雪原望岳図 FUJIFILM X Series facebookより

雪原望岳図 FUJIFILM X Series facebookより_f0050534_17381324.jpg


【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「雪原望岳図」北海道 足寄町付近
FUJIFILM GFX100S + FUJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR



北海道、十勝地方。とても晴天率が高く、北海道ブルーと呼ばれる青空が広がる。透き通るような、純度の高いブルーの空。そしてまぶしい雪原の彼方には雌阿寒岳と阿寒富士が顔をのぞかせる。この写真の一番のポイントは雪原の雪の白の色再現。ベースとなる白がきちんと表現されているからこそ、北海道ブルーの空に映える阿寒の山並みも、木々の影も引き立ってくる。この純白の白の再現がNGとなると、作品は成立しない。そして今回はASTIAで少しだけ彩度をUPして撮影した。



少し前のことだが、この「和の写心」シリーズをご覧いただいている皆様はご記憶にあるだろうか?昨年3月17日、GFX100Sが発売された直後、「和食」というタイトルで白いご飯に海苔の佃煮をのせて撮影した作品をUPしたことを!そう、あの写真でGFX100Sの白の色再現がしっかりしていることを確認できたからこそ、今回の作品が撮れたと言っても過言ではない。昨年の秋にロケハンした際、冬になったらここで雪原越しの阿寒の山並みを撮影しようと決めていた。GFX100Sならば雪の白さが確実に再現できることは織り込み済みだった。白を白として表現出来る。この当たり前のことが実は大変難しい。


今年でXマウントが世に出て10年。前にも書いたが、それまでは作品の多くをデジタルで撮影することに踏み切れなかった。それは僕の基準では白がきちんと白く出るデジタルカメラがなかったからだ。特に冬の日本の風景、あるいはインテリアやブライダル系の撮影では、白が基調となり、当時はフィルムのASTIA100Fで撮影していた。デジタルカメラでASTIA100Fの白が表現と同等に満足できる機種が無く、過大な労力となる画像処理に頼らざるを得なかった。だが2012年1月、Xマウントの登場で状況は変わった。X-Pro1を手に入れた僕が、真っ先に向かったのは北海道。雪原と氷、それがどれだけしっかり撮れるか試したかった。結果、答えは完璧。フィルムのASTIA100Fと同等に使える。さらにASTIA100Fは感度がISO100だが、X-Pro1ではISO400、800、1600とアップできるので、大きく撮影領域を広げることができた。それでいてフィルム時代の作品と並列に扱っても、デジタルっぽさが無く、フィルム作品と混ぜても写真展や広告や雑誌の仕事で使えた。Xマウントができて10年。性能の進化は進み、GFXというラージフォーマットのマウントも生まれた。だが変わらないこともある。その色再現のコンセプトだ。自分の世界を変えずに撮影領域を広げることができたのはXマウントのおかげだと思う。


X&GFXでファインダーを覗く度に思い出す言葉がある。昔見たあるウィスキーの広告のキャッチコピーだ。「なにも足さない、なにも引かない」。まさにこの言葉はX&GFXにぴったりだと僕は思う。心に感じたままの色再現はその言葉にふさわしい。もし、今あなたが雪の白さに満足できなかったら、迷わずにX&GFXを使うべきだと進言したい。きっと白の中の階調はこんなにも豊かだったのかと、気が付くはずだ。
昨年3月17日の「和食」はこちら
Photography by Masaaki Aihara


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by masabike | 2022-02-02 17:39 | 日本風景 | Comments(0)
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