ヴェネチア 不死鳥劇場

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
フェニーチェ劇場 ヴェネチア
FUJIFIM X-T4+FUJINON XF8mmF3.5 R WR
人生でオペラを見るのはこれが2度目。ただ1回目は、何とオーストラリアの砂漠で見た。つまりきちんとした劇場でオペラを見るのは人生初体験。
6月に世界で最も歴史の長いアートの祭典、ヴェネチア・ビエンナーレに行った。現代アートの祭典だ。そしてヴェネチアは水の都でもある。ヴェネチア本島は、まるで中世世界がそのままテーマパークになったような街並み。テーマパークと違うことは、すべてが本物。人々が集い、笑い、飲み、食べそして歌うところ。その街の一角にフェニーチェ劇場と呼ばれるヴェネチアの歌劇場がある。名前の由来は不死鳥。その通り2度の火災にも負けず見事蘇り、今も毎夜素晴らしい歌声が響き渡る。今回の旅ヴェネチアで、世界最高水準の現代アート(今回は偶然にもロバート・メープルソープ氏の大写真展にも遭遇できた)、そして食と景観を楽しんだ。そして楽しみついでにオペラも。今や日本から簡単にネットでオペラのチケットが買える便利な時代。僕はチケットを予約した後、次にしたことはヴェネチア行のカメラバッグにXF8mmをしまうことだった。以前、パリとブダペストでオペラ座を見学に行った。だが余りの巨大さでフルサイズ14mmのレンズでは収まり切らなかった。でも今回は対オーストラリアの荒野用に買ったXF8mmがあるので心強い。


人生初オペラは1997年、南オーストラリア州フリンダースレンジで開催された”Opera in Outback”。シンガーは当時、世界3大ソプラノシンガーと呼ばれたデミ・キリテ・カナワ。オペラは一晩だけ砂漠で開催された。チケットは最高で30万円。僕は幸運にも海外の雑誌の取材で、それを撮影することができた。ただ1つ大問題が。オペラを見ることはおろか、聞いたことすらなかった。ロケが決まり1ヶ月は毎日朝から晩までカナワ氏のCDをひたすら聞いていた。取材当日4WDで砂漠のオアシスに彼女は現れた。オーラがすごかったのを今でも覚えている。本当に光を放つ人がいると初めて体験した。インタビューの最後に、司会者から「今回は日本からもメディアが来ています」と紹介された。カナワ氏から「私の歌で何がお好きかしら?」と聞かれたので「マダムバタフライ」と答えるとにっこり微笑んでくれた。予習しておいてよかったと、冷や汗ものだった。オペラ本番。観客席最後尾から500mmの望遠レンズで狙う。当時はまだフィルム。フィルムはRDP100の4倍増感でISO400。



いまのデジタル機材だったら入門機でも撮れる感度。かなりハラハラの思いで撮った。周りの写真家は、全員オペラのスペシャリスト。撮影前に隣のイタリア人の写真家が「君は日本では、どんなオペラを撮っていたの?」と聞かれたので、見るのは今日が初めてというと、撮影準備をしていた写真家全員の手が止まった。そして「君はラッキーだ、生まれて初めて見るサッカーがワールドカップ決勝戦というのと同じだよ」と言われた。それほどこの夜のコンサートはすごかった。僕はファインダーを通して、カナワ氏が喉ではなく、全身の細胞を震わせて歌っているのがわかった。周りの写真家たちは感極まり涙を流しながら撮影していた。写真家冥利に尽きる、夢の一夜だった。
フェニーチェ劇場の扉をくぐるとき、1997年の記憶がフラッシュバックした。そして劇場内に入ると、巨大な天上、ずらりと並ぶボックスシート。迷わず僕はF8mmを装着した。ファインダーを覗いた瞬間、そう!そう!この絵、この画角が欲しかった!




28年前は砂漠のオペラでは500mmの超望遠に助けられた。そして今回はXF8mmの超広角に助けられた。XF8mmは日常ではあまり馴染みのない画角だけど、ここ一番ピリリと利かす山椒のような役目のレンズ。XF8mm 、困ったときのポイントゲッターとしてとても大切。そして大きさもとてもコンパクト。ぜひ夏休み、あなたのカメラバッグに小さなポイントゲッターを忍ばせてほしい。大きさは小さいけど、きっと大きな働きをしてくれる。



相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください


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by masabike | 2025-08-01 06:25 | | Comments(0)
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