星に願いを FUJIDILM X Series facebookより

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【和の「写心」《番外編》By Masaaki Aihara】

「星に願いを」 オーストラリア タスマニア州 ニューノーフォーク
FUJIFILM X-H1 + FUJINON XF16mm F1.4
撮影協力:タスマニア州政府観光局 カンタス航空

オーストラリアの撮影と旅は過酷の連続。特に初めて訪れた1988年はオートバイでの大陸一周。1000km 以上の砂漠のアドベンチャールートの横断が何度もあった。1時間後、自分は本当にこの世に生きていられるのだろうか? 誰もいない無人の荒野をたった一人でバイクに乗り、砂と格闘しながら旅をする。それだけ肉体的にも精神的にも大変な旅だった。
そして夜、キャンプでいつのころか満天の星空を見上げ、「今日も無事に終わりました。今夜も安らかな眠りと素晴らしい朝が来ますように」と星に願いをするようになった。

いつしかオーストラリアの撮影の旅は30年を超えた。撮った作品数はフィルム&デジタルを併せると膨大な量。正直なところ整理が追い付いていない部分もある。今回のコロナでのStay Home。自分としてはプラスに考えることにした。家にいるだけで感染拡大予防、医療従事者の方たちへの負担軽減になるならば、この時間を有効に使おう。という訳で、この2ヶ月近く毎日データ整理。過去の作品の見直しを中心とした毎日。なぜ過去の作品の見直しをするか。理由は2つある。1つは撮影時、たとえば個展や写真集あるいはメディアでの取材であれば、撮影コンセプトに沿った作品を優先にセレクトしている。良い写真、面白い写真であってもコンセプトに沿っていなければセレクトから漏れている物もある。それが意外と多い。撮影の合間のスナップとか記念写真もそうだ。そしてもう1つの再セレクトの理由は、自分の心と視点の変化。例えば、昔は広い風景が好きで、マクロ的に撮ったものは選んでいないとか、以前は露出がアンダー傾向の写真が好きだったが、今はオーバー傾向が好きになったとか。これは他の項目にも当てはまる。色やトーン、硬め柔らかめ、あるいはアスペクト比も。人は人生の色々な経験と体験で、好みが変わってくる。学生から社会人へ、結婚、あるいは定年リタイア。失恋や大事な人との別れなどの悲しいこともあるだろう。そして女性ならば出産という経験もあるだろう。写真は写心、心で色やトーンの好みが大きく変わる。僕の好きな写真集で藤原新也さんの「全東洋街道」がある。その中でイスタンブールの酒場の女性が言う「人間は肉でしょ、気持ちいっぱいあるでしょ」という言葉が心に刻まれている。そう、人は気持ちの生き物。今回のコロナ禍も大きく作用するかもしれない。でもなかなかこれだけの時間、家に閉じ籠ることは人生のなかでも少ない。写真家を目指して以来32年。これほど家にいたことがない。毎日が寅さんみたいな生活だったからだ。ぜひ皆さんも活動制限のある生活をプラスに考え、過去の作品の再整理をすることをお勧めする。こんな作品を撮っていたんだ。どうして、こんないいカットを没にしたのだろう。あれ?今見るとこちらのカットの方がいい。中には、一緒に記念写真撮った友達元気かな?など。色々な写真が出てくると思う。過去の撮影データを整理して見直すことで、掘り出しものもあるかもしれない。今回の夜空の作品も、ある仕事で取材コンセプトに沿っていなかったので、未使用没ファイルになっていたものを見つけた作品だ。

コロナ禍のStay Homeが終わり、自由に大空のもと撮影に行けるようになった時、自分の作品の見直しは次の撮影に大きく役に立つはずだ。人生に意味のない時間は存在しない。自分の写真の温故知新を相原はおすすめします。僕はまだあと少なくても20TB整理が必要ですが……汗&笑




いまはStay Home


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by masabike | 2020-06-03 21:54 | タスマニア | Comments(0)
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