朝霧の舞 FUJIFILM X Series facebookより


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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「朝霧の舞」北海道 三国峠
FUJIFILM X-H1 + FUJINON XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
秋から初冬、風景写真が最も面白く、かつ忙しい時期。紅葉から、葉が落ちて木の幹や枝だけになる間、色を狙うか、木の枝ぶりなどの形を狙うか、嬉しい悩みが続く時間。
個人的には紅葉の間はカラーで狙い、葉が枯れてきて、枝ぶりが見えてきたらモノクロで狙うようにしている。そして機材も被写体によって使い分けている。その理由は光の変化が激しい季節だから。
アッと思う間にシャッターチャンスが訪れる。だが、機材をどうしようか、設定をどうしようかと悩んでいると、光が変わってしまい、シャッターチャンスを失う。そうならないためにも、事前にある程度機材の選択をしておくと良い。僕の場合は下記のようにしている。
広角~中望遠、もしくは足元の風景から中景:GFX100S + GF23mmF4 R LM WR、GF32-64mmF4 R LM WR、GF45-100mmF4 R LM OIS WR、GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
望遠、もしくは遠景:GFX 50S + GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR、GF1.4X TC WR
望遠~超望遠域、遠景もしくは極端な圧縮効果:X-T4、X-H1 + XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR、XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
広角での接写、もしくは星景撮影:X-T4 + XF16mmF1.4 R WR
マクロ撮影:GFX100S + GF120mmF4 R LM OIS WR Macro(三脚使用の場合)、X-H1、X-T4 + Carl Zeiss Touit 2.8/50M(手持ちの場合)
用途別に機材を振り分けておくと、光の変化が激しい時にレンズや機材選択で迷わない。移動の時は基本となるGFX100S + GF32-64mm、GFX 50S + GF100-200mm、X-T4 + XF100-400mmを付けっぱなしにして、ザックに収納かあるいはGFX100Sだけ首から下げている。1秒でも早くフレーミングを決めてシャッターを押すためだ。直ぐに撮影できるようにQメニューを使いこなし、瞬間の出会いの時はシャッターを押せば、細かいセッティングをしなくても、それなりに写る設定にしておく。とっさの場合はフィルムシミュレーションやWBが自分の心の中の絵コンテと若干ずれている場合もある。そのような場合を考慮して、常にJPEG + RAWの設定にしている。GFXの場合はJPEGをSUPER FINEに設定。救済策としてRAW現像をすることもある。その場合もカメラ内RAW現像を行うと良い。
学生時代、フォトジャーナリズムを学んでいた。先生は現役の大手新聞社の写真部長。いつも「露出が合っていなくても、フレーミングが満足いかなくても、ピントが怪しくても、ここぞというときはまずは1枚シャッターを切るように」と教えてくれた。1枚写真があれば、後からある程度の修正や加工はできるし、キャプションを添えることで記事にもなる。でも、シャッターを切っていなければ何も始まらない。その良い例が第2次大戦のノルマンディー上陸作戦でのロバート・キャパの作品だろう。ピントもフレーミングも怪しい。でも逆に決死の上陸作戦の臨場感は伝わってくる。風景写真とは異なるが、風景に置き換えると、突然現れた虹や雷、数秒で消えてしまう雲などだ。手持ちの機材を使いこなすことが良い作品を撮る上で、最善で最短の方法。そのためには普段から沢山撮影し、自分の機材が体の一部になるようにしている。GFXもXシリーズも多くの写真家たちが、今までの経験や現場での体験を技術エンジニアに伝え、それを生かしたカメラの設計やデザインになっている。実戦でたたき上げられたデータに基づき作られたカメラだからこそ、使う時に迷いがない操作ができる。今回の三国峠での、朝霧の舞。至るところで森から霧が沸き上がり、天空の龍のように舞い、反逆光の光が射す難しい状況で、光の変化がイレギュラーで速い。こんな時こそ、カメラとレンズの操作性が生きてくる。このような撮影環境において、使えば使うほど、GFX & Xシステムは自分の身体、そして眼の一部になってくれる。これから訪れる最高の光と色のシーズン、GFX & Xで素晴らしい瞬間を捉えてほしい。
Photography by Masaaki Aihara

相原正明撮りおろしの三和酒類様From OITA 「koji note」 風林光水  フォトエッセイぜひお楽しみください







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by masabike | 2022-09-22 06:50 | 日本風景 | Comments(0)
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