棚田月光図 FUJIFILM X Series facwebookより転載

棚田月光図 FUJIFILM X Series facwebookより転載_f0050534_07325169.jpg
【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「棚田月光図」千葉県 鴨川市 大山千枚田
FUJIFILM GFX 50S + FUJINON GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR (WB/マニュアル)
日本の風景では、僕は梅雨入り前が一番美しいと感じる。以前、2013年に全国富士フイルムフォトサロンで巡回展をさせていただいた。その時のタイトルが「しずくの国」。日本は水が豊潤で、空気中から伝わる「湿度感」こそが日本風景の特色と感じたからだ。乾燥した大地、オーストラリアを長年旅していると、日本の空気に漂う水の香りは素晴らしいと、いつも感じる。
この時は、田植えが終わったばかりの棚田に月が照り輝いていた。夕暮れのカオスな時間と、新緑と水の香りを表現したくなり、WBを操作した。夜でも昼でもない、混沌とした時間を表すために色温度を低くし、青被りするようにした。普段のランドスケープ撮影では、WBの設定は基本的に「晴れ」のモードにしているのだが、今回は自分の心の中の空気感のイメージに近づけるため、あえてマニュアルで調整した。「蛍光灯」モードよりも、ほんの少しだけ色温度を高めにし、青い世界の中に少しだけ5月の緑が感じられるようにした。GFXもXも完璧な色再現だと思っている。だが時として、現実の色ではなく、心の中で見えていたイメージの色に近づけたいと思う時がある。そのような場合は、豊富なフィルムシミュレーションとWBの設定の組み合わせで、自分の心の中の色に近づけることができる。今回は色温度を低めに設定して心の中の色を優先したが、実はGFX&Xシリーズは新緑の色再現において、僕の知る限りで最高のカメラ機材だと感じる。Xシリーズの前身となるFUJIFILM FinePix S5からすでに、群を抜いて緑の色再現に定評があった。基本の色再現がしっかりしているからこそ、WBを変化させても嫌な色使いにならないのだと感じる。今回の作品はWBの他、ISO感度を800にしてシャッタースピードを速めに設定して撮影した。低速シャッターだと、田んぼに反射する月の形が揺らいでしまい、月の存在感が明確にならないので、シャッタースピードが1/60以上になるようにしている。GFXはISO感度をUPしてもノイズが出にくい。ラージフォーマットならではの高感度性能も撮影時にあわせて設定して行きたい。
新緑から梅雨まで、緑と湿潤な空気感がいちばん美しく、日本が「しずくの国」と表現できる季節。ぜひともJapan GreenをGFX&Xで狙ってみて欲しい。
注)大山千枚田は私有地です。撮影時の立ち入りは禁止されています。今回の撮影は展望台から行っています。くれぐれも農作物並びに棚田保全の影響も考えて、撮影は必ず公道および展望台から行ってください。

相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください







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by masabike | 2023-06-22 07:33 | 日本風景 | Comments(0)
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