PENTAX 67+SMC75mm Kodak T raiX
阿仁合線 比立内駅 1979年
大学生時代 秋田の比立内からさらに奥の打当という村に行った
当時まだ残っていたマタギの村に行ってみたかったからだ
偶然 駅でこの地を取材に来たジャーナリストの方に出会い、その方が現地に詳しく、いろいろご案内していただいた。
どうして、マタギの村に行ったかというと、高校生時代にアサヒカメラの連載 北井一夫さんの「村へ」でマタギの村が出ていて、どんな所か見てみたかったという好奇心だった
高校1年生の時にはじめて見た北井一夫さんの「村へ」はすごい衝撃でした。土のにおいが感じる写真。とてもひきつけられる写真でしたが、高校生にはどうして写真が素晴らしいのか、心の中で整理できない部分がありました。でも初めて鉄道写真以外で、引き付けられたのが北井一夫さんの「村へ」 特にその中でもマタギでした。だったので、実際に村へ行ってみました
時は流れ今年5月 40数年ぶりに「村へ」を拝見 特にオリジナルプリントは初めてでした。なので感動してブログにも書かせていただきました。でもその後何人かの写真愛好家あるいはプロの方から「北井一夫さんって知らないです」というコメントをいただいた。第1回目の木村伊兵衛賞なのに?という感じですが、でもこのことは北井さんに始まったわけではありません
デジタルでSNSが盛んになり新しい世代の写真家の方あ、あるいは写真が趣味な人がたくさん出てきました。それはとても良いことです。底辺の拡大、一番大切なことです。でも多くのあたらしく写真の世界に訪れた人たちが、過去を全然振り返らないことです。新世代の人たちは、いまSNSで活躍している人たちだけしか見ていなくて過去の財産歴史は振り返っていません。
北井一夫さんもそうですが、 名取洋之助 土門拳 三木淳 濱谷浩 東松照明 細江英孝 奈良原一高 木原和人 海外でのリチャード・アベドン アンセル・アダムス エルンスト・ハース などなど数えあげたらきりがないですが、過去の作家と作品をまるで知らないということに驚きです。 そういえば最近お会いしたある方からも「写真家の金丸重嶺さんを知らない方が増えてきて寂しい」とお聞きして驚きました。学生時代は写真の勉強になくてはならない写真家のおひとりでしたから
ただこれは写真だけではなくアート全般に過去を知らない 勉強しない傾向らしいです。
過去を見たから知ったから何が変わるのですか?と聞かれることがしばしばある。過去を知ることで、自分の立ち位置がわかり、自分自身が目指す作品の方向性を見定めることができる。写真史 アート史を学ぶことは、この写真の世界で生きていく 目指す方向の地図を手に入れることだと思う。自分自身でも大学の卒論が「写真の昨日 今日 明日」だった。そのため過去の多くの作品と作家を見て、現代の作家と作品 そして卒論を書いた1981年時代の、これから未来に向け出てきた新人の人の作品を見て、写真のいろいろな面を考察した。その中で明確に覚えているのが、写真史を学んでみて感じたのはカメラの進化=作品の進化ではないこと。写真はカメラではなく人が撮るので、カメラの進化と写真の進化は正比例ではない、ジャンルによっては無関係であるという答えだった
SNSで人気のある写真家あるいは作家が最高という前に、もう一度 美術史 写真史を紐解いて、過去の大切な作品を学びなおし、自分の立ち位置を知る事。ちょうどコロナで家にいる時間は多い。今が最高で最良の時だと思う
文中 敬称略
そういえばある美術史のキュレーターから言われた言葉がある「テクニックに頼った作品はいずれ消えていく。なぜならテクニックがあれば他の人でも作れるからだ。テクニックに頼らない作品造りが大切」
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