満天巨木図 FUJIFILM X Series Japanより

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
満天巨木図 オーストラリア西オーストラリア州キンバリー地方
FUJIFILM X-T5+FUJINON XF8mmF3.5 R WR ISO640
もうすぐ冬至。夜の支配がいちばん長くなる。そして、聖夜もあり冬の星座という歌もあるぐらい夜空が美しい季節。いまから37年前 初めてオーストラリアに行ったとき一番驚いたのは、夜空の星の数だった。満天の星という言葉では足りない星の数。荒野でテントを張り、空を見上げると自分が宇宙の一員だと実感する。宇宙ははるかかなたではなく、眼の前にあるもの、自分を包み込むもの、そう考えさせられた。この情景を写真に収めたい。だが当時持っていたのはフィルムカメラ。標準レンズを使っても、持っていたフィルムFUJIFILM RDP100ではISO100なので感度不足で撮影が不可能。眼の前に広がる宇宙の世界を表現できない。ただただテントの前に座り、はるかマゼラン星雲を眺めながら、バーボンをなめるしかなかった。



デジタル時代に移行してX&GFXの登場によりフィルムと同等の色再現ができ、且つ高感度も可能となった。今回の作品もISO6400。フィルム時代では考えられない高感度。昔、バーボンをなめながらただ見つめるしかなかった星空が自分の世界観で表現出来る。夜になると眠るのがもったいないぐらい楽しい世界となった。そして2年前XF8mmF3.5 R WRの登場はさらに世界観を広げてくれた。121°の画角は、広大なオーストラリアの天空を収めるのにも不足はなく、その特異な遠近感は手前のバオバブの木を誇張してくれる。オーストラリアにはじめて行ったときのもう一つの驚きがバオバブの木。バオバブの木はアフリカにしか、生息していないと思い込んでいた。子どものころ読んだサン=テグジュペリの星の王子様の木を見てみたいと思っていたが、アフリカは遥か彼方、一生見ることは出来ないとあきらめていた。だからオーストラリア大地でバオバブと出会ったとき、飛びはねるほどうれしかった。




実はバオバブの木は大陸移動説の証明に大いに役立っている(諸説あります)。地球儀を見るとアフリカ東海岸とオーストラリア西海岸はぴったりくっつきそうなイメージがある。多くの学者もそう思っていた。太古の昔 同じ大陸で、その後移動して別々の大陸になったのでは?と考える学者が多かった。でもその証明方法は?となったとき思い浮かんだのがバオバブの木。オーストラリアとアフリカの両方のバオバブの木のDNAを調べ、それが合致すれば証明できるのではと考えた。答えは“ビンゴ”。見事に2つの大陸のバオバブの木のDNAが合致した。バオバブの木によって2つの大陸は地続きであったことが証明された。まさに地球を旅する木である。バオバブはとても個性的。1つとして同じ形状のものは存在しない。


そして今回の作品のバオバブの木は1995年に出会って以来、ずっと撮影しているなかよしの木。有名なアニメで夜になると巨木が天に向かい延びるシーンのような作品が撮りたかった。宇宙に向かい、バオバブが伸びて、「おーい、ここに僕がいるよ。」そんなドラマのような作品を撮りたかった。X-T5の高感度性能、WB性能、色再現とXF8mmの121°の画角が作り出す世界。機材の発達進化は、いままで「これは撮れない」と指をくわえてあきらめていた、心の中でしか見えていなかった世界を具現化してくれる。X&GFXシリーズは、あなたが夢の中で見ていた世界を実現してくれるかもしれない。そして心の中で見た世界を写真にプリントアウトするためにX&GFXは存在すると言っても過言ではない。僕はそう考える。もうすぐクリスマス、サンタさんに自分の心の中を表現したいのでお願いしますと願いをかけてみよう。



オーストラリアの撮影の時、夜キャンプで決まって聞く歌がある。ディズニー映画「ピノキオ」の主題歌「星に願いを」。リンダ・ロンシュタットのバージョンで聞いている。この空を埋め尽くす星に願いをすれば、この無人の荒野での旅の安全と共に、明日はもっと素晴らしい作品が撮れるはずだと。きっと心に描いた絵は撮れる、夢はかなうかもしれない、そう思い毎晩聞いている。心の中の風景を具現化するためにX&GFXを持って旅してほしい。僕もこのカメラたちのおかげで写真にすることが出来たからだ。ただ一つ、そのために残念なことも生じた。夜の撮影があまりに楽しく素晴らしいので、マゼラン星雲や銀河を眺めながら、星空を眺めながらキャンプでバーボンを舐める時間が無くなったことだ。
撮影協力 西オーストラリア州政府観光局 カンタス航空
Photography by Masaaki Aihara


相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください


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by masabike | 2025-12-18 06:53 | 西オーストラリア州 | Comments(0)
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