Ouchi de Shashin

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「Ouchi de Shashin」
FUJIFILM GFX 50S + FUJINON GF120mmF4 R LM OIS WR Macro
ACROS + Yeフィルター
普段、日常にある物のディテールをどれだけ皆さんしっかりご覧なっていますか?特に毎日食べる食材のディテール。今回の作品はパプリカです。しかも断面。種の1つ1つを克明に。パプリカ内側のヒダの質感も克明にして、且つ立体的に表現し撮影しました。そのためにGFX 50Sのラージフォーマットを選択しました。その訳は画素ではなくセンサー面積がある数値以上大きくなると、質感立体感が飛躍的に向上するからです。これはフィルム時代に4×5になると35mmや中判フィルムで撮るのとは明らかに違う世界観になるのと同じです。かなり前に不動産の広告で明治時代から続く古い紡績工場の鉄の扉を撮影しました。その工場の跡地がマンションになるので、物件のイメージ広告のため、歴史を感じる古い扉を撮影しました。ロケハンでは35mmで撮影しましたが、伝統の場所の重みが当然出ません。そこで本番は4×5でCM FUJINON CM Wide 1:6.3/250mm + ACROS 100(当然フィルムのACROSです、笑)で撮影しました。プリントした写真にはまさに歴史の重みが出てました。扉に残る錆びの1つ1つ。傷の1つ1つ。すべてがそこの土地の歴史でした。クライアントさんも、同じ場所で同じ物なのに、フィルムが大きくなるとこんなに違うと思わなかった!とおっしゃっていました。
今回のパプリカも、その存在感、不思議な内面の形と立体感を表現するためにラージフォーマットにしたからこそ表現できました。ただ、克明に写るので、撮影の下準備は丁寧に仕上げました。包丁で分割したときに、内面に種が飛び散りました。それを小さなピンセットで1つ1つ取り除きます。水で洗い落とすと全体がぐちゃぐちゃになるからです。そして飛び出してぶら下がっている、種や皮は、小さなカッターで削り落とし形を整えます。大自然の風景では、手を触れずありのままに撮りますが、スタジオでの物撮り等では手を加え、形や色を整えていきます。自然の写真はシャッターを押す時間に重点を置きますが、室内撮りの場合はシャッターを押す前の時間に重点を置きます。
ちなみに野菜はスーパーで買うと形が整いすぎているので、各地の産直所で買う方が、形が少し不揃いであったり、勢いがあって撮影には向いていますし、新鮮でおいしいです。(笑)撮ったらしっかり食べることも大切です。ちなみにこの時もパプリカを買おうと思ったら、産直所のおじさんに「今日はピーマンの方がお買い得だよ」と言われたのですが、「撮影用なのでパプリカが欲しい」と言うと不思議そうにしていました
そして新年、大変な社会状況です。また寒いのは苦手と言う方もいらっしゃいます。屋外の撮影もよいのですが、ぜひOuchi de Shashinしてみてください。特にラージフォーマットのGFXシリーズとGF120mmMacroの組み合わせは、普段食べている見慣れた野菜に宇宙の不思議な生命体のように新しい魅力と視点を生み出してくれます。ちなみに僕はこの野菜の断面写心の一連の作品はターヘルアナトミア:解体新書シリーズと呼んでいます。
ラージフォーマットだからこそ、日常の世界の中に非日常を作りあげられる。その魅力お試しください。きっとあなたに新しい視点の作品と、夕飯の食卓に新しいレシピを提供してくれるはずです。
Photography by Masaaki Aihara


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おだてられるとたくさん撮ります 笑

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by masabike | 2021-02-03 18:15 | Katachi | Comments(0)
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