富士フイルム X Series facebookより 桂花團治師匠

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三代目 桂花團治師匠 「たちきれ」


FUJIFILM X-H1+FUJINON100-400mm(電子無音シャッター使用)


撮影協力 いけだ市民文化振興財団





富士フイルム X Series facebookでは掲載しなかった作品をプラスして転載しました


【和の「写心」By Masaaki Aihara】

「たちきれ」 大阪 池田市民文化会館
FUJIFILM X-H1 + XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
電子シャッター シャッター音OFFモード使用

「音のしないカメラを持ってきたら撮影していただいても良いですよ」。今から6年半前の2014年、お正月の大阪で初めて桂花團治師匠(当時:桂蝶六師匠)とお会いした時の言葉であった。偶然、会場となったホテルでの新春寄席にご出演されていた、桂花團治師匠が新春イベントの写真展に、ひょっこりおいでになられた。僕は昔から落語が好きで、オーストラリアの砂漠に行く時も、キャンプで夜に、落語のCDを持って行っては気分転換に聞いていた。だがあくまで好きで落語を聞いたり、寄席には伺っていたが、落語を撮影したことはなかった。正確に言うならば、変幻自在にいくつもの人格を演じ分ける、落語家の方の撮影をしてみたい思いはあった。高座の上も、高座に上がる前も撮影してみたかった。だが、落語家の方に知り合いもおらず、その世界に通じる方にご縁もなく、長年撮ってはみたいと思っていたが、落語の世界へと通じる扉がどこにあるか分からなかった。

そんな時に偶然とはいえ、桂花團治師匠の方から写真展にお越しいただいた。最初から何か、ピンとくるものを感じさせていただいた。会場に展示させていただいている富士山の写真から始まり、色々な話に花が咲いた。咲きながらも内心、とても緊張してきた。それは、「もしかしたら今ものすごいチャンスかもしれない。無礼失礼を承知で、撮影をお願いしてみよう」という気持ちが、ふつふつと沸き上がったからだ。そして、清水の舞台、というよりも高度1万メートルからスカイダイビングする気持ちで「落語をされているところを撮らせていただけないでしょうか?」と、たった今お会いしたばかりの方にお願いした。「ふざけるな」と怒られるのは覚悟の上だった。だが答えは意外にも、快諾であった。折しも当時、蝶六師匠であったわけだが、2015年に三代目 桂花團治を襲名するので、襲名を全て撮らせていただくことをご快諾いただいた。だが今までは単に落語を好きで見に行っていた程度。落語の世界のイロハはおろか、全てがわからない。もちろん掟や禁じ手も。そこで、師匠に「なにぶん撮影が初めてなので、まずは何かこれは困る、という禁じ手があったら、お恥ずかしい話教えていただきたい」とお願いした。その時に、発せられたのが最初の一言。「僕はそうですか」としか言いようがなく、師匠の出番も近づき、そのままお別れすることになった。それから東京に帰るまで3日間、頭の中は「音の出ないカメラをどうやって用意しよう」だった。当時でもカメラ用消音ケースは存在した。無音ではないので、かすかではあるが、静かな会場では音が周りに聞こえてしまう。音が少しでもすると、演者さんが演じる話の間が狂ってしまう。だが一番困るのは、お金を頂戴しているお客様に不愉快な思いをさせてしまうこと。そんな時に思い出したのが、当時X-T1の開発段階で電子シャッターというのがテスト中であったことだ。1/20000秒の高速シャッターが切れると同時に、音を消す事が出来るということを聞いていた。正月休み明け、X開発エンジニアのH氏に「落語の撮影をしたいのだが、新しいシャッターで完全無音で撮れるのか?」という質問と、テスト撮影のお願いの電話をした。そしてあくまでテスト、ということでOKをいただいた。2014年5月10日 福井の寄席で、初めて電子シャッターによる無音モードで花團治師匠を撮影させていただいた。お客様は誰もカメラの存在に気が付かなかった。それから6年。多くの高座や舞台裏、さらにプライベートなお時間まで、花團治師匠には多くの撮影をさせていただいた。そしてそれは全てXシリーズの進化のためにフィードバックされた。

撮影して初めて気が付いたことが二つあった。それは落語家さんが、顔の表情や話芸だけではなく、手の所作、座る時の体の重心の置き方で演じる人物を演じ分けること。今回の作品でも両手を重ねて膝に添え、腰を少しひねり、重心を後ろにすることで、お茶屋のおかみさんというのを演じられている。お侍さん、職人さん、長屋のご隠居。それぞれを座る際の姿勢と、手の所作で人物を演じ分けている。撮影していると、その人物表現の変わる流れの美しさに見とれてしまうことがある。そしてもう一つは高座に上がる前、舞台の袖で見せる気迫のこもった姿。高座の上では想像もつかない雰囲気だった。まだまだ撮影させていただいて6年目。やっと少しだけ落語の撮影の自分なりの視点が見えたような気がした。そこにXシリーズなくしては、この撮影はできなかった。フィルムカメラからデジタルカメラ、そしてさらにミラーレス化。フィルムではありえなかった、高感度の撮影がデジタルで可能になり、ミラーレス化で無音シャッターや高速シャッターが可能になり、新たな撮影領域が広がった。そしてXシリーズも今やX-T4。その進化と成熟は止まらない。多くの写真家が好奇心というクリエイティブに必要な起爆剤により、どんどん作品を進化させる。そしてXシリーズは常に、その好奇心の化学変化の中心にいてくれる。10年後、僕はXでどんな未知の領域を撮影しているだろう。


いまはStay Home


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by masabike | 2020-05-20 22:07 | 落語 | Comments(0)
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