色のない時 FUJIFILM X Series Fcabookより

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【和の「写心」By Masaaki Aihara】
「色のない時」長野県 上高地
FUJIFILM GFX 50S + FUJINON GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR
夜明け前の色のない世界。でもモノクロームとは異なる。この光の時間帯がとても好きだ。オーストラリアの砂漠では見る事が出来ない世界。砂漠は宇宙みたいなもの。昼と夜、暑いか寒いか、明るいか暗いか、二極化の世界。デジタルの世界に近い。オーストラリアの風景がデジタルだとすると、日本の風景はこってりアナログ。実は1988年にオーストラリアの砂漠を旅して帰国したとき、なぜか急に京都に行きたくなり、京都の寺社仏閣巡りをした。その時、多くの襖絵や掛け軸などの日本画に初めてきちんと向き合って、拝ませていただいた。地元の方には失礼だが、それまで京都や奈良は修学旅行で訪れる少し地味な場所、そんな気持ちだった。(実際に京都のお寺さんをちゃんと訪れたのは中学の修学旅行以来だった)そこで初めて日本の文化、特に日本画の世界に頭の中を殴られた気がした。外に出て、特にオーストラリアと言う若い文化の国から旅して戻ると、それが顕著に分かった。外から日本を見た視点で、京都で日本画と向き合った。外国人旅行客の方で京都や金沢、鎌倉を訪れて日本文化の虜になり、アートの勉強や修行のために日本に移り住む人がいることも納得できる。外から見て初めて気が付く大切さ。オーストラリアで初めて個展をしたとき、僕の写真展のキュレーションをしていただいたMs. Sabineさん。彼女は元オーストラリア国立美術館の主任学芸員で、メルボルンの国立美術館で日本の出光美術館展を開催するほどの日本文化通だった。彼女から写真展の時にいくつか大切なアドバイスをいただいたが、その中で1番大事なことが「常にInとOutを繰り返すこと」だ。物事を内なる世界と外なる世界から交互に見ることで、常に新しい視点、新しい世界観が生まれ、作品と自分の内面世界がマンネリ化しないのだとアドバイスしていただいた。京都での日本美術との対面はまさにそうだったのかもしれない。
上高地のような有名撮影地で撮影していると、多くのアマチュアの方から「どうしたら写真が上達できますか?」と質問をいただく。実は正解はない。正解があったら、ひっそり誰にも教えないで自分で行う(笑)その時にアドバイスさせていただくのが”In &Out” 。写真雑誌・写真のHow To本やテクニック的な写真サイトを見るのも大切だが、もう1つ別の視点、外から物を見る観点で、絵画をたくさん見ることをオススメしている。日本画、洋画何でもよい。できればオリジナル。どの都道府県でも県立美術館等は素晴らしいコレクションを常設展で公開している。今の社会状況で難しければ、図録やネットで見るのでもよい。できるだけ写真以外のものを見て、外からの視点を養い、それによって視点と自分の世界観の引き出しをたくさん作ることを勧める。引き出しさえたくさんそろえば、色とトーンの豊富なフィルムシミュレーションを装備したGFX & Xシリーズがあなたの世界観をプリントの上に表現してくれるはずだ。
12月18日より富士フイルムフォトサロン名古屋企画展 相原正明写真展「2つのACROSの世界」を開催します。XシリーズのACROSモードを使い撮ったパリのスナップと銀塩フィルムACROSⅡを使い撮影した日本のランドスケープ。2つのACROSの世界の対比をお楽しみいただく写真展です。12月18日19日の2日間。相原はサロンに在廊予定です。ぜひ皆様のご来場お待ち申し上げております
Photography by Masaaki Aihara




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by masabike | 2020-12-03 08:06 | 日本風景 | Comments(0)
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