメラはなかった。
列車が駅を離れ粉雪舞う闇の世界に去った後、僕はX100の小さなモニターを再現して撮影画像を確認したとき大きな満足感がこみあげてきた。


小さな宝石のようなカメラはポケットやカバンに忍ばせて、いつも一緒に行動し、旅をし、一緒にバイクにも乗った。カメラで遊ぶことの大切さも教えてもらった。だが突然携帯電話が鳴り、遊びの時間が終わり、遊び先で急に本気仕事モードで撮影をしなければならなくなったときでも、小さな宝石X100は見事に応えてくれた。
発売から15年。今でも僕の家のリビングにX100は鎮座している。少し出番は少なくなったけど、そのDNAは現代のX/GFXシリーズにしっかり受け継がれている。何よりも一番大切な、撮って出しの美しさと持つ喜びは、今も変わらない。きっとみなさんもX100シリーズを使ったとき、そのDNAが宝石のような写真をみなさんの記憶の中に残すだろう。

Photography by Masaaki Aihara



相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください


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by masabike | 2026-01-22 19:46 | 鉄道写真 | Comments(0)
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