小さくても大きな存在 FUJINON XF8mm FUJIFILM X seires facebookから

小さくても大きな存在 FUJINON XF8mm  FUJIFILM X seires facebookから_f0050534_21543289.jpg

【和の「写心」《番外編》 By Masaaki Aihara】
「小さくても大きな存在」オーストラリア タスマニア州 レークペダー
FUJIFILM X-T5 + FUJINON XF8mmF3.5 R WR


オーストラリアというとトロピカルなイメージをする人が多い。だがタスマニアはそのイメージとは程遠い。南緯40度以南、南極の暴風雨圏ロアリング・フォーティーズに位置するタスマニア。北海道より少し小さな、南極からの冷風強風が吹きつける島。島の半分近くが原生林に覆われた国立公園と世界遺産。僕はここで2004年からFriend of Tasmania(観光親善大使的な役割)をしている。現地にはホームステイ先の家族もいて第2の故郷だ。そして多い時は年間200日タスマニアで過ごしている。
そのタスマニアでいちばん原始の風景を残すのが南西部のサウスウエスト国立公園。その中でもレークペダーはアイコン的な存在。この湖を見下ろす丘に立ち、撮影をするのは何十回目だろう。しかしいつも広大な湖を撮るのに画角が足りないと悩んでいた。XF10-24mmF4 R OIS WRをもってしても画角が不足する時を感じる。だが今回はXF8mmF3.5 R WRのおかげで余裕のフレーミングで撮れた。不思議なもので広く撮れるとフレーミングの自由度が増し、今まで気が付かなかった新たな対象を見つけることができる。

 岩に絡みつく小さな木の幹。岩にしがみつくように生きる姿は、南極から吹き付ける強風や冷風にも「負けないぞ!ここで生きてやる」という強い意志を感じる。大きな風景の中では点の存在だが、そのインパクトは大きな湖の存在に匹敵するぐらい強かった。XF8mmでローアングルを狙い、小さな生命と湖が同等に感じるフレーミングを探し、そしてモノクロームとする。モノクロームを選んだ理由は画面の整理、単純化だ。撮影時間は夕刻、遅い午後の空は色づき始めている。1フレーミングの中に要素が多くなりすぎると、小さな木と湖の同等な関係が見えにくくなってしまう。以前現代アートの油絵の先生にフレーミングを習ったときに「1つのフレームに要素は2つ。これより多くても少なくても駄目」としつこく教えられた。そこでモノクロームとして要素を整理し、2つの素材に目線が行くようにした。ACROS+Yeを選択して少しだけ、コントラストをつけた。ACROS+Rにするとコントラストが強くなりダイナミックな表現になる反面、シャドー部のディテールが見えにくくなる。その為Yeフィルターを選択。超広角レンズは入る要素が多い。あれもこれもいれると何を狙ったかわからなくなる。そのような時にモノクロームの選択はとても重要だ。物のフォルムや存在感をしっかり表現してくれる。特にこの日は明るい曇り。光が柔らかかったので,モノクロームには最適だった。


 XF10-24mmも試してみた。だがたった2mmの焦点距離の違いがまるで別の世界観。それと併せて被写界深度がまるで異なった。かなり岩に寄りつつ、広大な風景もピントを合わせ、かつ手前と遠景が同等の存在感で表現できるフレーミング。これはXF8mmでしか表現できない。鼻先から無限遠まで被写界深度に入る。風景には最適。パンフォーカスもお得意だ。

 日本はこれから秋。いよいよ紅葉という、風景写真では春の桜と並ぶ一大撮影シーズン。手前の紅葉を強くアクセントとして置き、遠景の山あるいは湖と組み合わせる時、深い被写界深度とオンリーワンと言っていいほどの遠近感を持つXF8mmは、あなたに特別な世界を見せてくれる。隣人の撮影者に「あのレンズ、自分も次は手に入れよう」と思わせるはずだ。XF8mmの超広角レンズの世界は、今までと異なる撮影ワールドの扉を開けてくれる。秋はもうすぐそこ、迷う時間はない。撮り逃した光と影は戻らない。ぜひ新次元の風景写真の扉をXF8mmで開けてほしい。
撮影協力
タスマニア州政府観光局

相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください







富士フイルムさんのX シリーズフェイスブックで 和の写心(毎週水曜日更新)を連載中。「イイネ」押してくださいね



ブログランキング応援クリックお願いします。応援たくさんしていただけるとたくさん写真がアップされます 笑
下のランキングバナーをクリックしてください。




by masabike | 2023-08-30 21:55 | タスマニア | Comments(0)
<< キンバリーの旅 6月3日 バン... 大水上神社 香川 by PE... >>