黄昏湖水図 FUJIFILM X Series facebookより


黄昏湖水図 FUJIFILM X Series facebookより_f0050534_08375319.jpg


【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「黄昏湖水図」 北海道 オンネトー
FUJIFILM GFX100S + FUJINON GF45-100mmF4 R LM OIS WR
写真展やあるいは講演会で、しばしばいただく質問がある。「どうしたらもっと上手に撮れるようになりますか?」「どうしたらコンテストに入賞できる写真が撮れますか?」これはとても難しい質問。正解があったら僕も知りたい。ただ自分の中でこの2つの質問に答えられる考えが1つだけある。「常に天邪鬼であること」。平たくいえば普通とは逆の視点を持つこと。



今回の作品は北海道のオンネトー。普通に撮影するポイントとは真逆の方角と時間。通常はこのサイトでも10月20日の原稿に掲載したアングルが定番。湖のバックに雌阿寒岳と阿寒富士がそびえる視点。今回の作品は、10月20日の作品の画面右下にある赤い紅葉の樹の付近で撮影した。この角度からだと2つのアイコンとなる山は見えない。また夕暮れで紅葉の森は逆光で表現できない。だが湖の中に存在感を主張する樹があった。そしてこの日の最後の光が湖面に美しいグラデーションを落としていた。このアングルは昼間、だれも撮影に訪れない反対側はどうだろうと、ロケハンして見つけていた。




風景写真を撮っていると、多くのポイントを移動して撮りたいと考えがちだ。それは仕事でクライアントから「もっとバリエーションがないですか?」と言われた時のためにとても必要。でも自分の作品として撮るときは1つの場所を多角的な角度と時間から狙うことも大切。僕は今でも不動産のイメージ広告を撮影している。新しい住まいを求めるお客様がこんな街に住んでみたいと思わせる写真が必要。そのためには1つの街をいろいろな角度で見ることが求められる。同じ街でも朝昼夜、晴れの日、雨の日、そして歩くコースも朝と夕方は逆コースで廻る。そうすると別の顔が見えてくる。それを繰り返していると日常の中で見過ごしていたものが見えてくる。常に違う視点。



「こんなところはつまらないよ」と言われる場所に良いものがあることも多い。そのために必要なのが「天邪鬼な視点」。常に異なる視点で見ることで、他者との差別化を図り、自分なりの世界を構築できる。だからこの視点の考えがあれば、100人ぐらいがカメラの放列を敷く有名撮影地でも自分の視点が持てる。そしてもう1つ付け加えるならば、他者との機材の差別化。GFXシリーズはその考えにもっともふさわしい機材と僕は考える。ラージフォーマットのセンサーが生み出す世界には幅広いダイナミックレンジに裏打ちされた、豊かな色再現がある。画像処理で手を加えることをせずとも、心の中で見る記憶色の再現がしやすい。今回の作品もアンダーな露出でも湖水の中に存在する木々の表情と。存在感を見事に再現できた。色やグラデーションが潰れそうで潰れない、粘る色づくり。僕はこれこそがGFXが生み出すラージフォーマットの神髄であり、それによって作品の差別化ができると考えている。もうすぐ2021年も終わりを告げる。来年こそは、自分の心に描く世界を撮りたい、そう思う方は、天邪鬼な視点とGFXのラージフォーマットワールドが、新しい扉を開く鍵になることを僕は断言する。あとは良い光に巡り合うこと。Good Luck!!



相原正明撮りおろしのいいちこでおなじみの三和酒類様 koji note From OITA 大分の光と風と水をお見せします


富士フイルムさんのX シリーズフェイスブックで 和の写心(毎週水曜日更新)を連載中。「イイネ」押してくださいね



ブログランキング応援クリックお願いします。応援たくさんしていただけるとたくさん写真がアップされます 笑
下のランキングバナーをクリックしてください。





by masabike | 2021-12-19 08:38 | 日本風景 | Comments(0)
<< チミケップ湖 空から見た日本 >>