瀬戸内夜光城

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「瀬戸内夜光城」
広島県大竹市・下瀬美術館
FUJIFILM GFX100RF
今年のゴールデンウィークはとても楽しかった。初夏の四国から九州を旅して、眼で美味しい光を味わい、舌で美味しい地の物を味わい、そしてよい時間をアートと過ごせて心大満足。
そしてもう一つ、GWは旅するカメラGFX100RFと一緒だったからなおさら楽しかった。
久しぶりに旅の友として、こんなに楽しいカメラはないと実感した。今回は仕事も兼ねての旅でGFX100S&GFX50S&GFレンズ群も持っていたので、100RFの出番は余りないかも?と思ったら、なんとジャイアントキリング。8日間でGFX100S&GFX50Sよりも使用頻度が高く、600GB(jpeg+RAW)も撮ってしまった。
今回の旅の目玉は瀬戸内海に面した下瀬美術館。眼の前が安芸の宮島という素晴らしいロケーション。しかも宿泊は美術館併設のVilla。更に美術館&Villaは世界的有名建築家 板茂(ばんしげる)氏の設計によるもので、昨年は世界的権威のある建築賞である「ベルサイユ賞」で「世界で最も美しい美術館」にも輝いた。水盤に浮く可動式の美術館は、瀬戸内海の風景とコラボして素晴らしく美しい。夜は建物がライトアップされ瀬戸内の宝石のように輝いていた。
今回の旅で100RFが本領を発揮したのがこの場所だった。建物内外、宿泊施設、お料理、そして景色のすべてがアートだった。あと優れた建築は、建築家の作品であり、風景同様、見る角度時間天候で、無限に美しさが変化する。そのような状況でいちばん役立ったのが、独立したアスペクト比を選べる機能。僕はフロントコマンドダイヤルにアスペクト比を割り振り、主に4:3、16:9、1:1、65:24を使用した。それと内蔵のデジタルコンバーターと、フィルムシミュレーションとの組み合わせで、ストレスなく自分がイメージした世界を見つけ撮影することが出来た。瀬戸内海を通して降り注ぐ光と風は、僕に寝る時以外は写真を撮るべしと訴えてくる。そしてGFX100RFは目の前のものすべてを撮りたくさせる衝動にかりたててくれる。
特に夜は、大竹市のコンビナートの工場萌えの夜景と、美術館の夜景がコラボして、シャッターを切るのが止まらなくなった。しかもラッキーなことにこの夜は、美術館が僕たち夫婦の貸し切りだった。宿泊したのが偶然 美術館が休館日の月曜日。敷地内に立ち入れるのは宿泊客のみ。GWの谷間で、偶然にも宿泊客は僕たち夫婦のみ。という訳で今回の作品の夜景を含むすべてのシーンが独り占めだった。


この瀬戸内の風景でキーポイント的に多用したのが16:9と25:64のアスペクト比。内海に島影が点在する、フラットな景色ではこの2つの構図がとても使いやすい。オーストラリアのロケでは以前 メインカメラ的に使用していたFUJIFILM TX-1のアスペクト比は65:24。フラットな景色が多いオーストラリアではTX-1は大活躍だった。そしてTX-1の作品で、ドイツ・フォトキナの富士フイルムブースでも個展をさせてもらった。僕にとっては表現するためのイメージベースとなる大切なアスペクト比。今回その横長のアスペクト比と対比で多用したのが1:1。主観を強く出したいとき1:1はとても表現しやすい。どちらかと言えば、僕は風景等では間をとった作品が多い。間をとることで、空間に無限の広がり感を与えることが出来る。逆に1:1の構図では、あまり間がとれないので、広がり感は薄れるが「自分はこれを主張したい」という明確な意思の構図になる。アスペクト比の組み合わせで、表現方法は大きく変わる。従来のGFXシリーズでもアスペクト比は多才に搭載されていたが、選択メニューは独立していなかった。GFX100RFはアスペクト比の選択が独立した機能となり、ダイレクトな選択が可能になった。今までの撮影では、露出とフィルムシミュレーションのブラケティングをしていたが、今回からさらにアスペクト比のブラケティングも撮影の選択肢に入ってきた。それはとてもうれしい悩みと共に、自分がどの視点で眼のまえの空間を切り取りたいのかカメラが問うてくる。



旅で肩ひじの張らない存在の、GFX100RFは旅のよき友であると同時に、眼のまえの風景に対して、こんな視点でも撮れるよと、撮り手の写欲を掻き立ててくれる。だから見過ごしてしまう光景でもきちんと、足を止めてみることになる。それは時として、足を止めすぎて旅が前に進まないことと、たくさん撮れるので帰ってから、写真を選ぶのが大仕事だという、うれしい悲鳴になる。僕はいまだにGWのGFX100RFで撮った作品が多すぎて選びきれていない、うれしい悩みを抱えている。次に悩んでいただくのは、この記事を読まれているあなたの番だ。






相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください


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by masabike | 2025-05-21 21:25 | 日本風景 | Comments(0)
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