カオスの時間 FUJINON XF8mm FUJIFILM X Sereis facebookより転載

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【和の「写心」《番外編》 By Masaaki Aihara】
「カオスの時間」オーストラリア 西オーストラリア州 キンバリー地方
FUJIFILM X-T5 + FUJINON XF8mmF3.5 R WR


 昔、ある洋酒の広告のコピーで「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」という一行があった。当時広告の勉強を始めたばかりで、この一行が頭の中心までこびりついた。もともとは映画監督・黒澤明氏の映画作りのモットーの言葉らしい。実はこの言葉、写真を撮るうえでもとても大切な言葉。特に広角・超広角レンズでは、大切なキーワードだ。昔の映画監督の方たちが「良い写真が撮りたい」と言っていたのを、昔のアーカイブで何度か拝見したことがある。つまり映画は活動写真。きっちりフレーミングした写真が1時間半、2時間つながったもの。だから1シーン1シーンのフレーミングは写真を撮るのと同じように考えていたのだと思う。同じくゴジラの生みの親、円谷英二監督も「できるだけ近づけ、できるだけ離れろ」という名言を残している。これも被写体の細部のディテールを見据えると同時に、全体像をしっかり押さえることと僕は解釈している。映画監督の言葉から写真について学ぶことは多い。実は子どものころ、映画監督になりたかった。理由は超単純。映画監督になれば毎日ゴジラに会える、ゴジラが作れるという子どもじみた発想だった。でもそのおかげで写真家になり、映画から学び役立つことが多く、今でもそれに助けられている。特に上の2つの言葉がそうだ。



  実はXF8mmF3.5 R WRを使いこなすコツが上の2つの言葉にある。全体像として、ちまちましない空間を思い切り大胆に切り取ること。でも大胆なだけだと巨大プリントにしたときに、小さなプリントでは気が付かない余分な要素が入っていたり、逆に画面を引き締めるとワンポイントが抜け落ちていることがある。この作品では、スマホの方は見えないかもしれないが(個人的には作品は大きくプリントして鑑賞するという大前提に立っている。だから大きなPCのモニターで見てほしい。だからこそ作例ではなく作品。)画面右隅の山の上に、小さなバオバブの木が立っていて、その上に星が輝いている。もう1つ画面中央に輝く星があり、その下に残照を浴びて存在を主張するバオバブがある。この2か所が実は大切な肝。残照を浴びたバオバブの巨木を、XF8mmならではの超広角のデフォルメ効果を生かしながら大胆にセンターに配置し、細部に脇役をしっかり主張するように配置している。さらにわき役が隠れないように、ミリ単位で三脚を動かしてフレーミングした。
主役とわき役の関係は映画と同じだ。美男美女だけでは映画は成り立たない。個性的というか癖のあるわき役陣がサポートしてこそ、主役が浮き立ってくる。写真も強烈な被写体と主役の周辺部に配置した、小さなわき役たちが画面の緊張感を醸し出してくれる。特にランドスケープ、特に広角系では重要だ。
立秋もすぎ、そろそろ夏の光から秋の斜光に移りつつある。写真、特にランドスケープフォトにとってはおいしい季節。この「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」を肝に銘じることで超広角XF8mmはあなたを写真コンテストやグループ展の主役にしてくれるはずだ。他に類を見ない超広角XF8mmを使いこなせれば、あなただけのオンリーワンの世界が得られる。そのためには心を落ち着けて、Xのファインダーをしっかり見てほしい。XF8mmは、悪魔の仕業も天使の微笑みもすべてファインダーの中に見せてくれる。



撮影協力
カンタス航空
西オーストラリア州政府観光局

相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください







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by masabike | 2023-08-23 22:11 | 西オーストラリア州 | Comments(0)
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