黄昏月桜図 FUJIFILM X Series Japanより

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「黄昏月桜図」大分県 久住高原
FUJIFILM GFX100S + FUJINON GF32-64mmF4 R LM WR
ランドスケープを撮るうえで大切なことの1つは、長い時間をかけて作品を仕上げなければならないこと。時には5年、10年、あるいはそれ以上になることもある。特にエリアや被写体を限定し、四季を通じて追いかける場合はなおさらだ。例えば富士山とか、上高地などが良い例だと思う。
長い年月をかけて撮っていると、心のありようで視点が変化することがある。それは作品の中に写真家の心の変化としてプラスに表現できる場合が多い。だが時には長い年月がマイナスに働く場合がある。それは色のあり方。
デジタルカメラでは、同じ青空を撮影した場合でも、年代や撮影機材の機種により青みが大きく変わることがある。特に黎明や黄昏時の空の色などには、それが顕著に表れることがある。
僕は写真展や写真集は絵巻物であり、短編映画と考えている。もしあなたが映画館で映画を観ていて、途中から画面の色やトーンが変わってしまったらストレスになるはずだ。だから変わらない色設計はとても大切だ。
4月に終了した「相原正明 写真展 On The Earth ~超大陸 オーストラリア~」では、2002年に撮影したFUJICHROME 64Tで撮影した銀塩フィルムの作品から、最新の1億画素越のデジタルカメラFUJIFILM GFX100Sまでの作品で構成した。足掛け20年の時の流れ。
だが、約12000名ご来場されたお客様の誰一人として、色の違和感を指摘された方はいらっしゃらなかった。同じXシリーズでも、同じフィルムシミュレーションでも、機種により若干の色の差異がある。またフィルムとデジタルでも完全に同一とは言えない。しかし、ほぼすべての作品が許容範囲のストライクゾーンに入っていた。色を調整したところは、会場の明るさにあわせるためのプリントの明暗のみだった。
もし機種ごと、あるいは年代で色設計が変わるデジタルカメラを使用した場合、それを個人が画像処理で、均一の色の設計のプリントに整えるのは天文学的に難しい処理だ。色味を含めた画質設計をするために、絶対色感を持った大勢のスペシャリストが、莫大な時間と労力、予算を投入して行っていることを、一個人が市販の画像処理で整えるのは至難の業と言えよう。
このフィルム時代から変わらない色のコンセプトこそ、僕がFUJIFILM GFX&Xシリーズを使う理由だ。色設計が変わってしまったら、組み写真として構成するためには、過去の作品を撮りなおさなければならないことも生じる。光と対話をして、光と影の変化を見つけ、シャッターチャンスに集中できる。これがGFX&Xの最強の武器だ。
昨年、大分県宇佐市にある本格麦焼酎「いいちこ」でおなじみの三和酒類様のカレンダー2023年版の撮影をさせていただいた。これも1年を通じて見た大分の光と影を表現。そして、同社のWebサイト「koji note(麹ノート)」の中で大分を舞台にしたフォトエッセイ「from OITA 風林光水」を連載させていただいている。
このように、1年以上かけて取り組む撮影のときに注意しなければいけないのは、色の世界観が変わってシリーズとしてのまとまりがなくなり、つながらなくなってしまうことだ。その不安は、フィルムシミュレーションという富士フイルムならではの、フィルム時代からの長い年月に及ぶ鉄壁な色のプロファイリングが解決してくれる。
今年も多くの方が桜を撮ったと思う。これを機会に日本の四季を撮影してみようと思う方は多いはず。四季を通じて、あるいは長い年月をかけて作品をまとめたとき、きっとGFX&Xシリーズがあなたの色の世界を大切に表現してくれるはずだ
三和酒類「koji note」の「from OITA 風林光水」はこちらから
Photography by Masaaki Aihara


相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください







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by masabike | 2023-05-20 22:21 | 日本風景 | Comments(0)
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