綺麗な睡蓮は危険の印



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カカドゥ国立公園  
オーストラリア ノーザンテリトリー


FUJIFILM X-T4+FUJINON XF100-400mm


雨季が明けた5月半ば カカドゥの湿地帯に一斉に睡蓮が咲き乱れる。それはフォトグラファーにとりまたとない被写体。だが撮影には必ず超望遠レンズを使用し、マクロレンズはつかなわい。なぜならば、睡蓮の咲く湿地帯は、クロコダイルの巣。それにうかつに近ずくフォトグラファーは、彼らのまたとない捕食対象になる

どうして睡蓮のまわりにクロコダイルがいるのか?それは花が咲くと虫が集まる。そして虫は時として水に落ちる。それを狙い小魚が来て、その小魚を狙いに中ぐらいの魚が来て、さらにそれを狙いにクロコダイルが来ると言う、まさに食物連鎖のドラマがここで繰り広げられる。1980年代に大ヒットしたオーストラリア映画に「クロコダイルダンディー」というのがある。野生児クロコダイルダンディーことミックが、オーストラリアの荒野からニューヨークに行き、珍騒動を繰り広げ、最後はニューヨーカーの美女をゲットするコメディー映画。その舞台となったのが、ここカカドウ国立公園。そしてここにはクロコダイルダンディーのモデルになった、リアルクロコダイルダンディーのパークレインジャーがいた。その人の名はGreg Miles氏。元オーストラリア陸軍の特殊部隊。

1995年にはじめてカカドゥ―を訪れたときに、オーストラリア大使館の文化部のTerry Whiteさんのご紹介でお会いした。もともとはWhiteさんの軍隊時代の戦友だったからだ。お会いする前日、ダーウィンの書店でMilesさんが出版した写真集があった。そのプロフィール写真を見てビビった。何と巨大なアナコンダを体に巻き付けてVサインをしている写真が彼のプロフィールだった。翌日お会いすると、とても温厚な感じでクロコダイルダンディーのモデルになったとは思えなかったが、彼のオフィスには、クロコダイルに馬乗りになり押さえつけている写真があった。やはりリアルクロコダイルダンディーだった


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ボルチモアのパブにて

2006年 アメリカ 東海岸 ボルチモアの水族館でオーストラリアの写真展を開催することになった。実は水族館でオーストラリアのノーザンテリトリーとタスマニアの生物の企画展が行われたからだ。その時 、カカドウ国立公園のチーフレインジャーとして企画展の説明に来ていたのもMiles氏。久しぶりに再会でボルチモアのパブに飲みに行った。彼はこてこてのオーストラリアのブッシュマン。飲んでいると、近くにいたニューヨーカーの若者数人が、彼の英語のイントネーションを聞いて「おっさん オーストラリアから来たのかよ?田舎でワニとか見たことあるの? もしかしてクロコダイルダンディ―❓」とはんぶんからかうように話しかけて。すると彼は「そうだよ、俺がリアルクロコダイルダンディー」と言いながら巨大なナイフを腰から出した。もちろん若者は逃げった 笑 

カカドゥ国立公園で睡蓮を見るとそな彼との楽しく懐かしい話を思い出す


相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください






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by masabike | 2024-08-25 21:01 | アウトバック | Comments(0)
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