緑と水の香り FUJIFILM X Series facebookより転載




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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「緑と水の香り」千葉県 小湊鉄道 飯給駅
FUJIFILM X-T4 + FUJINON XF16mmF1.4 R WR
6月は梅雨の季節。雨が降り、じめじめして6月は嫌いだという人も多い。実は僕は6月こそ、ある意味一番日本が日本らしい季節だと感じる。なぜならばその湿度感こそが日本の文化に与える影響が強いからだ。オーストラリアロケの帰りの飛行機は夜明けに東京に着陸する。着陸までの時間調整で関東地方から富士山、中部地方のあたりを旋回して時間調整していることが多い。そんな時、眼下に広がる日本の風景は靄に覆われた、モノトーンの景色であることが多い。オーストラリアは世界屈指の乾燥した大陸。乾燥した空気は強烈な日差しと、真っ赤な砂漠を浮かび上がらせる。その色と光になれた感覚で日本に戻ると、日本列島を覆う湿度感がものすごく素晴らしく、そして優しく感じる。2010年、全国の富士フイルムフォトサロンで日本の風景の巡回写真展を行った。タイトルは「しずくの国」。大地を覆う水の雫、イザナギ・イザナミの雫から日本列島が始まったという神話になぞらえたタイトル。梅雨がもたらす雨があるからこそ農耕文化が根付き栄えたとも言われている。そしてその湿度感は日本画などの表現に大きな影響を与えている。
そんな梅雨がもたらす季節になると、僕は田んぼやあるいは四国山地に山水画の世界を求めてロケに行く。この日も田植えが終わった田んぼに囲まれたローカル線の駅に撮影に行った。駅名は飯給(いたぶ)。変わった地名なのでネットで起源を調べると諸説あるが、地元、小湊鉄道さんのHPによると「日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国の蝦夷を鎮圧するため同地を通ったとき、住民から飯を献上されたことから名付けられたと伝えられています。」と記されている。やはりお米にまつわる。だから何となく米作りに欠かせない梅雨の季節にロケに来るとしっくりくるのかも。
そんな田んぼを入れて、しっかり列車まで被写界深度に入れたかったのでXF16mmF1.4を選択した。日没直前、やってきた列車のヘッドライトが田んぼに映りこむ。超広角のXF16mmを使用しても、点景となっても列車の動きは以外と速い。動体ブレせずにしっかり動きを止めて、田んぼへの列車の映りこみを確実に見せたかったので、感度をISO800と少し高めに設定した。X-T4はこのような細かい点景を取り入れた場合でもきりりと明確に表現できる。そして何よりも夕刻の微妙な緑の再現、雲の再現はX-T4そしてXシリーズならではと思う。湿潤な田んぼの緑が表現できなければ、この作品は台無しになる。湿度と緑に覆われた日本列島の梅雨から夏。まさにXシリーズの色再現の独壇場だと感じる。もしかしたら日本列島の湿潤な緑を末代まで残すために、神様がXシリーズを生んだのではと勝手に想像してしまう。神話の時代、X-T4があったら、日本列島の誕生を瑞々しく写真に残せただろう。湿潤な緑溢れるこのアジアの島国を撮るのに、僕にはXシリーズ以外は考えられない。


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by masabike | 2021-06-16 22:39 | 鉄道写真 | Comments(0)
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