ミレー  集中力  山梨県立美術館

ミレー  集中力  山梨県立美術館_f0050534_08183044.jpg
ミレー 夕暮れに羊を連れて帰る羊飼い
山梨県立美術館収蔵







ミレー  集中力  山梨県立美術館_f0050534_08222127.jpg

ミレー 種まく人
山梨県立美術館収蔵




信州の撮影の帰り道、山梨県立美術館にミレーの一連の作品を見に立ち寄った
ミレーの代表作 「種まく人」を見るためだ。
実は学生時代からミレーが好きだった。というよりも、ミレーが描いた「晩鐘」のような世界観が撮りたいといつも思っていた。大自然とその中で暮らす人々。そのような世界をコダクロームをベースとしたようなミレーの世界観で撮りたかった。今回はミレーを始めとするバルビゾン派の風景画の作品も数多く展示されていたが、やはり彼の作品は群を抜く世界観だった、そしてタイトルを見ずしてその独特の光の捕まえ方と色の世界がミレーと一目でわかる。

それにしてもオリジナルの「種まく人」思ったよりも暗い諧調であった。そしてその一瞬の動きがまるで写真で撮ったかのようなストップモーションで驚かされる。今回初めて拝見した「夕暮れに羊を連れて帰る羊飼い」こちらも一瞬の光景を描きとったもの。ミレーというか当時の画家たちの光と影、そして色に対する集中力に驚かされる。自分も含めて現代の写真家はもっと一瞬に集中する力が必要であると痛感する。デジタルになり集中力が落ちていることをミレーの作品を見ると教えられる。
そういえば今回、信州で撮影している多くのアマチュアの方を拝見した。でも心が痛むのは生の光をまず肉眼でしっかり見ていないこと。カメラを取り出すと同時にPLやハーフNDを出してレンズに装着する。悲しい。まず肉眼でしっかり見て、フレーミングと露出を考え、そのかなで自分にとりどの色と光が大事か自問自答している時間が見受けられない。僕もフィルターは使うが、あくまで補助手段。フィルターありきではない。こんな撮影方法を誰が指導しているのか嘆かわしい

ミレーが見たらとても悲しむ。バルビゾン派である彼は大自然と対峙し、じっくり観察したぐいまれなる集中力で描きとっている。

因みにミレー独特の世界であるが、これはミレー以外ピカソでも多くの画家でもそうだが、美術館の作品解説には時代背景 哲学 世界観の説明はあるが、画家がどんな絵の具を使い、どんな筆を使ったかは書いていない。多くの写真関係のところ ギャラリーや写真家の解説で、レンズ カメラ 画像処理の話が中心で、作品の背景がないのはどうしてだろう。ミレーを見ながら思ったことだ。

でもいちばん好きなミレーの「晩鐘」はパリのオルセー美術館にある。いつかオルセーに行き生の晩鐘をじっくり見てみたい


夕暮れに羊を連れて帰る羊飼いは今回初めて知った作品。じっくりこれが拝見できてとても勉強になった。また山梨にも行こうと思う





相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください





富士フイルムさんのX シリーズフェイスブックで 和の写心(毎週水曜日更新)を連載中。「イイネ」押してくださいね



ブログランキング応援クリックお願いします。応援たくさんしていただけるとたくさん写真がアップされます 笑
下のランキングバナーをクリックしてください。


by masabike | 2023-10-19 08:38 | 写真アート | Comments(0)
<< ニュージーランド テカポ湖 空撮 秋の光 ライカモノクローム >>