FUJIFILM X Series facebookより転載 梅雨の夜明け

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「梅雨の夜明け」
新潟県 津南町
FUJIFILM GFX100S + FUJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR
風景写真の一番の楽しさそして醍醐味は自分だけしか知らない場所や光景を見つけたとき、これに尽きると思う。
天気が予想と違った時「あ~、今日はダメだったか」と思う帰り道に出会った素晴らしい夕焼け。
あるいは満開の桜を期待して行ったら、散っていたけれど素晴らしい桜吹雪に出会えた時。
予想外の楽しさが風家写真にはまり続ける理由だと思う。



これは巨匠の方とて同じこと。1958年アスペンで撮られた、アンセル・アダムス氏の名作「ハコヤナギ」もそうである。
その日、アンセル・アダムス氏は別の場所で撮影をしていた。
帰り道、彼は予想もしない場所で偶然の光の産物が生み出した光景と出会った。
撮っているときに「これは名作になるに違いない」と感じたと彼の書物に記されていた。
それぐらい巨匠でも偶然の産物の出会いは感動する。
だから狙ってみんなが撮る絶景ばかりだと飽きてしまうし、その人ならではの世界観が表現できない。



6月は梅雨真っただ中。
雨も多いが梅雨の晴れ間もある。
予想もしない光や色が天から降ってくるときもある。
2年前の梅雨のさなか、新潟県津南町で開かれていた「大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ」の見学に訪れた。
会場がたくさんあるので、前夜に現地で車中泊をして「芸術祭の前に夜明けに田植えの終わった田んぼの写真でも撮りたいな」と思っていた。
だが土地勘もないので、さほど撮影は期待していなかった。
朝起きると小雨。
たいした写真は撮れないなとなかばあきらめて車を走らせていた時に、朝日で輝く草むらに眼がとまった。
背景には霧に包まれた里山。
大急ぎカメラをセット。
撮影準備が整うまで「霧よ!光よ!待ってくれ」と願った。
わずか数十秒が何光年の時の長さに感じた。
開放と中間のF8、そして絞ったF16で撮影した。どこにでもある普通の草むらだが、僕には絶景に見えた。
自分の視点と発想の引き出しの数に助けられた。
そしてGFX100Sの素早く対応できる操作性にも。






このあと芸術祭トリエンナーレを見た。
現代アートの祭典である。
よく現代アートは難しいから見ないという人がいる。
それはそれでよくわかる。
僕も観ていてよくわからないのが半分以上。
だが美術館のキュレーターに尋ねると、解る・解らないも大切だが、着眼点やコンセプトの面白さを見て感じてもらうことが現代アートでは大切と説明を受けた。
それ以来、少し肩の力を抜いて現代アートに接するようになった。
そうすると撮影する時に「こう撮らなければならない」「有名な場所、絶景を撮らなければならない」ということに疑問符がついてくる。
自分だけの世界を表現する、表現したいために写真を撮り、そのためにカメラがあることに、改めて気づかされる。





GFXシリーズ、そのラージフォーマットから生み出す写真の緻密さと臨場感は、現場の空気感をそのまま真空パックに閉じ込めたかのように再現してくれる。
また数多くのフィルシミュレーションは自分だけの心の色を再現してくれるはずだ。
さらには余裕のある画素数と幅広いダイナミックレンズは、あとで画像処理ソフトを使い、独自の世界観を生み出す現代アートにもとても有効だ。
偶然の出会いを偶然ではなく、自分だけの名作を未来の名作に変えてくれるポテンシャルがGFXシリーズにはある。
さらに新しくなったGFX100S IIはより多くのクリエーターの心を虜にし、名作を生んでくれるだろう。
カタログやweb広告を見て悩んでいるだけでは始まらない。
手に取りシャッターを押して、はじめてあなたとカメラが生み出す偶然の出会いが生まれる。
いや、もしかするとそれは写真の神様が仕組んでくれた必然の出会いかもしれない。
21世紀のハコヤナギの名作を撮るのはGFXを手にしたあなたかもしれない。
Photography by Masaaki Aihara




相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください





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by masabike | 2024-06-23 15:22 | 日本風景 | Comments(0)
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