晩夏富士遠望図 FUJIFILM X Series facebookより転載

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「晩夏富士遠望図」千葉県 南房総市
FUJIFILM GFX100S + FUJINON GF32-64mmF4 R LM WR
フィルムシミューレション:Velvia/ビビット
曇り空の柔らかい光の午後、僕はモノクロでの作品撮りのために太平洋に突き出した半島の突端にいた。柔らかい曇りの光はモノクロでの作品撮りに向いている。カメラはGFX100S。僕はカスタムC1にモノクロを設定している。日没近く、雲間から光が射して、少しコントラストがUP。イレギュラーな光が射し、良いモノクロが撮れそうな予感が高まってきた。近くで他にも2人、夕暮れを狙う光待ちの方がいた。でも太陽が充分に顔を出さず、光のドラマがないと思ったのか帰ってしまった。彼らは「あの人まだ粘っている」そんな感じでこちらを一瞥して帰って行った。だが僕は粘る。拙著『誰も伝えなかったランドスケープ・フォトの極意』でも書き記したように、「地平線の彼方が暗くなるまでシャッターチャンス」、それを毎回守っている。岩の上でポツンと暗くなるのを待つことさらに10分。突然、空の一部が割れて真っ赤なシルエットの富士山が顔を出した。狙っていた岩とはまるで異なる方角。しかも予想しない色と構図。僕はカメラのカスタムをC2にした。C2にはVelviaを設定してある。カメラの向きを変え、フレーミングを決め、瞬撮。この場合、設定や雲台の操作をしながら、頭の中では同時に絵コンテを描いていた。その結果、設定が決まり次第に瞬撮することができた。このチャンスをものにできた大きな要因が6種類のカスタム設定。自分の世界観の再現設定を登録しておくこと。GFX100Sでは以下の通りに設定している
C1:柔らかめのモノクロ風景 ACROS+Yフィルター
C2:鮮烈なカラー風景 Velvia
C3:和のテイストのカラー風景 ASTIA
C4:硬めのモノクロ、心象イメージ ACROS+Rフィルター
C5とC6はその都度ロケに合わせての予備としている。そしてそれぞれの撮影状況のフィルムシミュレーションに合わせて、WB、コントラスト、感度、彩度、場合によってはアスペクト比も設定している。特に雨や霧などでパノラマを使い、掛け軸風あるいは屏風画風を狙うときは、C4のアスペクト比を25:64にしている。フィルムシミュレーションごとに、撮影する時の設定は細かく異なる。そのためカスタムに設定しておくと、余分な作業から解放され、フレーミングとシャッターチャンスに集中できる。RAWを撮っておけば後で何とでもなると思う人も多い。だが元画像からピンポイントに設定しておいた方が、後から画像処理をする場合でも、加工する幅が少なく、より美しいプリントを仕上げることができる。さらに言えばカラーとモノクロでは、狙う光と表現も異なるので露出も大きく変わる。だからカラーで撮ったRAWからモノクロ、あるいはその逆は極力避けたい。カラー&モノクロ変換して仕上げるときは、止むを得ない緊急事態だったと思ってほしい。そして設定はスナップや落語などの動体の撮影が多いX-T4やX-H1ではさらに異なる。そちらの設定は次回に述べたい。
モノクロからカラーへ瞬時に細かい設定変更をして、シャッターを切る事20カット。最後はクラシッククロームの設定で撮影を終える。富士山は闇に消えて行った。撮影が終わると肩で息をして汗だくだった。わずか5分にも満たない激撮だったが、GFX100Sのおかげで満足した作品が撮れた。前にも述べたが、写真を撮るのは人間。カメラは、そのお手伝いをするだけ。GFX & Xシリーズはいつも心に浮かんだイメージを逃すことなく記憶するお手伝いをしてくれる。撮影が終わると、同じ岩場で釣りをしていたおじさんに「いいのが撮れたみたいだね?」と言われた。だが彼が気を許した瞬間、おじさんの釣り竿から魚が逃げて行った。逃がした魚は大きかったに違いない。僕も「光」という獲物を逃がさないために、撮影ではいつもGFXと一緒だ。
Photography by Masaaki Aihara



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by masabike | 2021-09-02 21:21 | 日本風景 | Comments(1)
Commented by あき at 2021-09-03 17:44
民主党政権による経済破綻危機を忘れぬ為

突然の書込み大変失礼致します。
この度は今一度 皆様に知って頂きたい事があり、誠に恐縮ですが書込ませて頂きました。

マスコミの扇動が露骨になる中、2009年この世論誘導により誕生した民主党政権の3年間は、公約をほぼ全て反古にし(公約に反し消費税も増税)、

異常な円高誘導で国内企業を空洞化した結果、株価は8千円代まで下がり、日本経済は破綻寸前まで追込まれた事は周知の通りです。

ミスリードが行われるこのコロナにおいても、日本の死者数は世界でも圧倒的に少なく、G7で最も抑制に成功しており(データによりコロナで死んでいない日本人は99%)

倒産、失業率と突出した低さをキープし(世界2位の補償額)、ワクチン接種回数は1億回を超え現在世界5位の速さですがこれも正しく報道されず、
メディアは毎日不安を煽り、倒閣の為経済を止める方向へ誘導を続けています。

自民党が全て良いとは言えませんが、データに基づいた客観的事実や、対策を限界にさせている現法改正に対する民主党の妨害、数々の不祥事も民主党は報道されず、

2009年同様の政権交代を再現すべく、共闘し世論誘導を仕掛けている事を 一人でも多くの方が気付き、
自ら情報を拾い判断する大切さや、
国民1人1人の投票で政権をも決定する重さがある事をどうか知って頂きたいと思い、こちらを貼らせて頂きます。
https://pachitou.com/2021/08/15/国民の敵マスゴミとの戦いの正念場/
長文、大変申し訳ありません。
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