春暁山桜図

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FUJIFILM X Series facebookより転載です

【和の「写心」By Masaaki Aihara】


「春暁山桜図」
長野県 飯田市

FUJIFILM GFX100S + FUJINON GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
フィルムシミュレーション(FF):Velvia/ビビッド、ホワイトバランス(WB):晴れ、ISO1600

闇の中に1秒ごとに桜が浮き上がってくる。まだ空には星が残っている。夜と朝との狭間、カオスな時間。僕が一番好きでありランドスケープの撮影の醍醐味の時間。この変化し、世界を変えていく光を捉えたくてISO感度を1600に設定して撮影を始める。理由は光の変化が速いので露光時間をMAX5秒以下にしたいから。フィルム時代、Velviaでは ISO50もしくは100、夜明けの露光時間は30秒あるいは45秒が多かった。下手をすると露光中に被写体の明るさや色が変わってしまい、現像したらイメージと異なり悲しい思いをしたこともある。だがデジタル、特にラージフォーマットのGFXの登場により、ISO高感度の画質が飛躍的に向上。ISO1600あるいは3200でもほとんど画質の荒れは感じない。そのため夜明けの撮影は、色と情感のシャッターチャンスを優先としてISO1600近辺からスタートすることが多い。そして明るさにあわせて順次ISO感度をさげてゆき、最終的には常用感度のISO100で終わる。この光に合わせた変化はWBに関してもおなじだ。今回の作品はWB晴れで撮っている。だがときどきWB/AUTOホワイト優先でも撮影している。夜明けの空気感を青みがかる晴れモードで撮るか、あるいは色がもう少しウォームになるWB/AUTOホワイト優先で撮るか撮影中に迷うことが常々ある。心の中で見えているイメージは晴れモードの色だ。だが少し冷たすぎるかも?と感じることもあるのでWBを2つのパターン撮っている。撮影後に画像処理で対応すれば良いとおっしゃる方も多い。だが画像処理をすると、やはり撮って出しよりは画質が落ちる。少しでもよいファインプリントを生み出すためには撮影後の処理幅を最小限にしたいので、なるべく露出&WBはいろいろなふり幅で撮っておく。そんな時に便利なのがカスタムメニューとFnボタンの設定だ。日本の風景での撮影の場合Qメニューはおおむね次のようにしている(オーストラリアでは光が違うので異なる設定) FS (フィルムシミュレーション略)。
C1:FS/Velvia、WB/晴れ、Color/+1、Sharp/+1
C2:FS/ASTIA、WB/晴れ、Color/-1、Sharp/-1
C3:FS/ACROS+Ye、WB/電球、Sharp/-2
C4:FS/ACROS+R、WB/電球、Sharp/-2
C5:FS/Provia、WB/AUTO、Color /+1、Sharp/0
カラーではVelvia&ASTIAを撮ることが多いのと、モノクロも頻度が高い多いので多用する4つをC1-C4に割り振っている。更にカメラ本体のファンクションボタンをカスタム化している。GFX100Sの場合、ボディー上面の液晶画面右にあるFnボタンには上がISO感度、下が手振れ機能の選択を割り振っている。ISO感度は頻繁に変えることが多い。また手ブレ機能は、イレギュラーの事態が生じ、三脚からカメラを外して、手持ちで撮ることもある。例えば今回のように桜を狙っていたら、急に逆方向の山に真っ赤な朝焼けの雲が出た、あるいは虹が出た、などなど不測の事態の時に、手持ちにして手振れ補正をかけ、さらに高感度で撮影することで、早いシャッタースピードを選択できることにより、ラージフォーマットでも手ブレを防止して撮ることもできるからだ。そしてボディー正面左上のFnボタンにはセルフタイマーを割り振っている。これはリモートレリーズ等が断線あるいは持ち忘れた場合に、セルフタイマー2秒を使いシャッターを切るためである。意外と寒冷地でリモートレリーズが断線あるいは歩いていて、知らない間にレリーズが外れて紛失という場合があるからだ。

カメラ自体、デフォルトでも富士フイルム技術陣がとても多くの使用例から、考え設定しているが、やはり個人個人の好みあるいは表現の特殊性もあるので、自分自身のカスタムを考えてみると良い。それにより撮影時にストレスも減り、短時間で被写体に対して、自分の世界観が表現できると思う。

今回の僕のカスタムも参考にしていただければありがたい。では同じ設定にしたら同じように撮れるか?問われると、否である。撮るのは人間。カスタム化の設定は、撮る皆さんの世界観と気持ちにあわせて、トライアンドエラーを繰り返して設定してほしい。

カスタム化することで皆さんの体あるいは眼の一部になるGFX&Xで素晴らしい作品が撮れることを期待したい。もうすぐGW、良い写真が撮れますように!

Photography by Masaaki Aihara
https://fujifilm-x.com/global/photographers/masaaki-aihara/





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by masabike | 2025-04-16 17:22 | 日本風景 | Comments(0)
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