My Garden  FUJIFILM X Series facebookより転載


My Garden  FUJIFILM X Series facebookより転載_f0050534_07222762.jpg

【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「My Garden」
FUJIFILM X100VI
画用紙に描かれた木炭デッサンの少女の絵にくぎ付けになった。シンプルだが、すごいリアリティ。
横すわりしている少女が、立ち上がりこちらに微笑んできそうだった。
僕が画廊のマネージャーに「素晴らしいデッサン、買いたいな。」というとマネージャーの女性は「相原さん、すごくいい眼をしている。これピカソの初期のころのデッサン。欲しいのならお友達価格で、200でいかが?」と言われた。
当然、単位が万円。200万円・・・・、フリーの写真家になりたての僕にはそんな余裕はない。でも彼女は「値札見て、普段は400万円なのよ。」
今から30年くらい前の話だ。今だったら買っているだろう。それぐらい、今でも脳裏に焼き付いている作品だ。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
木炭デッサンは絵画を習う手始め。ここから基礎を学び進化していく。子どものころ、絵画を習って木炭デッサンを書いていた。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
写真にもこれに当てはまることがある。単焦点・標準レンズで撮影するモノクロの写真、これが木炭デッサンに相当すると思う。世界中の写真学校がここからスタートする。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
では標準レンズとは何ミリなのか?というと、フィルム時代であるならば35mmか50mmだろう。Xで言うならば23mmか35mm。
そのレンズをしっかり使いこなし、頭の中にイメージ絵コンテができるようになれば、基礎が身についてきた証拠。
そのためにふさわしいカメラと言えばX100シリーズ。23mmの固定式単焦点レンズは、自分がフットワークを生かして、被写体との距離を調整しなければならない。
そうすることで撮影の基礎が身につき、ベテランにはもう一度写真を撮ることの原点に戻してくれる。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
今回は新世代となるX100VIで、僕も原点に立ち返り、自分の日常の中で作品を撮ってみた。
X100VIが我が家へ来て何日目かの朝。年末に植えたチューリップが庭で開花して、一気に家中に春が来た。
X100VIのお手並み拝見で、FUJINON 23mmF2.0の開放での描写力を試したかった。
花は多くの写真家にとって「花に始まり、花に終わる」とも言われている被写体。メイプルソープも秋山庄太郎も最後は花を撮っている。
そんな被写体だからX100VIで狙ってみた。開放2.0の描写力はEVFで覗いていても素晴らしい。とろけるようなボケ味。そして柔らかいだけではなく、しっかり芯のある絵造り。
さらに今回ローアングルで無理な体制での撮影であったが、X100VIはX100シリーズで初めて手ブレ補正を搭載している。
そのため無理な体勢や初心者の方、あるいは誰かに記念写真のシャッターを頼んだ場合でも、手振れを心配することは少ない。
これは大きなアドバンテージだ。初心者の写真のピンボケの一番の原因は手振れだからだ。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
そしてベテランでも加齢とともに手振れはしやすくなる。
だからこの機能はビギナーにもベテランに大歓迎であり、かつ今までのX100シリーズの外観デザインや大きさを損なうこともない。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
出来上がった作品はFUJINON 23mm独特のボケ味と描写力。これはやはり固定単焦点の恩恵だ。
レンズ交換ができない分、ボディーとレンズの設定を限界まで詰めているからだ。
昔営業写真館さんが修学旅行や婚礼の集合写真用にGW690というラージフォーマットカメラを使用していた。これも固定式単焦点。
だから集合写真でも、一人一人の顔の描写がしっかり撮ることができた。レンズが交換できることだけが、よしではない。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
X100VIは入門用にも最適であると同時にベテランには終のカメラとしても最適である。
軽いコンパクト、でもレンズ性能と画質はプロの仕事に耐えられ、富士フイルム推奨のラボであれば三畳大プリントにも耐えられる再現力。
基礎を学べ、かつGFXなどと組み合わせば、サブカメラにもなる、生涯の日常の友となるカメラだ。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
もしピカソが若い時、X100VIがあったらどんな写真を撮るのだろう。
いや、それは間違い。今これから写真を始める若い方がX100VIで撮った作品、これが未来にその方が巨匠になった時こんな会話が交わされるだろう。
「これが巨匠の二十歳の時、2024年の作品なんだって。基礎がしっかりしている撮り方だよね。巨匠の片鱗が見えるよね」
「そのために巨匠のAさん、基礎がしっかり学べるカメラを使っていたらしいよ。たしかX100シリーズと言っていたよ、さすがだねー。」
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
21世紀、次の巨匠になるのは、今、カメラ店でX100VIを手に取ろうとしているあなたかもしれない。
Photography by Masaaki Aihara




相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください



富士フイルムさんのX シリーズフェイスブックで 和の写心(毎週水曜日更新)を連載中。「イイネ」押してくださいね



ブログランキング応援クリックお願いします。応援たくさんしていただけるとたくさん写真がアップされます 笑
下のランキングバナーをクリックしてください。



by masabike | 2024-05-04 07:23 | マイガーデン | Comments(0)
<< 秋田モフモフの旅 Day1  ... 田沢湖黎明 >>