白い朝 FUJIFILM X Series facebookより



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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「白い朝」長野県 上田市
FUJIFILM GFX100S + GF45-100mmF4 R LM OIS WR
朝霜が降りて凍りついた棚田。そして霧の中に凛とたたずむ木。そして、少しでも温まろうと木の体温にすがるかのように枝にとまる小鳥たち。この朝の空気感が再現できるのがGFXの底力。単に細かく撮れるのではなく、今まで何度もお話したように、レンズと被写体のあいだの空気感が再現できるのがラージフォーマットの武器だ。フルサイズでおなじ画素数、あるいはそれ以上の画素数でも、フォーマットの大きさがないと、この不思議な遠近感、奥行感は再現できない。
そしてもう1つ、ラージフォーマットの特色は色の粘りである。ハイキーに表現しても色飛びしそうで飛ばない、粘ってくれる。逆にローキーにしたときもつぶれそうでつぶれずに粘ってくれる。諧調が広い、風景写真では大切なことだ。
だがしばしば、ワークショップで今回のようなハイキーの作品のようなシーンに出くわしたとき、適正露出はどれくらいですか?と聞かれることが多い。実は僕としては、明確な適正露出はないと考える。なぜなら年齢や経験で、色や明るさの好みは変わる。あるいは写真展や写真集を作るとき、全体の流れの関係で適正露出は変化する。だから絶対値はない。そのために可能な限りたくさん段階露光で撮る。今回も露出とWBを変えて10枚近く撮影している。その中から1枚選んだのが今回の作品。もともと僕の写真家のスタートは広告畑から。クライアントの好みと要望で適正露出や色味は変わってくる。ものすごいアンダーが好きなクライアントがいるかと思えば、逆に超ハイキーが好きなクライアントもいる。だからフィルム時代から、プラス5からマイナス5まで1/3ステップで段階露光をかけて撮ることが多かった。そんな中から思いきったアンダーやオーバーの露出でクライアントが大喜びしてくれる作品も生まれた。そしてなるべく細かい段階露光をすることで、デジタルになっても画像処理に頼ることなく、撮って出しでファインプリントが作り上げることができることも学んだ。
ワークショップや撮影ツアーで、参加されたお客様に、思い切った露出設定、超アンダーや超オーバーを試してみてはとか、超ローアングルの構図や、大胆など真ん中日の丸構図のフレーミングを試してみてはいかがですか?とアドバイスすることがしばしばある。そうするとほぼ同じ答えが返ってくる「そんなことして失敗したらどうしよう」「そんな大胆なこと怖いです」。でも大丈夫。写真はどんなに失敗しても、大胆なことをしても、僕が若い時やっていたモータースポーツと違い、死んだり、怪我をすることはない安全な趣味。ましてやカメラが、勝手に、撮り手に「こんなのありえない」とか言うはずがない。
2025年、ぜひ皆さんお手持ちのGFXやXシリーズで普段撮らない、露出、WB、フィルムシミュレーション、あるいは今まで撮ったことのないジャンルや、使ったことがないレンズにチャレンジしてほしい。WBの設定ひとつで大きく色は変わる。撮影に余裕のあるときマニュアルでK(ケルビン)で色温度を設定して撮ってみてほしい。逆にいつも夜明けや夕暮れのシーン、WBがマニュアルで上手くいかないという方、WB/AUTOも試してほしい。GFXなど機種によってはWB/AUTOが3パターン選べる。色づくりの富士フイルムのAUTO設定はとてもすぐれていて、空気感がとても再現できる。
僕も今年で写真家生活30周年の節目の年。今まで撮っていない撮り方や表現方法にチャレンジしてみたい。まだ2025年始まったばかりではあるが、今年の12月最後の連載までに「これがアイハラ2025年の撮り方の流儀」という作品をお見せできるように頑張りたい。だから皆さんも是非新しいGFX&Xでの撮り方にチャレンジしてほしい。約束です!今年の12月をお楽しみに!
Photography by Masaaki Aihara



相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください





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by masabike | 2025-01-15 20:30 | 日本風景 | Comments(0)
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