JR門司港駅 FUJIFILM X Sereis facebookより転載


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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「JR門司港駅」 GFX100RF
写真を本格的に始めたのは、確か小学6年生のころ。目的はSL(蒸気機関車)撮影。それまで家の近くの駅で撮影していたが、どうしても遠くで、普段見ることができない形式のSLや、ダイナミックな風景の中を走るSLが撮りたくなった。おりしも1970年大阪万博が開催されていた。夏休み、叔母が万博に行かないかと?声をかけてくれた。そこで僕は名案が浮かんだ。「万博はテレビでも見ることができるけど、生のSLは現場に行かないと撮れない」と両親と叔母を説き伏せ、北海道にSLを撮りに行くことに成功した。当時は飛行機で北海道旅行は超お金持ちしか行けなかった。それでも僕は、少し贅沢に上野駅から寝台特急「ゆうづる」で北へ向かうことができた。当時は新幹線がないので夕方の上野駅は、ホームに長距離の寝台列車がずらりと並んでいた。しかも上野駅は、行き止まりの終着駅型ホーム。なおさら旅情が掻き立てられた。そして初めて着いた北海道函館駅も終着駅型ホーム。そんな終着駅には、いつも旅情あふれる人間ドラマのシーンがあふれて、リアルな鉄道車両以上に面白い被写体だと気がついた。



2006年、ドイツ・ケルンで行われたフォトキナで、富士フイルムブースで超大型個展をさせていただいた6~7メートルの掛け軸風作品約50点、全点FUJIFILM G617&TX1というパノラマカメラで撮影した。今売り出したばかりのGFX100RFをはじめGFXシリーズのアスペクト機能の原点だ。実はドイツでフォトキナと同じくらいというか、もしかしたらフォトキナ以上に好奇心をそそられたのは、ドイツ国鉄(DB)のフランクフルト中央駅だった。ここも終着駅型ホーム。色とりどり、千差万別な国際列車が到着し、国際色豊かな人々が行き交う。まるで映画のワンシーンのようだった。フランクフルトで時間があるときはいつもホームで撮影した。おかげさまでその時の写真は富士フイルム高級コンパクトフィルムカメラ・クラッセのプロモーションでたくさん使っていただいた。というわけで終着駅は僕にとり巨大なスタジオだ。



GFX100RFとの旅の最後の締めくくりは門司港駅を撮ろうと最初から決めていた。門司港駅、周囲は明治時代からの異国情緒な、文明開化を連想させる建物が並ぶ。そして町を流れる風と香りは、なぜか大陸を感じさせる。その昔、門司港駅から連絡船でプサンにわたり、そのまま国際列車でパリまで行けた、その残り香があるのだろうか。
横に翼を広げたようなデザインの門司港駅。GFX100RFの機能を生かして1:1と16:9、65:24と数々のフォーマットで撮影をした。さらにそれぞれカラーとモノクロもバリエーションを変えて撮影した。レンズが交換できないから不便ではないか?よくGFX100RFに関してはその質問が多い。でも自分の足で撮影ポジションを稼ぐ撮影の基礎に立ち返れば、逆にとても楽しい。レンズを交換する手間と時間を、より被写体を見つめる時間にかけられる。望遠レンズつかないよ?という人もいる。でもラージフォーマットの強みが出るのは広角から標準域。だから現状の画角とデジタルコンバーターで十分。今回のGFX100RFとの旅で改めて学んだのは、撮影のリズムをいかに壊さないで光と時間の流れに身を任せ、被写体との対話に没頭すること。膨大なシステムを組んだけど、何かうまく使いこなせない。いろいろなレンズ持って行くけど、全部使いきれていない。システムに振り回され写真を撮るのが苦痛になっている。そんな人はGFX100RFと旅をすると、改めて撮る楽しさに開眼するはずだ。ほんと?と思う人も多いはず。でも今回 GFX100RFと旅をした僕がまさに開眼した本人だから間違いがない。



旅するカメラGFX100RF。旅が終わると、旅の友は光と影を追いかけるよき戦友になる。旅が終わり、GFX100RFが我が家からサヨナラしたとき、久しぶりにカメラとのお別れが悲しくなった。梅雨が明けたら夏休み、ぜひGFX100RFと旅をしてひと夏のカメラとの恋をしてほしい。





相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください


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by masabike | 2025-06-18 23:28 | 鉄道写真 | Comments(0)
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