秋空紅葉図 FUJIFILM X Series Japanaから転載

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「秋空紅葉図」北海道 糠平
FUJIFILM GFX100S + FUJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR
気持ちよい写真が撮りたい。そんな言葉をよく聞く。では逆に気持ちよくない写真はどのような写真か?それは色が濁っている。抜けが悪い色、あるいは俗にプリントをするラボ関係者たちが口をそろえて言う「ヤニ臭い色」。そのような色になってしまうのにはいくつかの要因がある。1)レンズが汚れている 2)フィルターや過剰な画像処理 3)カメラ自体のエンジン性能。つまり色分解能力。実はデジタルカメラの画像処理は、最初からデジタル信号ではない。レンズを通りセンサーが受け取る光はアナログである。これをカメラのエンジンがデジタル信号に置き換えて、初めてデジタル画像となる。ところがここが一番のかなめであり問題となるところ。単にアナログからデジタルに置き換えるわけではなく、今までの膨大な撮影データから得られた色のプロファイリングが無ければ、抜けの良い気持ちよい色に置き換えることは至難の業である。単にデータ上の色の分布やトーンカーブだけの問題ではなく、そこに味つけという事が加わる。この味つけこそがGFX&Xを使う上でもっとも大切。


 富士フイルムの色の世界とは、もう30年以上のお付き合い。フィルム時代から撮った色が、フィルム現像後にどうなるか経験ずみ。Velviaの場合、PROVIAの場合、そしてASTIAの場合。それぞれに色再現の特色がある。いわば味つけである。これはデジタルになっても同じ。しかもデジタルであればこそ、その場で確認できる。その味つけで言うと、紅葉の撮影は通常Velviaと考えてしまう。ところがこのような青空の場合、特に北国の冷たい感じの青空をどう表現するかによっては他の選択肢もある。今回の記事の写真はVelviaモードで撮っている。だがバリエーションではASTIAで紅葉を撮ることも多い。抜けるような冷たい感じの青空はASTIAの方が自分の好みにはあう。Velviaを使用すると赤の鮮やかさはパンチが効いてくる。だが空の青さに時として、マゼンタ色が乗って来て、北国の冷たい空ではなく、南国か砂漠の空のようなブルーになる場合がある。だからその場合はASTIAを選ぶ。ただ赤の彩度が弱い。このような場合は徐々に彩度をUPして、自分の世界観にマッチした青空と紅葉の赤の色具合を見て決定する。だが今回の撮影では青空よりも、燃えるような深紅の紅葉を表現したかったのでVelviaを選択した。



さらに色を追い求めるとき、ホワイトバランスをマニュアルで設定する時もある。フィルムシミュレーションとWBの組み合わせは無限に近い。だからこそ普段、撮影したときに自分の好みの傾向を探り、これをQメニューに登録しておくとよい。僕の場合は日本で風景中心に撮るとき。オーストラリアで風景を撮るとき。モノクロで落語やスナップを撮るとき。それぞれQメニューの組み合わせと設定を変えている。だからこそ撮って出しで、ほぼ完成形まで色とトーンを追い込める。そのベースには富士フイルムならではの色のプロファイリングがある。GFX&Xシリーズ、そしてフィルムシミュレーションがもたらせてくれる、富士フイルムならではの抜けの良い色のおかげで思い通りの世界が描ける。今は富士フイルムフォトサロンでの写真展のためのプリント作業をしているが、作品はGFX&Xが中心で、数点フィルムでの作品もある。しっかりした色のプロファイリングのおかげで、とても作業が楽で楽しい。テストプリントで、再プリントをしなければならない作品はとても少ない。撮ったときとプリントした際の落差が少ない、あるいはゼロである。気持ちのよい色は、素晴らしい写真展を生み出してくると同時に、テストプリントでの多くの煩わしい作業と心のもやもやから解放してくれる。GFX&Xの色づくりは、心の中の色のパレットをそのまま実現してくれる。気持ちのよい色を求めるとき、GFX&Xシリーズは最大の心象色の友となってくれるはずだ。あなたは気持ちのよい写真が撮れていますか?



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by masabike | 2022-11-05 06:23 | 日本風景 | Comments(0)
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