コントラスト FUJIFILM X Sereis facebookより転載

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「コントラスト」東京都
FUJIFILM X-T4
先日、東京に雪が降った。雪国の方には大変申し訳ないが、ついつい良いシャッターチャンスとばかりにカメラをつかみ、雪の降りしきる中、近くの公園等で2時間ほど撮影した。ご近所撮影で持ち出した機材は2セット。1セットはGFX100SとGF45-100mmF4 R LM OIS WR。もう1セットはX-T4と、Xシリーズ向けに設計されたCarl Zeiss Touit 2.8/50M。GFX100Sのセットは降りしきる雪景色の広めの風景、もしくは一部を切り取った風景を狙う。そのため、広角から標準をカバーするGF45-100mmを選んだ。特に家の近所には木々が生い茂る公園があるので、木々に積もる雪景色、あるいは都会の雪景色の俯瞰を考えた。
もう1つはなにかフォトジェニックな被写体を狙うために、GFX100Sのセットとの対比も考慮し、クローズアップでの切り取り、等倍接写性を重視してX-T4とCarl Zeiss Touit 2.8/50Mの組合せにした。2つのシステムとも手振れ防止機能を働かせ、三脚は使用しなかった。東京の雪は降ってもすぐに溶けてしまう。なるべく短時間で機動力を活かし、素早く多くの被写体を探し求め、かつ短時間で撮影するために今回はあえて手持ちで撮影した。
ところで、以前ここの記事でも紹介したXF30mmF2.8 R LM WR Macroを使用しないのか?と疑問に思う方がいるかもしれない。たしかに接写性ではXF30mmはとても優れて魅力的。だが、今回は被写体が白い雪。特に降りたての新雪の繊細さ、はかなさを表現するには、あまりに近寄りすぎて接写した場合には、自分の影が映り込んでしまい思い通りの撮影ポジションがとれなくなる可能性がある。あるいは、公園等で花壇の立ち入りができない場所があることを考えると、被写体とのワーキングディスタンスを少し長めにとれるCarl Zeiss Touit 2.8/50Mの方が良いと判断した。




マクロレンズはどのワーキングディスタンスで撮るかが、レンズ選択の重要な項目。近く寄れるだけが正解ではない。撮影状況、自分が好む画づくりをイメージして、同じマクロでも焦点距離を考えることが大切。XFシリーズではXF30mmF2.8 R LM WR Macro、XF60mmF2.4 R Macro、XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro、3種類のマクロレンズがある。自分と被写体との向き合い方、あるいはどのような画をつくりたいかで選択するのが良いと考える。僕は接写を考えるとき、このレンズ群にXF16mmF1.4 R WRを加える。広角レンズでありながら、かなりの接写(撮像素子面から15cmの最短撮影距離。レンズ先端からだと数センチになる)が可能なため、他のマクロレンズと大きく異なる画づくりができるからだ。



宙から新雪が降り注ぎ、公園の花壇の花びらにそっと舞い落ちる。まるで氷菓子のように見えた花と雪を撮影した。花とふんわりしたセンターの雪の存在感を強めるために1:1スクエアのアスペクト比にした。このような場合、撮影時にあらかじめ求める画づくりのアスペクト比に必ず設定する。なぜなら、あとからトリミングで作り上げた画は、撮影時にアスペクト比を決定した場合に比べてやや緊張感に欠けるからだ。
そして、今回はフィルムシミュレーションをASTIAにした。雪の白を表現するとき、ASTIAが一番濁らないと個人的には感じる。ただ、少し花の赤がおとなしくなりかねないので、彩度を若干UPした。実はここでとても大切なことがある。白がきちんと再現できないと今回のような作品は台無しになる。雪の白さが最も大切なポイント。思い出していただきたいことがある。2021年3月17日に「和の写心」で取り上げた「和食」の写真だ。いかにご飯の白さ、かつシャドー部の階調表現ができるかが大切だ。
◆2021年3月17日「和の写心」
もし雪の白さが表現できず濁ってしまったら、花びらの赤との対比はきれいに表現できない。そして白を表現しつつ、赤の階調表現もしっかり出ること。それなくしてはこの作品は成し得なかった。白が白く撮れることは、雪の撮影をするとよくわかる。新雪を撮ったけどきれいに仕上がらない。そうお悩みの方は、XあるいはGFXでの撮って出しの画を見ると良い。欲しかった色がそこにあるはずだ。今回はさらに「赤」の発色の調整でカラークロームエフェクトもONにした。
お読みいただいてわかるように、いくつかのファンクションや要素が複合的に関わり合うことで1つの作品が生まれる。豊富なレンズ群と撮って出しでも充分対応できるしっかりしたカラーマネージメント、そしてホワイトバランス機能などなど。挙げればきりがないが、システムとしての完成度が高くなければ良い作品は生みだすことはできない。すばらしい作品を撮るために何が必要か、今一度じっくり考えていきたい。





〈お知らせ〉

<「猫様と4人の下僕たち」写真展>
今回2月22日(ニャンニャンニャン)の「猫の日」にちなみ、東京・表参道にある富士フイルム直営店 WONDER PHOTO SHOPで「猫様と4人の下僕たち」という写真展を2月17日(金)〜3月1日(水)の期間で開催します。
富士フイルムともご縁のある4人の写真家(相原正明、近藤佳奈、山口規子、ヤマグチハルク 敬称略)が自分の愛猫を自分のお家で撮った作品で展示します。
作品はすべて富士フイルム WALL DECOR(すぐに飾れる写真加工パネル)を使用します。
ぜひお越しいただき、かわいいご主人様たちをご覧になってください。
詳細は下記のリンクからご覧ください。



2月17日~3月1日まで2月22日猫の日にちなみ富士フイルム ワンダーフォトショップで猫様と4人の下僕たち 写真展開催


相原正明撮りおろしのkoji note From OITA 相原正明 フォトエッセイ  ぜひお楽しみください






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by masabike | 2023-02-16 07:09 | 日本風景 | Comments(0)
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