森の主 FUJIFILM X Series facebookより

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「森の主」オーストラリア タスマニア州 マウントフィールド国立公園
FUJIFILM GFX100S + FUJINON GF32-64mmF4 R LM WR
パンダニ、いつも森の中で堂々とした存在感を示している。数億年前からこの森にいる、生きている化石と呼ばれるタスマニア固有の植物。世界でも稀な冷温帯雨林と呼ばれるこの地だけに生息している。恐竜時代から変わらず存在するために、生きている化石と呼ばれている。そして生き続けているだけではなく、僕にとってはとてもフォトジェニックな被写体。



この日も初夏の早朝、小雪まじりの雪に濡れてオーラを放っていた。南半球・・夏なのになんで雪が降るの?そう思われる方も多いはず。前もお話したように、タスマニアは南緯40度の40Degree Southと呼ばれる南極の暴風雨エリアにある。真夏でも南極から風が吹くと雪が降る。過去に僕は4回タスマニアでクリスマスシーズンを迎えたが、4回とも雪に降られた。



この日も国立公園の山々には雪があった。そんな厳しい環境で生き抜くパンダニは、厳しい自然とは裏腹にとても愛おしい感じ。撮っても、撮っても終わりがない被写体。いつかパンダニとバオバブだけでオーストラリアの写真展を開催したい。




今回は足場のとても悪い岩場での撮影。機動力だけを考えたらX-T4&T5の方が便利。だがパンダニの森での存在感、太古の森の空気感と奥行感、そして夜明けの葉についているみぞれのしずくのしずる感を克明に表現したかったので、あえてGFXを担いでいった。カメラが大きくなれば当然レンズも三脚も大型になる。だがその荷物の大きさ、重さを差し引いても克明に残したい、克明に表現したい気持ちが機材の重さをはるかに上回った。



学生時代に僕はフォトジャーナリズムを習っていた。先生は当時、読売新聞・写真部長 の福島先生。ある日授業で「写真が持っている最大の特長は記録性。どんな作品でも、時間がたつと時代の記録媒体となってしまう。これは現代アートのようなものでも逃れられない写真の宿命だ」ということを習った。



いつも自分が撮る写真が、何かの拍子で未来の地球の地層あるいは、他の天体で見つかったとき、「数億年前の地球の風景はこんな風だったのか!こんな植物だったのか!」そしてそれを微細に検証したら新たな発見が生まれた。あるいは正確に未来の子孫たちに伝えられる太古の景色が再現できた。そう思うと撮影コンセプトのEarthrait(地球のポートレート)で撮るカラーのランドスケープは、地球のドキュメンタリーであるべきと考える。ならば、なるだけ克明にそして緻密に、フィルターなどを使わずに、なるべく撮って出しで加工せずに、未来への映像アーカイブとして残すことを常に念頭に置いて撮影している。余談だが、GFXはその緻密な人間の視力をも凌駕する記録性から美術品の複写や記録、あるいは建築土木の現場でのコンクリートや鉄材のAIでの疲労破壊の検証にも使われているとも聞く。




いまでも世界中から、古代の出土品が出てくる。土偶みたいなものもあれば、石器や土器もある。当時の名工だった人が作ったものではなく、無名の人や普通の人が作ったのも多いはず。現代に置き換えたら、それは普段皆さんが撮っている写真かもしれない。



だからすべての写真作品は未来への残すタイムカプセル的遺産だと思い、僕はGFXを使い何億年も生き続けるタスマニアの森の主パンダニを撮る。遠い未来に、今これを読んでいるあなたの子孫が僕の作品と出会ってくれたらとてもうれしい。その時データを解析して”FUJIFILM GFX100S”これは何の記号だろう?すべての緻密な写真データにはこの文字がある。古代人の使っていた、何かの暗号?何か特別な機械?と考えくれたらものすごいロマンだと思う。未来のロマンのためにあるカメラ、それがFUJIFILM GFXだと僕は思う。


撮影協力

タスマニア州政府観光局
カンタス航空





相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください





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by masabike | 2025-02-20 08:16 | タスマニア | Comments(0)
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