発見した色彩 FUJIFILM X Series facebookより転載

発見した色彩 FUJIFILM X Series facebookより転載_f0050534_08440305.jpg

【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「発見した色彩」 栃木県渡良瀬遊水地
FUJIFILM XF10
良い光、良い色、良い被写体は予想しない時、予想しない場所で突然現れる。そしてそんな時に限ってきちんとしたカメラを持っていない。
先日ロケハンで渡良瀬遊水地に行った。関東屈指の、葦が茂る広い湿地帯で、晩秋から冬にかけての素晴らしい撮影地となる。道が入り組み、細くて行き止まりも多く、四輪では大変なのでバイクでロケハン。狙っている小さな池を探していた。バイクや自転車なら通れる細い道を進んでいた時に突然、土手に一株の彼岸花。しかも背景には青空とフォトジェニックな雲。背景の空の表情が変わらないうちに僕は急いでバイクを止めて、ポーチからXF10を撮りだした。撮ること20枚。縦横両アングル。目線の高さも変えて撮った。もちろんJPEG + RAWでの撮影。理由はいつでも仕事の作品として使えるため。そしてラージフォーマットではなくても、その撮る環境や条件にふさわしければ、小さなXでも写真は撮れるし、肩ひじ張らずに楽しんで撮れる。


 以前にもここで書いたが、普段の移動やロケハンの基本は大型バイク。機動性と乗用車に比べて高い視点が得られる。そのためロケハンではバイクで持ち運びやすいX100シリーズ等のコンパクト機が最適だ。スマホでは駄目ですか?と思うかもしれない。結論から言うと駄目だ。理由は意外とロケハンの時に撮ったラフスケッチ用の作品が、本番より良かったなんていう場合がある。その際に本番で使う場合もあるGFXシリーズと同じ系統の色設計だと安心して使える。さらに仕事に耐える画質が求められる。ラージフォーマットではなくても大丈夫ですか?という意見もあるが、安心してほしい。Xシリーズはコンパクト機といえども、上位機種と共通する色と大伸ばしや大サイズの印刷に充分耐えられる画質を持っている。以前にも旅先で、X100Sで撮った軽いスナップが、ある企業のカレンダーに使われたことがあった。その企業の担当者は「仕事はフルサイズではないと駄目だよ」と言っていたが、印刷後「これで撮りましたと」X100Sを見せると唖然としていた。Xはコンパクトでも、フルサイズ機にも見劣りしない画質が得られる。



いまから10年前にX100が出る以前、ある写真関係者の方から「相原さんはどんなカメラが欲しいですか?」と聞かれたことがある。「普段ポケットに入れて持ち歩けて、気軽に撮れるカメラ。でも良い被写体に出会ったら本気の撮影モードで撮れて、作品レベルの画質が得られる。もちろん色はJPEG撮って出しでフィルムレベル。レンズも仕事で使える画質が得られるもの」と言うと「そんなカメラあるわけないです。メーカーが作っても買うのは相原さんぐらいですよ」と一蹴されてしまった。その後登場したのがX100。もちろんすぐに飛びついた。画質には大満足。それ以来、バイクでのロケハンや旅で、どこでも持ち歩けるXシリーズのコンパクト機は僕の写真生活には必需品になっていた。その後も趣味のバイクツーリング先で撮った写真が仕事に使われた回数は数えきれないほどだ。いずれもプリントや印刷で問題になったことはない、優れた画質だった。




写真の神様はとてもいたずら好き。予想もしていない時、カメラを持っていない時、心が油断している時に限って、絶好のシャッターチャンスや被写体を眼の前に用意してくれる。今回の彼岸花もそうだ。過去、旅と日常で数多くのシャッターチャンスをXシリーズのコンパクトカメラは作品にしてくれた。最近も僕のXで撮った旅写真を見て新しいクライアントと仕事をゲットした。しかも、撮影は「Xでしてください」というカメラのご指名まで。秋から冬、美味しい光のシーズンが始まる。予想もしないチャンスの光を逃さないため、あなたのポケットに、バッグの片隅に、コンパクトなXシリーズがあること切望する。神様のいたずらで、良い写真を撮るためにも。
Photography by Masaaki Aihara






富士フイルムさんのX シリーズフェイスブックで 和の写心(毎週水曜日更新)を連載中。「イイネ」押してくださいね



ブログランキング応援クリックお願いします。応援たくさんしていただけるとたくさん写真がアップされます 笑
下のランキングバナーをクリックしてください。





by masabike | 2021-09-30 08:45 | 日本風景 | Comments(0)
<< 裏磐梯ロケハン 長いお付き合い 道楽はお金がかかるもの >>