Katachi PLANT FUJIFILM X Series facebookより

【和の「写心」By Masaaki Aihara】

Ouchi de Shashin Plant

FUJIFILM GFX100S + FUJINON GF120mmF4 R LM OIS WR Macro

我が家は僕が料理を作るのがルール。なので、夕方食材の買い出しでスーパーへ。この日はネギが安売り。ネギ好きな僕は大量買いした。だが仕事が立て込み、買ったネギを忘れていた。ある朝台所に行くと、ネギが花を咲かせていた。という訳で、自分が食べる前にカメラに食べてもらおうと”Ouchi de Shashin”。ただ今回はカラーで撮影。なぜならネギの花の白と茎の緑の対比があまりにも奇麗だったから、ASTIAモードで、彩度を+2で撮影。鮮やかな、そして滑らかなグリーンが撮れた。

実はフィルム時代からグリーンの色再現に富士フイルムは定評がある。原生林のタスマニア　緑の多い日本を撮るとき、僕はいつも富士のフィルムだった。その緑色の再現性がXシリーズに受け継がれている。写真では再現が難しい色が2つある。1つは緑。鮮やかさが出なく,くすんでしおれた緑になったり、ビビットすぎて、プラスチッキーなグリーンになったり難しい。それを自然かつ鮮やかにXは再現している。そしてもう1つは人の肌の色。柔らかい肌色を出すのは難しい。Xシリーズが生まれる前、多くの写真家がいろいろなデジタルカメラを仕事で使っていた。だが仕事を離れて、自分たちの記念写真や日常の記録で使うカメラは、富士フイルムのコンデジが多かった。なぜか？それは記念写真で人の肌色がいちばん綺麗に撮れるのは富士フイルムのコンデジだということを知っていたからだ。だが当時のスペックでは仕事では使えない。自分たちのプライベート写真、つまり家族や人生の記録を残す大事な一瞬に、少しでも肌の色を美しく残したいので富士フイルムのコンデジを選んでいた。

前回の連載で建築などの写真のアーカイブの話をした。実は僕もこのGWに色のアーカイブがあることを知った。それはある美容外科に仕事で撮影に行った時の事。撮影終了後、美容外科の先生から「どうしたらお肌のコンディションや、シミやそばかすなどをきちんと撮れますか？いま持っているカメラではそれがとれないのです」　美容外科はお肌の治療が多い。特に肌の治療過程で記録として写真をたくさん残しておく。いわゆるBefore&After。治療でどのようにお肌が変化していくか診察と治療の過程で克明に写真をとり記録として残し、且つ患者様にもそれを見て納得していただく。そして今後のケアのための資料としても活用する。だが先生曰く、手持ちのカメラではそれが撮れないので病院の記録としてとても、また患者様に治療を説明する資料としても困っている。しかも撮影は特別なライティングではなく診察室で問診しながら行う。おまけに部屋の照明と診察台の前のPCモニターの明かりも加わる。なので、どうしてもうまく撮れない。僕はその答えはとても簡単ですよと告げた。答えはカメラを変えればよい。撮影で持っていったX-T4 & XF50mmF2.0で病院のスタッフの女性の肌をその場で撮影して先生にお見せした。すると「相原さん、これですよこれ！僕が欲しかったのはこの肌の再現性と毛穴まで写る克明さ。このカメラは普通の人は買えるのですか？えっ？買えるの！！！だったらいますぐ買いに行きましょう」ということで先生はすぐにカメラを買いに走った。20分後、ドクターはXユーザーになっていた。まさに色のアーカイブが仕事を左右するということを見せつけられた日だった。このような医療の現場でもXシリーズは大事なのだなということを僕も初めて知った。仕事で撮るアーカイブも、そして皆さん自身の人生のアーカイブにもきっとXシリーズは役に立つはず。

ところで以前のOuchi de Shashinで撮影した野菜はどうするのですか？と質問をいただいた。もちろん大事に食べる。今回のネギもシャブシャブで食べた。だが色再現は綺麗なネギだったが、花が咲いたネギは、僕の味覚の「うまみ」再現にはネガティブだった。

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