祈り FUJIFILM XSeries facebookより

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「祈り」 パリ マレ地区 サンポール・サンルイ教会
FUJIFILM X-Pro3 + FUJINON XF56mm F1.2 R

小雨降るパリの夜。古い建築物が並ぶマレ地区に食事に行った。街はアジェの作品に出てくる世界そのまま。石畳を歩き、通りに差しかかったときに教会があった。ちょうど、扉が開いており、中が見えた。中には無数のキャンドル。教会の方が「どうぞご自由にお入りください」と言い、中に招き入れてくれた。
荘厳な建物は教会の中は天井近くまでキャンドルで埋め尽くされていた。(この教会はパリで唯一のバロック様式の教会だそうです)教会の信徒さんの説明によると「今夜は約1600年前に人々の幸せを願った聖ジュヌヴェイーヴの生誕祭です、なので1600年にちなんで1600個のキャンドルを灯しています」と説明を受けた。そして施しのパンを頂戴した。

祈りの場というのはどうしてこう気持ちが落ち着くのだろう。オーストラリアでの聖地ウルル(元エアーズロック)にいる時と同じような気持ちになった。息をするのもためらうような、聖なる空間。キャンドルが燃える音が聞こえてきそうなくらいの静寂。いつでも人々は喜びの時も、悲しみの時も、そして今のような困難な時も祈ってきた。祈りの場所は心が落ち着く場所。ゆっくりと自分の心と対話すると、何を自分が感じ、どのように表現したがっているのかがよく分かる。そっとガラスの羽毛に触れるようにX-Pro3に触れ、静かに構えた。

こんな時、心の静寂を一番阻害するのがカメラのシャッター音。僕は電子シャッターで無音モードにして祈りの光を撮影した(ここの教会の、キャンドルが灯る場所は撮影がOKでした)。それまでのFUJINON XF16mmから、心の中の光のイメージに近いレンズに交換した。FUJINON XF56mmは僕の心の眼のように、感じたものだけを静寂な空間から浮かび上がらせてくれた。レンズが聖なる光を取り込んでいく。まるで背後のキャンドルたちが天使のようだった。そしてレンズを通した光は世界の全てのものを遮断してくれて、僕と聖なる光たちの対話の時を生み出してくれた。気が付くと30分以上撮っていた。そろそろ温かいベッドが呼んでいる。宿に帰るとする。

教会を出て、また小雨降るパリの歩道を歩いてホテルに戻る途中、ポケットの中には教会でいただいたパンがあった。冷めているパンなのにとても温かく、ぬくもりを感じるのはなぜだろう。そういえば、首からぶら下げているX-Pro3はとてもパリの街と光と空気に馴染んでいる。静かな時を過ごし、光と時間と対話できたことで、自分も少しパリに馴染めた気持ちになった。旅の中で光と自分の対話を邪魔せずに、手を差し伸べてくれるカメラ、それがX-Pro3だと感じた。時と場所に溶け込みたい旅をしたくなったら、僕はX-Pro3を勧める。カメラを構えるとき、あなたは旅人から風景の一部へと変わるに違いない
追伸
近々、そんなパリの旅で出会った光と影と人と、グルメを集めた写真展を開催する。タイトルは”Un Autre”。フランス語でお代わりの意味。
自分の写欲はオーストラリアの荒野のダイナミックな光、日本での伝統芸能の落語の世界の緊張した光で満足しきっていると思っていた。でもパリに降り立つと、心が写欲と好奇心で溢れ返り、Xシリーズのカメラたちは「レンズを満たす光をもっと寄こせ、お代わり(Un Autre)」と言ってきた。そんな心と、好奇心の旅で得た光を今回も入れて3回でお見せしたい。作品は東京・銀座の写真弘社内のギャラリーアートグラフで開催する写真展 Un Autre~巴里・光と影のグルメ~でご覧いただける予定だ。Xで撮影したデーターをアナログ方式のラムダプリントでプリントしたモノクロの美しさも見ていただきたい
 




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by masabike | 2020-03-18 23:16 | 2020  パリ | Comments(0)
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