Katachi 鉄塔20240128 FUJIFILM X Series facebookより


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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「Katachi 鉄塔20240128」北海道・猿払
FUJIFILM GFX100S + FUJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR
モノクロ+イエロー
時として、ネガティブな状況は撮影に新しい発見を与えてくれる。荒涼とした風景を求めて厳冬の道北を旅した。富良野や青い池のような、優しい風景ではなく、これぞ北海道という厳しい環境のある果てしない風景を追い求めて最果ての稚内を目指した。ロケ最終日、稚内から宗谷岬経由で浜頓別に向かう。ホワイトアウト寸前の吹雪の朝だった。オホーツク海には流氷が押し寄せていた。季節を問わず何十回も通ったオホーツク街道。
撮影をしながら猿払エリアに入った時、何かが僕の脳に信号を送ってきた。止まれ、写真を撮れと。信号の主は大地が吹雪で空に舞いあがらないように、しこを踏むかのように存在を主張する鉄塔。





「吹雪のなかで存在している自分と撮れ」と言わんばかりにシグナルを送ってきた。いままで何十回も通った場所だが存在に気が付かなかった。今回は吹雪が余分な要素を消してくれて、鉄塔だけがホワイトアウトから浮かび上がり目に留まった。
選んだ機材はGFX100S+GF45-100mmF4 R LM OIS WR。レンズと被写体の間に存在するホワイトアウトの空気感を表現するのに、1億画素の力を選んだ。構図としては鉄塔が「われあり」と主張するイメージを出したかった。力強さを出すためにスクエアフォーマットにしてど真ん中に鉄塔を配置した。吹雪の空気感を出したかったのでモノクロームを選んだ。ただいつもと異なるのは、選んだモノクロがアクロスではなくノーマルのモノクロ。理由は、アクロスは中間調を重視でやや軟調。この場合、シベリアからの冷風で冷え切った冷黒調の鉄を表現したかったので、硬い階調のノーマルのモノクロでYモードを選択した。このカットのあと、鉄塔の位置を中心点からずらしたカット。さらにはアスペクト比を16:9と25:64のものさらには、フィルムシミュレーションをエテルナでスクエアのカットとなんだかんだ100コマ近く撮影した。余談になるが今回は吹雪の中での道路際の撮影なので、安全確保のため目立つように蛍光色の反射ベストを着ていた。



ここで多くの方が「?」と思うかもしれない。特に風景写真を撮られている方は。風景に人工物を入れるのですか?ということ。僕は人工物を入れる。これも風景の1つです。海外のランドスケープ写真家の作品は人工物も入れている。特に日本でも有名なマイケル・ケンナ氏の作品を見ていただければわかる。風景写真に人工物を入れてはいけないという規則は存在しない。僕が高校生の時に写真を習ったのは美大の現代アートの先生。自分としては傑作だと思った列車の最後部まで入れた定番的な鉄道写真を見せたとき、「マーちゃん(当時はそう呼ばれていた笑)はどうしてこう撮ったの?」という質問。「鉄道雑誌の撮り方講座にあった、良い鉄道写真の撮り方を見て撮りました」と答えると「どうして雑誌の言うなりに撮るの?アートにはこう撮らなければならない、こうしなければならないという規則は存在しないよ。定説を破らなければ、自分の世界に進化しない。さもないとマーちゃんは一生雑誌の奴隷で写真を撮ることになるのよ」と強く言われたのを鮮明に覚えている。



風景写真においては日本のように人里が近く、人工物の存在が多い風土を逆手に取り表現する方法もたくさんある。定理定説がないアートの世界。様々な表現方法が存在する。GFXの豊富なフィルムシミュレーション、アスペクト比、WB設定は、定理定説にとらわれない、あなただけの表現世界を創り上げてくれる。そのためには日ごろからいろいろな設定を試し、表現の引き出しを数多くスタンバっておくことが大切。そうすればあなたのGFXは決して裏切らない。いつもGFXはあなただけの表現世界をお手伝いするために存在する。



Photography by Masaaki Aihara




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by masabike | 2024-02-07 18:02 | 日本の風景モノクロ | Comments(0)
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