南光 FUJIFILM X Series facebookより

南光 FUJIFILM X Series facebookより_f0050534_22545017.jpg

【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「南光」鹿児島県 与論島
FUJIFILM X-H1 + FUJINON XF16mmF1.4 R WR
もうすぐゴールデンウィーク。南の島ではもう泳げるかもしれない。3月に仕事で鹿児島県の与論島に行った。空港に降り立った時に脳裏をよぎったのは「水着を持ってくれば良かった」だ。空港のゲートで待っていたのは、夏の光と風と赤道の香りだった。そして午後、ビーチを散歩しながら南の光と風に遊んでもらう。その時、思い出したことがあった。南の島こそがVelviaとの出会いだったことだ。



1991年、僕は南太平洋のフィジーにいた。映画「青いサンゴ礁」の舞台になるほど海が美しい島。そこでマリンスポーツの撮影をする仕事だった。南の島で青い海と空と南太平洋の落日を毎日楽しめる仕事だった。ある日、カメラにフィルムを装填していると、同行のもう一人の写真家Aさん(撮影カット数が多いので2人の写真家体制での撮影だった)がやってきて、グリーンのパトローネのフィルムを見せてくれた。「相原君はまだVelviaを使っていないのかな?」当時僕は他社の違うフィルム(写真家が南の島を撮るならこれという、定番フィルム)をメインに使っていた。Aさんに「これは青空の美しさと南の島の光の輝きが写る凄いフィルムだよ!」と言われた。二人とも同じメーカーのカメラとレンズを持っていたので、眼の前の海とヤシの木を、同じ機材で同じ露出、異なるフィルムで撮影した。帰国後、ライトボックスで見比べたフィルムに映る風景は、まるで違う日に撮影したかと思う位、色も輝きも違っていた。帰り道に僕はプロラボでVelviaを500本注文し、家のフィルム保管冷蔵庫のフィルムを総取り替えしたのだ。それ以来、南の島や日本の倍ぐらい光がまぶしいオーストラリアの荒野での撮影の際はVelviaが定番になった。


 その後、時代はデジタルに移行。だが僕はデジタルカメラをメインに仕事を始めるタイミングは意外と遅かった。デジタルメインへの移行は2012年まで待つことになる。なぜならこの宇宙にオーストラリア大陸の光と色を再現できるのはフィルムのVelviaしか存在しなかったからだ。異なる色再現になるデジタルカメラでは、自分の世界観の方を変えるしかない。これは作品制作上の大問題。だからこそ完全デジタル化には踏み切れなかった。2012年のX-Pro1の登場により、レンズ交換式システムであり、フィルムシミュレーションを使ってVelviaをデジタルで再現できるならば、自分の世界観を変えなくて済むと分かり、一気にX-Pro1とVelviaを中心にしたシステムに移行した。そのシステム移行は大正解だった。


「南の島と言えばVelvia」と僕の心の中では定番になっている。Velviaのビビットな色再現は眩しくて眼を細めてしまいそうな強烈な光と色を、再現してくれる。Xのセンサーがまるでその場の光と色、風を瞬間冷凍して、カメラに閉じ込めたのではと思えるほどだ。
島旅で僕のお気に入りの組み合わせは、XF16mmF1.4 R WRとVelvia。南の島の広い空を自在に切り取り、かつ接写能力も高いので、青い空と海と色鮮やかな島の植物たちを楽しめる相原鉄板のおすすめシステムだ。

ぜひこの夏は感染症対策に気を付けながらも、南の島へ光と色と風を楽しみに出かけて欲しい。その時絶対に忘れないでいただきたいのが、水着とXシリーズとXF16mmF1.4 R WR、もちろんフィルムシミュレーションをVelviaに設定して出かけることをお忘れなく。
Photography by Masaaki Aihara




相原正明撮りおろしのいいちこでおなじみの三和酒類 「koji note」 From OITA 風林光水 大分の光と物語をお見せします


富士フイルムさんのX シリーズフェイスブックで 和の写心(毎週水曜日更新)を連載中。「イイネ」押してくださいね



ブログランキング応援クリックお願いします。応援たくさんしていただけるとたくさん写真がアップされます 笑
下のランキングバナーをクリックしてください。






by masabike | 2022-04-20 22:56 | 日本風景 | Comments(0)
<< 徳島に思う 国東半島 龍岩寺 >>