スーパームーン昇天 FUJIFILM X Series facebookより

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「スーパームーン昇天」 茨城県 鹿島灘
FUJIFILM X-T4 FUJINON XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
陽の出より月の出の撮影の方が、僕は血が騒ぐ。形を変化させながら天に昇っていく様は、宇宙がつくりだした生き物を感じさせる。
5月26日のスーパームーン。皆既月食よりも、巨大な月が海から変化しながら昇るさまを捕らえたかった。事前の情報だと昇り始めから月食しながら昇ると聞いていた。だからこそ異形の月が生み出されるところを撮りたかった。天空高く皆既月食となるところは、僕よりもはるかに専門知識にたけた天文写真家の方におまかせして、Land scapeを超えたSpace scapeとしての月を撮りたくてこの瞬間を狙った。


1988年、オーストラリアに行くまでは月にさほど興味が無かった。だがある夜、砂漠でキャンプをしていると夜中に眩しくて眼が覚めた。誰かが深夜にテントの中を強烈な明かりで照らしていたからだ。こんなところで誰が?怒りと不安でテントの外に出ると誰もいない。無人の荒野が広がるだけ。あるのは頭上に輝く月だけだった。月光で砂漠に自分の影が強烈に映し出されていた。その明るさは本が読めるぐらいだった。日本では考えられない明るさ。それ以来、月の存在に興味を持った。また別の夜。砂漠で地平線から火の玉のような満月が昇るのを見た。最初はラグビーボールのような楕円形。色は強烈なオレンジ色。そしてだんだんと丸く、黄色から白になっていく。毎日同じ場所、ほぼ同時刻から昇る太陽よりも、形と時刻を変えて昇る月はまるで生き物のようで写欲をかきたてられた。ただ砂漠で見た真っ赤な満月、撮影は300mmの望遠レンズで当時のRDPⅡ(PROVIA)フィルムで撮影した。とても原色に忠実だった。だがデジタルになりなかなかその色が出ない。あの独特な赤はデジタルでは無理と諦めていた。だがXシリーズが出て、XF100-400mmのズームレンズの登場もあり、僕の写欲は満足するようになった。宇宙が生み出したかのような火の玉色の月、それが再現出来た。


今回の月の出、洋上に霞がかかり輝度差がないフラットな光線状態。AFが合致するかどうか心配だった。なぜなら月は昇るスピードが速く、フレーミングに全神経を集中させたいのでAFは要。X-T4のAFは困難な条件でも明確な映像を届けてくれた。しかもフルサイズに比べてレンズがコンパクトなXシリーズ。そしてFUJINONレンズは双眼鏡でも性能には定評がある。にじみのないクリアな映像は、魚群探知機が装備されても、最後は肉眼で魚の群れを追いかけるため、漁船にはなくてはならないものと聞いた。それと同様の特徴を持った100-400mmズーム。高性能かつコンパクトなので通常の3Wayの三脚でも充分撮影。これがフルサイズで600mm、800mmだとより大型の三脚あるいは三脚2丁掛けをしなければならず、機動性がスポイルされる。動きの速い月と変化する色をストレスなく追いかけられるX-T4とXF100-400mmのおかげで満足のいく撮影ができた。地球と月が織りなす宇宙のドラマ。チャンスは少ない。失敗の確率は下げたい。次回、あなただけの特別な月を撮りたいと願うならば僕はX-T4とXFレンズ群をオススメする。特にXF100-400mmは月と太陽のドラマには欠かせないアイテムだ。宇宙のドラマを紐解き楽しむキーワードがあるとするならば、そのキーワードはT4 & XF100-400mmだと確信している。
Photography by Masaaki Aihara



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by masabike | 2021-06-02 17:30 | 日本風景 | Comments(0)
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