写真と文章は時の表と裏

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FUJIFILM X-T4+FUJINON XF16-55mm

大分県 熊野摩崖仏



「写真だけ撮れたって、写真家なんかなれないよ。撮るだけならばただのシャッターマン。 文章が書けないと写真家にはなれないよ。だから大学時代は文章をしっかり勉強しなさい。」いきなりそういわれて僕は面食らった

場所は1979年は松島眼鏡店3階の銀座ニコンサロン。発言されたのはLIFEの写真家でもあり、当時 日大芸術学部の教授でもあった三木淳さん。雲の上の存在の方だった。写真家になりたいので、日芸の写真学科に行きたいのですが?との僕の質問へお答えだった。当時 高校2年生。驚きで声も出なかった。さらに三木さんは

「写真を撮るのに生の現場を見てきた人間が、言葉で文章で伝えるのがいちばん説得力がある。見てきた人間 行ってきた人間しか書けないことがある。だから文章を書けるようにしなさい。写真だけでは伝えきれないこともある。」「日大には新聞学科というものがあるから、そこで文章とフォトジャーナリズムをしっかり勉強すること。それから編集やメディア全般勉強して多様な視点を持つこと。写真の技術なんて3ヶ月もあれば覚えられる」とおっしゃられた

でも僕は「3ヶ月勉強しても写真の技術が身につかなかったらどうすればよいですか?」「3月で覚えられなかったら、それはよっぽどバカだから、蕎麦屋の出前持ちでもやっていろ(今ではいろいろ差別用語ですが1979年当時のままのお答えです)」

三木さんはさらに「名取洋之助さんの"写真の読み方”を買って読んでおくように。えっ?名取洋之助 知らないの?勉強しなさい」

僅か15分ぐらい(だったと思う)三木淳さんとのお話は、人生を大きく変えてくれた。僕は大学受験の出願を日大法学部新聞学科に変えた(高校の担任から 合格枠がとても狭いので君の成績だと太陽が西から昇らないと合格しないと言われたのも覚えている)

奇蹟の合格で日大新聞学科に入り3年生でフォトジャーナリズムの専攻コースを受けた。先生は当時 読売新聞社 写真部長 福嶋先生。みっちり編集と文章を書く授業。そして教科書が名取洋之助さんの「写真の読み方」 いかに文章とレイアウトが写真の解読に影響を与えるかを学んだ。そこで感じたのは写真はある意味時間を凝縮した一瞬をとらえる。だが写真の1秒前も後も伝えるのは難しい。そしてその時間の匂いも温度も音も伝えられえない。だから文章で凝縮する前の時間の流れを伝えなければならないと考えた。つまり写真と文章は、宇宙誕生から終焉までの時の流れの、表と裏であると。

写真と合わせてキャプションや文章を書くときにいつもそれを心がけている。

いまFrom OITA 「koji note」のお仕事も いままでの多くの写真集や写真エッセイ本も文章が書けたおかげでなりたっている。写真と文章 時の表と裏であり、夫婦みたいなものでもある。写真家を志す方、是非文章を勉強してほしい


最後にどこの馬の骨かわからない高校生に、当時にすでに神と言われていた三木淳さんを引き合わせてくれた銀座ニコンサロンの浜尾さんに心から感謝いたします




 
相原正明撮りおろしのいいちこでおなじみの 三和酒類 「koji note」 From OITA 風林光水 大分の光と物語をお見せします



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by masabike | 2021-12-24 09:53 | 写真アート | Comments(0)
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