桜山遠望図


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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「桜山遠望図」
長野県下伊那郡付近
FUJIFILM GFX50S + FUJINON GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
風景写真を撮っているとよく言われることだが、「朝夕が勝負」という言葉。確かにドラマチックな写真は朝夕が多い。だが間違えないでほしいのは昼間がだめというわけではない。朝10時ぐらいから午後1時ぐらいまでの標準光と呼ばれる時間に撮影することも大事だ。それは写真展や写真集にしたときに、朝夕ばかりの写真だとストーリーにメリハリがつかなくなってしまう。コース料理でいうところの箸休め的に当たる作品がないとみる方も疲れてしまう。また日中に標準光の写真があるからこそ、対比となる朝夕あるいは星景写真などが生きてくる。だから昼間の写真も決しておろそかにしてはいけない。




今回の作品は伊那路から満開の桜越しに中央アルプスを狙った。そして緑の森もワンポイント入れた。どちらかというと絵葉書写真。ただ少し絵葉書と異なるのは、画面に収まりきれない中央アルプスの山並みを横長の16:9のアスペクト比にすることで、画面の外にも山が連なるイメージを見る方の脳内で想像してもらう意図がある。そして快晴の昼下がり、桜、残雪のアルプス、青空で日本の春を海外の方に印象付けるような絵作りにした。



実はこのような作品を撮るのは自分の海外での旅のためでもある。海外、特に海外の地方都市や辺境地に行くと、日本から来ましたと言ってもピンとこない人もいる。下手をするとまだ映画にある将軍の世界のような街並みや、日本の景色がうまく想像できない人もいる。また自分自身の英語の能力が乏しい問題で、こんなところから来たという説明に写真を見せるのが一番手っ取り早いと考えて、ある時から自分の家の周りや自分の家族の写真、あるいは日本の四季の風景をスマホやノートパソコンに入れて持ち歩くようにしている。そして今回のようなThe Nipponのような風景写真は2Lサイズぐらいのプリントにして数枚持ち歩いている。それは旅でお世話になった方に何かお礼として差し上げるためだ。お金とか渡すのは、下手すると相手の方に失礼にもなる。以前オーストラリアの田舎でお世話になったローカルの方へ、出来合いの日本のお土産的なものを渡したときに「これはあなたが作ったもの?」と尋ねられた。「いいえ、日本の工芸店で買ったもの」というと少し寂しそうな顔をされた。その時、写真家なのだから自分の作品でお礼をすべきと考え、それ以降2Lサイズのプリントや写真展で使ったオリジナルポストカードを持ち歩き、お礼にサインして渡すようにしている。





海外に行くと日本ならではの四季の美しさ、また地方の独特な景色や祭りなどにバリエーションの豊かさを感じる。このSNSをご覧の多くの皆様も日本ならではの独特な景色や美しい景色を撮られていると思う。GWや夏休みに海外にいかれる時、心ばかりのお礼の品として2Lサイズぐらいのプリントを制作してはどうだろうか?そのためにはプレゼントされたお相手の方が、末永く写真を飾っていただけるように、お店できちんとしたプリントを作ることをお勧めする。フジカラーの純正プリントが退色にも強い。昨年2024年にオーストラリアの荒野のパブに立ち寄ったとき、パブの親父さんから「あんた、写真家だろ?覚えているよ。昔もらったポストカードを今でもベッドサイドに飾っているよ」と言われて寝室を見せてくれた。そこにはFUJIFILM TX-1で撮ったパノラマ写真が飾ってあった。



1枚の写真は人種や国を超えて思いをつないでくれる。でも海外に行かないから?そんな方でも国内旅行はするはず。だからプリントを作ってほしい。そしてもう1つ、写真がみんなをつなげることがある。PHOTO IS写真展。国内最大の参加型写真展。みなさんの思い出を多くに人に写真を通じて見せてほしい。
写真はメディアのためやコンテストのためだけではない。人の心と心、思い出と思い出をつなぐ大事な架け橋。ぜひGFX&Xで撮ったらプリントしてほしい。それは大切な思い出の宝物になるはずだ
「“PHOTO IS”想いをつなぐ。あなたが主役の写真展2025」
Photography by Masaaki Aihara



相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください


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by masabike | 2025-05-03 23:10 | 日本風景 | Comments(0)
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