夏空の棚田 FUJIFILM X Series facebookより

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「夏空の棚田」 千葉県 鴨川市大山千枚田
FUJIFILM X-Pro2 + FUJINON XF18mmF2 R フィルムシミュレーション:Velvia/ビビッド
最近ある人気のアニメ映画を見た。その上映の途中で「あっ!!」と思った。それが今週の作品。撮影をしたのは今年の6月。南房総に森の撮影のロケハンに行ったとき、「棚田」という看板に惹かれて何の気なしに立ち寄った。初夏の青空、白い雲、緑の田んぼ。自分の暑中見舞い用のハガキにしようと撮った写真。その場所が映画に出てきてとても嬉しく、そして驚いた。時間があるとき、なるべく映画や美術展、あるいはお寺や神社で屏風画や襖絵を見るように努めている。その理由は、好奇心もあるが、すべてが自分の作品づくりに結びついてくるからだ。前回、8月4日の記事でもXシリーズの豊富な色のバリエーションについて述べた。それと大きく関わってくる。どんなにカメラが素晴らしい色再現のモードを沢山用意しても、それを選び、使うのは撮り手。撮影者が色を選択し、味付けを調整しなければならない。カメラは自動で色を選んでくれない。撮影者が選ぶ基準は何か?それは頭の中のイメージだ。それを具現化してくれるのがカメラだが、頭の中のイメージを作る大きな要素が記憶色。いかに心の中の記憶色の引き出しを豊かにするかが、カメラの色のパレットを使いこなす秘訣だ。
話は長くなるが、色の引き出しを沢山作るためには多種多様な経験が大切。そのためには多くのアート作品、映画、お芝居、そしてもちろん写真展などを見ることも大切。場合によっては自分で絵を描いてみることも必要。すべての経験と体験が色の引き出しを作る肥やしになる。カメラは色のパレット。だから、どの色を選びどう使うかは撮影者自身にかかっている。カメラはあくまでそのお手伝いをしてくれる存在。2011年のX100登場からXシリーズを使っている。さらに言うならば、1991年にフィルムのVelviaを使い始めてから、僕の心の中には常に富士フイルムの色のパレットが開いている。そしてそのパレットの色数は増え続けている。増えてはいるが基本設計は変わらない。だから、眼の前の光景を見たときに、このシーンはこのフィルムシミュレーションを使い、コントラストや彩度はこう設定して、こんな絵を作ろう、という脳内絵コンテがすぐできる。これは色の引き出しと、長年変わらない富士フイルムの色づくりのおかげだ。
今回は夏の光のまぶしさと、眼に突き刺さる緑を強調したかったので、Velviaで、彩度を+1、コントラストをやや高めに設定した。
夏休み、あるいはStay Homeをする間、ネット等で過去の名作と言われる映画を鑑賞して、色や視点の引き出しを作ることもお勧めする。写真を撮りに行かずとも写真が上達できる方法だ。僕が今まで見た映画で、色や視点の引き出しになったのは野村芳太郎監督の「砂の器」、ベン・スティラー監督の「LIFE!」、そして巨匠ジョン・フォード監督の「わが谷は緑なりき」。是非参考にしてみてほしい。
これから秋に入り、光がより色彩に溢れ、かつキリリとしてくる。カラー&モノクロの豊富な色とトーンのパレットを持つXシリーズは、皆さんの心の引き出しをきっと手助けしてくれるはず。あとはGood Luck。
Photography by Masaaki Aihara




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by masabike | 2021-08-18 17:24 | 日本風景 | Comments(0)
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