雪中柿色残図 FUJIFILM X Series facebookより

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「雪中柿色残図」新潟県十日町付近
FUJIFILM GFX100S + CM FUJINON CM Wide 1:5.6/150mm + VIEW CAMERA ADAPTER G使用 + HORSEMAN LX45
学生時代、写真史の卒論を書くために多くの写真家の作品と文献を漁った。その中で印象的だったのがアンセル・アダムス氏。その緻密な構図と光の捕捉の仕方の衝撃は今でも忘れない。それと同じくらい印象に残っているのがアンセル・アダムス氏のポートレート。大判カメラのレリーズをもって微笑んでいる。
かっこいい、こんな写真家になりたい!と思わせるほどのポートレート。だが大判カメラの操作等を写真関係の先輩に聞くとかなり難しい。特にファインダーがないので、ピントグラスに上下左右さかさまに映る画像を見ながら、ルーペでピントを合わせる。ファインダーを覗いて被写体を探すような、被写体頼みの撮影は通用しない。自分の頭の中にしっかりとした絵コンテが出来上がっていないと写真が撮れない。これは難解で素人の大学生には無理とあきらめた。そして月日は流れ、仕事で大判を使うようになった時、頭の中で絵コンテを作る大切さがよく理解できた。
撮影で一番面白く心躍るのは予想外の遭遇。今回、新潟の山の中にある砂防ダムを撮りに行った。2年前の夏にダムを見て、雪が降ったら撮ろうと心に決めていた。その時点で、いかに構造物の線を美しく出すかが命題だった。雪に覆われた砂防ダムのコンクリートの重さと雪の白の軽やかさを対比してACROS(モノクロ)で撮る予定だった。もちろん大判ビューカメラにGFX100Sを装着してCM FUJINON 250mmでしっかりあおりをして、大型構造物ならではの建物の線の美しさを表現するつもりだった。特に縦の線の美しさ。


現地を目指す山の中でカーブを曲がったところで、雪を被った柿の木とその足元に、柿木に寄り添うようにたたずむ石碑群。しんしんと降る雪の中で、そのシーンを見た瞬間には、頭の中には絵コンテが出来上がっていた。雪の中で大判カメラの準備を始める。落ち着いて被写体を見つめるとCM FUJINON 250mmでは画角が狭いと感じ、同じCM FUJINON 150mmF5.6を装着。GFX100Sのファインダーにはイメージ通りの画角の絵が現れた。そして雪の純白さ、柿木の赤みを出すためにASTIA/ソフトにして彩度を+2にして撮影。背景の林から柿の実の色が浮き上がるように露出を0~アンダーに1/3刻みで8枚ほど撮る。実は広告の撮影では、同じ構図でクライアントやディレクターの意図や志向を考えるとかなりアンダー目からオーバー目まで10枚ぐらい取ることも珍しくない。




僕の大判カメラもレンズもこの数年間休眠状態だった。下取りも考えたが、まだモノクロフィルムの大判で撮ってみたい被写体も残っていた。カメラバッグのカメラとレンズと眼が合うと「使ってよ!」と訴えてきた。そんな折にビューカメラアダプターの存在を知り活用した。多くの写真家や写真店で、大型カメラと大判レンズが眠っている。だがそのポテンシャルはデジタル時代でも十分通用する。現にコマーシャルスタジオでは大判カメラにデジタルバッグを装着して撮影している。一般の人にはプロ用デジタルバッグは高価なのと扱いが大変だが、GFXシリーズならば多くの人が購入できる金額で、かつ扱いも楽だ。もちろん普段FUJINON GFレンズを装着して通常の撮影にも使える。眠っている機材を新たに活用し写真が楽しめる。そしてファインダーのない難しさが大判カメラのネックだったが、GFXシリーズであればファインダーを使い、いつも通りに撮影できる。たった1つのカメラアダプターが写真の楽しみを大きく変えてくれる。そして眠っている機材の活用は、写真のSDGsではないだろうか?
撮影が終わったとき、近くのカーブミラーに自分の姿が映っていた。おこがましいかもしれないが、昔見たアンセル・アダムス氏のポートレートにダブるものがありとてもうれしかった。


追伸:砂防ダムは雪の積もり方が足りずにイメージ通りに撮れなくて、GFX100S+ GF45-100mmF4 R LM OIS WRで悔し紛れの1枚を撮りリベンジを誓い現場を後にした。
*ビューカメラアダプターが使用できない大判カメラもあります。使用時はご確認ください。またレンズの画角により袋蛇腹への交換が必要となる場合もあります。合わせてご確認ください。
Photography by Masaaki Aihara


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by masabike | 2024-01-31 18:41 | 日本風景 | Comments(0)
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