FUJIFILM X Series facebookより転載 ラッセルフォール

【和の「写心」By Masaaki Aihara】

ラッセルフォール　

オーストラリア　タスマニア州

FUJIFILM GFX50S　FUJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR

なぜGFXシリーズを使うのか？ SNSやトークショー、写真展の時に僕に投げかけられる最も多い質問だ。答えはいくつかある。色がすばらしい、自分の世界観にマッチしている。解像力奥行き感がすばらしい。伝統のFUJINONレンズがすばらしい。どれも正しいが核心の答えではない。答えは超大型の作品を制作することで、GFXしか表現できない世界観が生まれる。ラージフォーマットと25:64というアスペクト比を組み合わせることにより、唯一無二の自分の世界観、自分の宇宙が表現できる。これは2006年、ドイツフォトキナでの富士フイルムブースでのTX1による大型掛け軸風作品50点の展示で、洋の世界に対しての和の世界観で、唯一無二を訴求できて確信した。

前回の記事でも書いたがカメラは自分の心にある内面宇宙を表現する手段である。心で見えていることをいかにプリントに表現するかだ。今回の作品はGFX50S+FUJINON GF32-64mmで撮影した25:64のアスペクト比を使用した掛け軸風の作品。プリントの長辺は6m近い。被写体はタスマニアの原生林の滝。実は本来のオリジナルデーターをwebで皆様お見せしたかったのですが、縦パノラマはSNSでは表示かとても小さくなり、思い通りの表示が難しいので、今回はあえてプリント作品を展示している現場写真としたことをお許しいただきたい。

カメラを使い写真を撮るときにいつも念頭に置いているのは、如何に撮影して、それをどのような形態でプリントして、写真展というショートムービーのどこに使うか？である。

今回の作品は、富山県高岡市にあるミュゼふくおかカメラ館で開催している写真展で展示することを念頭に置いて撮影した。同カメラ館は世界的著名建築家・安藤忠雄氏の設計によるもの。強大な空間を贅沢に使用した博物館兼美術館。エントランスには高さ10mのコンクリートの柱と巨大な空間が存在する。多くの写真家がこの空間をどうするかで、頭を悩まし苦悩する。だが僕はこの空間こそ大型掛け軸風作品を展示するには日本で最もふさわしい写真美術館であると考えた。そしてそこに飾る作品を撮れる数少ないカメラがGFX。ラージフォーマットならではの質感奥行き感は巨大なプリントになればなるほど本領を発揮できる。そしてその巨大プリントは写真展というショート―ムービーで、観客が会場に足を踏み入れた瞬間に度肝を抜き、僕の世界観の虜にすることが出来る。映画　初代スターウォーズで、いきなり画面に巨大な宇宙船が現れバトルシーンになり、観客がスターウォーズの世界に引き込まれるのと同じ効果を狙った。最初の1枚が写真展の成否を決めると言っても過言ではない。その成否を決める1枚をGFX50S+FUJINONレンズに託した。そしてその作品はRAWデーターからTIFデーターを制作し、プリントしたものだ。プリントデーターはTIFであるが、同撮したjpeg画像を見本として、色等の加工はしていない。カメラ本来の画質・色・ダイナミックレンジを信頼してのストレート現像だ。巨大に引き延ばすことで巨大な滝の立体感、ほとばしる水の質感がよりリアルに表現できた。ちなみにTIFは288GBある。それこそが立体感のある作品を作れるGFX50Sのポテンシャルだ。

疑うのであれば富山県高岡にあるミュゼふくおかカメラ館で開催している相原正明写真展を見てほしい。数多くのGFXでの作品が展示されている。カラー作品はほとんどjpeg撮って出し。プリント時に富士フイルム系のプロラボで若干の調整をしただけだ。百聞は一見にしかず。ぜひあなたの目でGFXの世界を見てほしい。きっとこの作品を見たときに、水に触れることが出来そうだと錯覚をするだろう。それこそがGFX”力”だ。

富山県高岡市　ミュゼふくおかカメラ館

相原正明　写真展

10月26日まで開催　（月曜日休館）詳細はホームページで

https://www.camerakan.com/

撮影協力　タスマニア州政府観光局　カンタス航空

Photography by Masaaki Aihara

相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明　フォトエッセイ　　ぜひお楽しみください

婦人公論　美しい音楽と相原作品での動画配信

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