雪と戦う FUJIFILM X Series facebookより転載

雪と戦う FUJIFILM X Series facebookより転載_f0050534_08342699.jpg

【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「雪と戦う」北海道 宗谷本線 抜海~勇知
FUJIFILM X-T3 + FUJINON XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
目の前を雪煙に包まれた赤いマシンが通過する。撮影中にこれほどアドレナリンが出たのは久しぶり。丁度サロベツ原野の吹雪の中の風景を撮っていた時に出くわした光景。以前もこの連載で書いたが、もともと写真を撮り始めるきっかけは鉄道だった。家の近くの駅に来るSL(蒸気機関車)を写真に撮りたくて、昭和40年代、家にあったハーフ版のカメラにネオパンSSを入れて写真を撮り始めたのがスタートだった。それから鉄道を撮って50年以上になるが、走っている除雪作業中のラッセル車を撮影したのは初めての体験だった。(過去に回送運転中は撮ったことがある)


友人にラッセル車を追いかける撮り鉄の鉄道ファンがいるが、正直、その熱中度合いを不思議に感じていた。だが吹雪の中で羽を広げたラッセル車が近付くと、鳥肌ものの興奮状態。通過した後、この後に予定していた風景撮影をやめて、ラッセル車の撮影に集中しようかと真剣に考えたほどだ。友人が、毎年冬の宗谷路にラッセル車を追いかけてやってくる気持ちがよく理解できた。ラッセル車が頻繁に走る路線は国内でも数少ない。しかも不定期。だがこれを見たら熱くなり、撮りたくなる。そういえば、そのラッセル車を撮る友人から最近、カメラに関する相談を受けた。「Xシリーズの超望遠レンズはどうですか?雪の中でのAF性能はどうですか?」彼は今持っている機材からXシリーズに買い替えたいとのこと。理由を尋ねると「雪の色が白く出るから。今持っているカメラは雪が綺麗に出ない」。前回も書いたが、白が白く抜けて綺麗に撮れるデジタルカメラは実はとても少ない。吹雪の中、雪をかき分けて驀進してくるラッセル車の写真では雪の表現が命だ。雪がきちんと白く表現できないと、ラッセル車の赤い車体も雪の中から綺麗に浮かび上がらない。そして飛び散る雪の白の中の階調もしっかり出さなければならない。だからこそ雪の色が濁るとすべてが台無しだ。彼がXシリーズに買い替えたい理由がこの撮影直後、撮影画像を再生した時にとても良く理解できた。



咄嗟の撮影ではあったが、Qメニューに設定していたASTIAを選択し、風景撮影の際はColorをマイナス1~2にしているが、ラッセル車の赤を表現するため、今回はプラス2に設定変更した。そして連写モードに変更。吹雪の中で動く被写体に対応するために、ISO感度も風景撮影時のISO100からISO800に変更。X-T3のボディは大きめのダイヤルで、防寒用手袋をしていてもダイヤル操作がしやすい。レンズはXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRを装着していた。今回は超広角~中望遠域まではGFX100S、GFX 50Sに任せ、望遠域をX-T3、X-T4に振り分けていたので、レンズ装着のロスタイムもなかった。ラッセル車を目視してから撮影するまで約1分。確実で素早い操作性のXシリーズのおかげで無事に撮影ができた。さらに言うならばXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRのおかげで、線路から距離を取れて安全に撮影ができた。ラッセル車は通過時に大量の雪を吹き飛ばしながら来るので、線路から距離を取らないと飛来する雪の塊に巻きこまれて危険だ。だからこそ、XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRの超望遠ズームはとてもありがたい。



撮影が終わり、しばらくの間は心臓がドキドキだった。中学生の頃に初めて、北海道でC62蒸気機関車重連(機関車2台連結)の急行ニセコを撮影して以来の興奮。ラッセル車の撮影に病みつきになりそうだ。この後ラッセル車を追いかけている撮り鉄の友人に、いの一番に自慢の電話をしたのは言うまでもない。もちろん「ラッセル車を撮るのにXは最高だったよ」という事も忘れずに付け加えた。もしかしたら来年、サロベツ原野でXシリーズを首から下げ、ラッセル車を追いかけている鉄道写真ではライバルでもある友人を見かけるかもしれない。
Photography by Masaaki Aihara

夜鉄をお楽しみになりたいかた 相原正明著 玄光社 夜鉄をご覧ください。夜鉄のすべてを書いています


相原正明撮りおろしのいいちこでおなじみの三和酒類 「koji note」 From OITA 風林光水 大分の光と物語をお見せします


富士フイルムさんのX シリーズフェイスブックで 和の写心(毎週水曜日更新)を連載中。「イイネ」押してくださいね



ブログランキング応援クリックお願いします。応援たくさんしていただけるとたくさん写真がアップされます 笑
下のランキングバナーをクリックしてください。


by masabike | 2022-02-20 08:36 | 鉄道写真 | Comments(0)
<< ニャンニャンニャン GFX 力 未来へ >>