山桜新雪図 FUJIFILM X Series Japanより

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「山桜新雪図」愛媛県 石鎚山系
FUJIFILM GFX100S + FUJINON GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
ランドスケープフォトの一番の醍醐味は、イレギュラーの光。誰しもが「桜と雪」、あるいは「紅葉と雪」といった、季節の移り変わり、ほんの一瞬垣間見える風景を撮りたいと願うはず。僕もそうだった。昨年、四国の山の神は微笑んでくれた。僕は新緑を狙い石鎚山系にいた。夕方から風が冬のように冷たくなり、思わずグローブをはめた。そして、夜明け前に起きて外を眺めると、うっすら銀世界。狙っていた山肌に直行すると、夜明けの光で点々と咲く山桜に雪が優しく覆いかぶさっていた。まるで氷細工のような景色。雪で山桜や新緑の木々が縁どられて、黎明の光で浮かび上がってきた。
 指先で樹を突っついただけで、積もった雪が落ちてしまいそうな、そんな繊細な風景を撮るには、GFX100Sしかない。肉眼では見過ごしてしまうような繊細な木々の描写も、GFX100Sの1億画素の眼力は見逃さない。フィルムシミュレーションはASTIAに設定し、Color(彩度)を変化させながら、桜と雪のバランスに細心の注意を払って構図を決める。そして、露出は夜明けのカオスな空気感と桜のピンク、雪の白を表現するために6段階ぐらい振って撮影した。少しでも緻密に撮るために電子シャッターを使用し、シャッターブレを防いだ。
 自然風景の大きさ、大胆さを余すことなく表現しながら、風景を構成する1つ1つのエレメントを確実に、精密に撮る。これはGFXシリーズでしかできない。大きな風景も、1つ1つの小さなエレメントの積み重ね。大型プリントにして写真展で展示したとき、鑑賞者は最初、そのダイナミックな迫力に圧倒される。だが次には必ずプリントに近づき、その細部をじっくり見る。そして手で触れそうな立体感に、質感、存在感にため息する。これは、前回の全国富士フイルムフォトサロン巡回展「相原正明 写真展 On The Earth ~超大陸 オーストラリア~」で展示した、GFX100Sで撮影した2m越えのプリント作品の前で、毎日繰り返されていた光景だ。迫力と緻密さ。この2つの表現方法を兼ね備えたカメラこそ、GFXシリーズだと思う。昔あるウイスキーのテレビCMで「天使のごとく大胆に、悪魔のごとく細心に」というキャッチコピーがあった。GFXはまさにそんなカメラ。GWから梅雨入りまで、新緑も美しく五月晴れの空が期待される。ダイナミックな風景を狙い、でもよく細部に目を凝らすと、こんな小さな点景がこの大きな絵の要になるのか!と驚愕するような作品が、GFXでなら撮れるはずだ。もう1歩上、そしてもっと深いステージを目指す、そんなあなたの写真ライフをGFXがより充実したものにしてくれるだろう。
Photography by Masaaki Aihara


相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください








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by masabike | 2023-05-05 08:10 | 日本風景 | Comments(0)
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