シャッター前の道のりがプロの仕事




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LUMIX S1RⅡ+LUMIX24-70mm  
mt William ,Tasmania







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FUJIFILM X-T4+FUJINON XF8mm

Mt Field N.P


撮影協力 タスマニア州政府観光 カンタス航空





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先日写真家のHASEOさんのSNSを見て驚いた。他の方から俺だって、これだけ舞台装置が用意出来れば、このモデルさんがいれば、俺でも撮れると言われることがあると書いてあって、ものすごく驚いた。HASEO氏の作品は超個性的で、独特の世界観。クレジットかくして「この作品はだれのでしょう?」と質問したら、迷わず「HASEOさん」と答えられるぐらいだ。
ただあの作品群を制作撮影するには、莫大な時間と労力の下準備が必要。

ただ同じようなことが僕もしばしば、写真展等で言われる。「オーストラリアに行けば俺でも撮れるよ」「メーカーから機材サポート受けていれば撮れるよ」「外国だから撮れる写真だよ」と言われる。ただ実はシャッターを押す前、現場に到着する前に作品の9割が完成している。あとは最後に写真の神様 オーストラリアの神様 僕の前におりてきてくださいと祈るだけだからだ。

今回のタスマニアロケでの,撮影前に用意する事務作業での書類の山を上にUPしてある
端的に羅列すると以下の通り
1)航空券 航空会社様に機材等の重量増加のサポート もちろん過去の実績 今後の写真展開等が無ければサポートはして頂けない
2)カルネ カメラ機材通関証 カメラ5台 レンズ13本を持ち込むために課税されないための証明書  発給にはカルネ協会に審査書類を提出。初回発給は全機材額の8割を担保で現金で預ける
3)国立公園への撮影許可申請書と撮影許可証
4)撮影のために10億円の業務用保険 これが無いと撮影許可がおりない
5)オーストラリア入国のビジネスビザ
6)現地観光局への撮影許可のための行程表にもとずく、撮影行動アイテナリー 英文と日本文 およびそのためのサポート依頼のレター
7)国際免許証 
8)旅行保険

などなどいくらdeepLなどのAI翻訳がすすんでもかなり大変な作業。そして当たり前だが撮影現場へたどり着くために、レンタカーの手配などなど。だから到着したら8~9割は終わる。行くまでの下調べ、段取り、ロジスティクスこのすべてがプロの写真家の作業。これはあらゆるジャンルの写真家で共通な項目だ。


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上の写真は 今回のロケ終了後 タスマニア州政府観光局でのミーティングのあとの記念写真
毎回 タスマニアへロケに行くと最後に観光局とミーティング。サポートしていただいたお礼を述べ、サポートしていただいたおかげで撮れた作品をみせ、そしてこの1年 あるいは今期 タスマニアのためにどのような活動をして、どのようにメディアに露出したのかの報告。そしてこれからどのような作品を撮り、どのようにメディアあるいは写真展展開をするかの、未来へのプレゼン。それを毎回 僕のたどたどしい英語でしなければならない。なぜならば、僕の撮影のサポートの資金はタスマニア州政府の予算であり、州民の皆様の税金であるからだ。だから説明義務があり、費用対効果をUPしなければならない



少し話はそれたがHSEO氏にしても、シャッターを押すまでのロジスティクスは山のようにあるはずだ。それも含めてプロの仕事。だが多くの人は、きれいなモデルさんがいれば、良いスタジオがあれば、絶景であれば、外国であれば行けば俺でも撮れるという。

では現地にいれば撮れるのであれば、カンガルーにフルオートのプロ用機材を渡したら撮れるのか?

あるいはアポロの宇宙飛行士たちが、月面で撮った人類の財産である月面の作品、月に行ったら俺でも撮れるよと言うやつがいるのか?
それこそ行くまでの、行程が99%大切。撮影前の準備が大切なノウハウでありチャレンジであり、哲学である。月行ったら撮れるよと言う人はぜひ行ってもらいたい


僕も他の写真家の方のランドスケープ撮影の作品を拝見して???と思う作品もある。エベレストや南極あるいはシベリアやサハラ。でも僕にはその写真家の皆さんの作品に対して意見を述べる資格を持っていない。なぜならそこに行ったことが無い、行くためのノウハウを持っていない。だから当然として、その作品に対してコメントする資格も持っていない。多くの方に問いたい、撮る前の調査 準備 ロジスティクスも含めてすべてが、作品でありプロの仕事である。
是非ご理解いただきたい

そしてあの独特な世界観を成しえるために多くの労力を知恵を注ぎ込む、HASEO氏に大きな拍手をお送りしたい。








相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください


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by masabike | 2025-06-13 07:46 | 写真アート | Comments(0)
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