凍木湖水図 FUJIFILM X Series facebookより



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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
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「凍木湖水図」北海道・屈斜路湖
FUJIFILM X-T4 + FUJINON XF8mmF3.5 R WR
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僕は一目ぼれしやすいタイプだ。それは恋愛だけではなく、バイクやカメラにしてもおなじ。実は昨年一目ぼれしてしまったレンズがある。その名はFUJINON XF8mmF3.5 R WR。困ったぐらいに、僕の心の情景を理解してくれる。「あなたはこんな風に心の中で見えているのでしょ」と、心の中のイメージをファインダーに見事に投影してくれる。
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基本的に広角レンズが好きだ。これは学生時代に北海道で多くの時間を過ごし写真を撮ったこと、さらに広大なオーストラリアでランドスケープを撮るようになった経緯からそうなったと思う。
僕の好きな画角は24mm(フルサイズ換算)。
だがオーストラリアにはじめて行ったとき、ウルルの巨岩(旧エアーズロック)を目の前にして、24mmでは足りないと感じてしまった。だからオーストラリアでは撮影のメインはXシリーズではXF10-24mmF4 R OIS WR。でも広く撮るだけではなく、手前の被写体を誇張させるデフォルメ感はもっと欲しかった。そんな時に出会ってしまったのがXF8mm。
このポケットに入りそうな小さな恋人は、とてつもない遠近感を表現してくれる。
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夜明けの屈斜路湖。天気は重い曇り空。撮影はASTIA/ソフトで彩度を落とし北国の重厚感を狙ってみた。
そんな時、湖に突き出した木に小さなツララが連なっているのを見つけた。当初XF16-55mmF2.8 R LM WRで狙ってみた。だが背景の広さが表現できない。冷たく広い湖にツララを纏った木がぽつんとある。その存在感と孤高感が出ない。
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さらに広さと同時に深い被写界深度が求められる。ここで登場するのがXF8mm。ツララも表現しつつ、湖の広さも表現できる。マイナス17℃の中震える指でレンズを交換した。
ファインダーに見えた世界は僕が予想した通りだった。だが1つ問題が。ツララが遠い。しかも、もっとローアングル。膝までの長靴を履いているので湖水の中に。湖水の中でツララが輝くポイントと湖の広さを表現できるローアングルを探す。
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決めのアングルはかなりピンポイントで難しい。そのため三脚は使用せず、手持ち撮影でアングルを探す。
ISO640に設定して手振れ補正をON。そして50センチぐらいまでツララに寄り自分のイメージ通りに撮れた。XF8mmの画角と手振れ補正、ASTIAモードの色と3つの要素のコラボのおかげで撮れた作品。
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広角レンズを使うのは難しいという方が多い。それはとてもよくわかる。広く写すと要素が入りすぎて、絵が散漫になってしまうからだ。
そんな方には、広角レンズの使い方のヒントとなる、お勧めの映画がある。名作「2001年宇宙の旅」。監督は言わずと知れたスタンリー・キューブリック。もともと彼はスチールのカメラマンもしていた。
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そして何よりも映画界で広角レンズの名手と言えばキューブリックと言われるほどだ。彼の広角レンズでの画面整理と、1点透視法。画面の奥に消失点を作りそこにすべてが向かう画面構成と、そのための画面整理は、広角レンズの勉強になる。ぜひ、その点を注意して見て欲しい。
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超広角XF8mmは広い風景だけではなく、都市や日常の生活においても、きっと非日常の視点をあなたのファインダーに投影してくれるはずだ。ぜひ試してほしい。
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ただ1つ大事な注意点がある。このレンズにはまると今までの作品を、もう1回XF8mmで撮り直したくなる。過去の作品の再撮影病にかかってしまう。なぜそんなことを言うのか?
それは今、僕がその病に侵されているからだ。ワクチンはない。あるとすればXF8mmを携えてもう1度、オーストラリアの荒野に旅をすることだ。
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追申:湖の中で撮影中、長靴に穴が開いていたのが判明。冷水が侵入し足の指がちぎれるほど冷たくなりました。
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Photography by Masaaki Aihara
https://fujifilm-x.com/global/photographers/masaaki-aihara/


相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください





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by masabike | 2024-02-27 09:17 | 日本風景 | Comments(0)
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